ルヴァン杯GL 横浜M×新潟(三ツ沢)


 今日は前半20分頃に現地着。バスが丘を上っている時にマリノスの先制を知り、三ツ沢公園に着いてゲートを通った直後に中から聞こえるチャントの中で僅かな悲鳴とため息が耳に入ったので嫌な予感がしたらやはり新潟の同点ゴールだった。三ツ沢開催は開始に間に合わない事が多いが、前半に点が入って見逃す事もまた多い。

 今日は飯倉、喜田、扇原、松原等これまでのルヴァン杯メンバーから半分くらいレギュラー組を入れてきた布陣だったが、ボールはある程度テンポ良く回っていたと思う。サイドからのクロスもグラウンダーだったり色々工夫しているのは見て取れたのだが、やはり中の味方に合わず、前半観た時間においては流れの中からGKを脅かすシーンはあまりなかった。そんな中でやや遠い位置からFKのチャンスがあり、扇原がブレ球キックを沈めてマリノスが勝ち越し。先週土曜といい、今季はFKがよく決まるな。もちろん個々の練習の成果とは思うが、全体的にパスを出す時、受ける時の身体の入れ方、角度について相当細かいところまで指導されているのが覗えるので、こうしたセットプレーのキックも何かしらアドバイスなりはあるのかもしれない。
 前半はこのまま2-1で終わったが、新潟も防戦一方という訳では無く、何度かカウンターで裏を突いてチャンスを作っていて、扇原のFKの前には飛び出した飯倉の頭越しのシュートもあった(カバーに入った栗原が頭でクリア)。新潟の前線は田中達也高木善朗、ターレスとタレントは揃っていて、今日は特にターレスを観てみたかった。ブラジルの年代別代表経験もある逸材であると同時に問題児でもあるらしく、かなりのオーバーウェイトで来日したと。まぁ今日観た限りでも大分重そうで、リーグでもまだ1ゴールだが、鳥栖のイバルボを更に粗削りにしたようなプレースタイルで前線でボールを収められるので、監督が上手くコントロール出来れば大きな武器になるとは思った。

 後半はマリノスがボールを支配して押し込む時間が続き、新潟も中盤でボールを奪ってカウンターを狙うがマリノスがDFラインを高く上げてオフサイドを取ってチャンスを作らせず。ただ終盤になると田中達也矢野貴章(ターレスに代わって出場)がラインを抜け出すシーンが何度か有った。矢野はいつの間にかまたFWになっていたが、相変わらずの高さで栗原とのエアバトルは互角以上。またこの選手はスピードもあるのでラインを抜け出すプレーも出来る。一度左サイドを抜け出てシュートというシーンがあったがこれは枠を外した。
 マリノスは後半は前半より相手ゴールに近付くシーンは増えて枠内シュートも多かったのだが、新潟GK田口がセーブして追加点を奪えなかった。田口は去年はマリノスから藤枝にレンタルでそのまま契約満了となり、今季新潟に完全移籍。これが今季公式戦初出場だったが、決定機をよく防いでいた。ユース出身だし、地元で古巣相手に燃えた故かもしれないが、いいプレーだった。終盤にはウーゴも入れて3点目を取って試合を終わらせに行ったのだが、2-1のまま終わり。

 これで神戸とのプレーオフに進出してH&Aで勝ち上がればベスト8と。W杯でJ1が中断されるのでその間近隣のJ2、J3でも観に行こうかと思っていたが、ひとまず6/2(土)の神戸戦@三ツ沢は仮予約。時期的に雨が降らなければ良いが。

J1第14節 横浜M×G大阪(日産)


 4/8からの7週連続ホーム戦の6戦目だが、途中ウィークデーにルヴァン杯やリーグ戦アウェイを挟んだりしてるので、今日が一体何節か分からなくなってくる(苦笑)
 今日の両チームのスタメン表を見た時、ガンバのファビオは中盤起用なのかと思ったが、試合が始まると明らかに三浦、菅沼との3バックだった。中盤は前目にフリーポジションを取る遠藤と自分でボールを前に運ぶのを好むマテウスがいる中で今野がどうにか支える布陣。去年から兆候はあったが遠藤はちょっとJ1でフル出場し続けるには厳しくなって来たかなというのが正直なところ。プレーテンポを操るパスセンスは健在だけど、少なくともウィークデーの試合には起用せず中6日を厳守するとか、出場時間を管理する段階なのかなと思う。おそらく日本初の公式戦1000試合出場が近付いているのであと1~2年は頑張って欲しいと思っているのだが。ガンバは前線の長沢やファン・ウィジョはマリノス守備陣に積極的にプレスに行っていたが、本当の獲り所である中盤(磐田はこの点が見事だった)が上記のような状況なので序盤からマリノスがボールを支配する展開が続いた。
 後半にガンバは今野→藤本の交代。今野も負傷から復帰したばかりだし、あまり無理をさせられないという判断だったか。これでマリノスは更に攻め込むようになって今日は磐田戦とは違うな、と思った矢先にその藤本が飯倉の頭越しのロングシュートを決めて先制。シュートした藤本の技術は素晴らしかったが、これで飯倉が上がって空いたゴールに入れられたのは今季リーグ4点目。もはやどのチームもマリノス戦なら隙あらば狙っている状況で、自陣ならともかく相手陣内半ばでボールを奪われてもこうしたゴールを決められてしまうのはリスク管理としてどうかと思う。そもそもグァルディオラのマンCやバイエルンはこうしたゴールを決められたシーンがそんなに無いはずだが。どうも今の戦術はCFGのオーダーで実践しているものの、ポステコグルー自身が消化し切れていないという疑念が消えない。
 先制されてもマリノスが押す流れは変わらず。今日は特に仲川の突破が効いていた。このサッカーでサイドアタッカーに求められることを体現していたというか、とにかくボールを持ったら縦に、斜め45度に仕掛けてクロス、シュートで終わるプレー。プレーの中身だけでなくその「回数」が重要で、何度も何度も仕掛けるプレーこそこのポジションで求められるもの。この連戦で一番評価の上がった選手。
 そして後半15分頃に天野のFKで同点。キックの位置から前節セレッソの丸橋が決めたようなファーポストを狙うのかと思ったらニアの上隅を正確に狙ってゴールと。ゴラッソだった。その後、25分頃にウーゴ→ブマル、大津→遠藤の2枚替え。まるでサイドの動きが出来ていなかった大津はともかく、得点源のウーゴまで交代させたのは、ルヴァン杯(勝利、引き分けでPO進出、負ければ敗退)でカードとして残しておく為だったか。これで仲川が中央に入ったが、サイドからグラウンダーではなく普通のクロスが多く、あまり効果的では無かった。エリアのすぐ外までは攻めるものの、その割に決定機は多くなく、結局1-1の引き分けで終了。
 前節名古屋戦に続いて勝てる試合で勝点2を失った試合だった。神戸戦も勝つべき試合だったから、この3戦で勝点7を失った形。喜田が復帰して中盤のボールの回りは良くなり、パスを回す時に一人囮にして相手のマークを外すプレーが前節から見られるようになったので、徐々に戦術が浸透しているのだろうとは思うが、上記で述べたように監督自身がこの戦術を自分のものに出来てないという疑念もあってまだ試行錯誤中なのは否めない。まぁとにかく残り公式戦2戦を勝ってW杯の中断期間中にチーム作りを進めるしか無い。それと同時にこのサッカーに適したタレントを外から呼ぶことも考える必要があるとは思う。inだけでなくoutについてもW杯後は欧州の夏の移籍期間もあり、デゲネクのようなW杯に出る(であろう)選手はそれを機に欧州からオファーがあることも考えられる。

 そうそう今日の観衆は21,576人だった。5/2の磐田戦は19,738人、4/28の鹿島戦は27,348人だったが、こうホーム戦が続くと4/28~5/12の中でどれか1試合だけ観に行こうと考える人は多そうだし、そういう人達が選んだのが鹿島戦だったという事かな。今日の試合はガンバサポが結構来ていて、アウェイゴール裏1階の半分以上を占め、また指定組を合わせれば4~5000人は来ていた。その他ホーム側でも今日たまたま来たという人は一定数いるだろうから、開幕前に書いたように、やはりマリノスのコア層(週末に試合があれば毎試合観に行く人々)は大体15,000人ということか。今のマリノスはこうしたコア層がどうにか支えているが、それ以外の層との“乖離”も進んでいるという感覚もまたある。

W杯エントリーメンバー予想(ドイツ編)

この前日本のメンバー予想をしたが、GW特別編として(笑)ドイツもやってみたい。昔ほど海外の代表チームを追ってはいないので、こういう色々考えた予想がすぐに出来るのはもうドイツくらいしかないな。次々新しい選手が出てくる南米勢、あるいはオランダ、フランス、イタリア等世代交代が進んでいるチームになると名前を聞いても分からない選手が増えてきた。

GK:ノイアーバイエルン)、テア・シュテゲン(バルセロナ)、レノ(レバークーゼン
 怪我から復帰すれば主将でもあるノイアーがレギュラーだがテア・シュテゲンでも全く問題無い。注意すべきなのは仮に控えとなった場合のテア・シュテゲンの扱いかな。バルセロナでカップ戦メンバーにもかかわらずクラブW杯で出番が無かったので、表彰式で不満を隠さずチームメイトから総スカンを食らった事があった。(その後正式に謝罪したようだが。)第3GKはトラップかレノだが、パリSGでカップ戦要員のトラップでは無くレノを。

CB:フンメルスバイエルン)、ボアテンク(バイエルン)、リュティガー(チェルシー)、ジューレ(バイエルン
 フンメルス、ボアテンクのバイエルンコンビは確実で、サイドや3バックにも対応出来るリュティガーも選ばれるだろう。それ以外だと前回大会を経験しているムスタフィはアーセナルでパッとせず3月の代表戦も選外だった。またヘーヴェデスユベントスで最近やっと負傷から復帰したばかりということで、ジューレ、ギンターの若い2人の中から選ばれると予想。中盤もこなすギンターか、一応この前のCLで途中出場で左SBに入ったらしいジューレか・・・まぁ中盤は層が厚いし、ここはサイドも出来る(であろう)ジューレかな。

SB:キミッヒ(バイエルン)、ヘクター(ケルン)、プラッテンハルト(ヘルタ・ベルリン
 キミッヒ、ヘクターは確実だが、その控えとなる本職SBがあまりいない。あくまで他のポジションに比べてだが、現在のドイツで一番層の薄いポジション。去年のコンフェデの頃までは若いヘンリヒス(元々中盤でSBに転向)が選ばれていたが、昨秋から選考外が続いている。まぁここ最近のW杯では少なくとも片方のサイドはCBを置いて守備を安定してきただけに、CBの誰かをサイドに置いたり、あるいは中盤のジャンを右SB兼用にしたりする事で対応する事になると思うし、3バックもオプションとして考えられる。という事で本職の控えはプラッテンハルト(左SB)のみで。

中盤:ケディラユベントス)、クロース(R・マドリー)、ジャン(リバプール)、ギュンドアンマンチェスター・C)
 レギュラーは運動量と守備力、そして前線への飛び出しを持ち味とするケディラと司令塔のクロースのコンビ、控えにも同タイプとしてケディラにはジャン、クロースにはギュンドアンを。ルディ(バイエルン)も堅実な選手で継続的に選ばれているが、どうもこの選手は日本の細貝と重なる。「代表の常連で一定の試合出場経験もありながら、レギュラークラスにはあと一歩届かないボランチ」という点で。それもあって最終的には↑の4名が選ばれるだろうと。

2列目:エジルアーセナル)、ミュラーバイエルン)、ドラクスラー(パリSG)、ゴレツカ(シャルケ)、ザネ(マンチェスター・C)、ロイス(ドルトムント)、ブラント(レバークーゼン
 エジルからザネまでの5名は確実。このポジションの層は厚いが、その他の候補はゲッツェは監督のお気に入りだがクラブでパッとしないし、シュールレは随分代表から遠ざかっている。またシュティンドルは遅咲きながら着実に実績を残してきたが先日負傷してしまいW杯は欠場が確実。という中で最終的には若いブラントとそしてコンディションの不安は付きまとうが、能力的にはレギュラークラスで得点力を備えるロイスかな。特にロイスは復帰後はコンスタントに点を取っているので期待。

CF:ヴェルナー(RBライプツィヒ)、ヴァークナー(バイエルン
 レギュラーはヴェルナーで、その控えとしてヴァークナーかゴメス(シュトゥットガルト)となるが、シーズン途中に敢えてレバンドフスキがいるバイエルンに移籍しながら、しっかりリーグで8点(ホッフェンハイム時代と合わせて計12点、ゴメスは7点)取ってるヴァークナーが一歩リード。

 前回の主力で今回いないのはラーム(SB)、シュバインシュタイガー(中盤)、クローゼ(CF)だが、さすがドイツというかこの3人の後継はしっかり育っている。SBの層が薄いと書いたが、それでもキミッヒが現れたし、クローゼ(≓自ら決めるだけで無く2列目の得点も引き出せる万能型CF)の後釜にもヴェルナーが台頭した。しかもキミッヒは中盤だけで無くCBすらこなし、ヴェルナーはクローゼには無いスピードという武器があるなど、サッカーセンスやアスリート能力という点では先達よりグレードアップしている印象すらある。
 隙の無い23人だと思うが、この穴の無さが逆に危ういとも思う(苦笑)EURO2012の時は2年前の南アW杯から更に若い選手が台頭してついにスペインを越えるかと思ったらバロテッリにやられた。逆に日韓大会(ダイスラー、ショル、ノボトニー)、南ア大会(バラック)、ブラジル大会(ロイス)など、主力が負傷欠場して不安視されている時ほど好結果が出ていたりする。ただ強豪が順当に1位突破すれば、ブラジル、フランスがもう片方の山に回り、おそらく決勝T1回戦はスイスorコスタリカorセルビア、準々決勝はイングランドorベルギー、準決勝はスペインorアルゼンチンとなりそうなのはなかなか組分けに恵まれたと思う。

【5/16追記】
5/15に候補メンバーが発表され、やはりムスタフィ、ヘーヴェデスは選外だったが、↑からもジャンとヴァークナーが落選。ジャンは4月の怪我が思ったより重く、シーズン中復帰出来なかったのが痛かった。ヴァークナーは意外。あまりにもバイエルン勢が多すぎたからか(笑)?(上記の内、現所属7名+元所属のクロース+来季加入内定のゴレツカで9名もいる)

J1第12節 横浜M×磐田(日産)


 この日は夕方から雨だったが、西日本は朝から降っていたようだし、前日に旅から帰ってきたのはタイミングが良かった。
 今日のマリノスは鹿島戦からはウーゴ→扇原に代えたのみで、2トップからこれまでの1トップに戻した。右SBはてっきり松原が戻るのかと思っていたら、山田が再びスタメンで少し驚いた。元々中盤の選手が違うポジションで試合に出るというのは特にマリノスの場合今後を考えても意味のある事だと思う。1つ上の吉尾や更に上の天野など、マリノスユースからはこれまでにテクニックに優れた攻撃的な中盤の選手が数多く昇格したり大学経由で加入しているが、攻撃的な中盤は余程の逸材で無いと試合に出れないポジションだし、この山田から見れば1つ上に吉尾がいて、1つ下には2種登録で椿という去年U17W杯に出た選手もいて競争は激しい。そういう中で違うポジションでも試合に出るのは大きな意味があるし、思わぬ才能が開花するかもしれないなと。元々中盤で右SBにコンバートというとドイツのキミッヒを連想してしまう。この選手はグァルディオラにその戦術眼を買われて右SBでプレーし始めたら一気にドイツ代表のレギュラーにまで達してしまった。さすがに代表とまでは言わないが、今までにないSBとしてのプレーに期待したい。

 まぁ試合自体は鹿島戦以前に戻ってしまった印象。序盤に遠藤が抜け出してクロス→中で合わせたシュートは磐田DFがブロックというシーンがあったが、チャンスと呼べるのはこれくらいで、後は中盤で回しているところを奪われてカウンターを浴びるシーンばかり目立った。磐田は特定の味方を狙わずマリノスのサイド裏に取り敢えずボールを蹴り込むシーンが多かったが、一度川又が金井に競り勝ってGKと1対1のシーンを作り出したし、マリノスにとって嫌なところを突いてくるという点で名波氏の準備通りの展開だったな。ボールを奪っても間髪入れずサイドに展開というのも徹底していたし、湘南戦同様、相手監督の指導力を感じさせた。実際、前半の磐田の2ゴールは中盤でボールを奪ってからの(磐田から見て)右サイドを突破して生まれたものだった。マリノスから見れば左サイドだが、やはり鹿島戦以前のように左サイドでボール回しに時間を掛けすぎている弊害が出てしまったかな。

 後半も10分過ぎにスローインから中町が田口にボールを奪われ、飯倉が前に出ていたので迷わずロングシュートを狙ってこれが決まって3点目。中町の奪われ方は確かに良くなかったが、ハーフライン付近でボールを奪われたのが即失点に直結するのもどうだか。
 その後も同じように中盤でボールを奪われて磐田のカウンターを浴びるシーンが続出したが、後半半ばにPKを得て、ウーゴが決めたものの味方がエリア内に入っていたのでやり直し、2度目はカミンスキーがセーブしたものの詰めた仲川が決めて1点返した。そして後半35分にギレルメが2枚目のイエローで退場。しかもその後感情をコントロール出来ずマリノスの選手に蹴りを入れて、退場する際もマリノスベンチ前でスタッフに掴みかかるという暴れ振りだった。おそらく最悪の場合このまま契約解除、少なくとも10試合、数ヶ月レベルの出場停止は確実。近年はすぐ動画が拡散してしまうから、こういうあからさまな暴力行為はクラブやリーグ全体のイメージダウンに繋がるので一定の商業的ステータスのあるリーグでは減っている印象で、そうした選手の居場所も無くなりつつあるとは思うが(イングランドジョーイ・バートンとか)、Jでこうしたシーンは珍しい。
 その後マリノスはボールを支配するが決定機までには至らず試合終了。やはり目指すサッカーに選手の質が追い付いてないように思う。確かにグァルディオラのチームはバイエルンもマン・Cもレベルの高いプレーを見せるが、もしブンデスやプレミアのセカンドクラスのチームを指揮したら同じサッカーを目指すだろうか。まぁ次の名古屋戦が終わればリーグの連戦は終わるので、W杯の中断までの3試合で勝点4以上は取っておきたいところ。
 
 帰りは溝の口行きのバスに上手く乗れて王将で軽く飲んでから帰宅。ここはいつも混んでいるのだが、早く帰れたお陰で並ばず行けた。

北九州・山口行(3日目)

 最終日は萩の城下町を観て帰るスケジュールで、周遊バスもあったが小回りの利くレンタサイクルを利用した。萩の城下町は中洲の上にあり、萩城址がその先端にあるのだが、ホテルとレンタサイクル屋のある東萩駅からは自転車で15分ほど。途中には菊ヶ浜という浜辺があったが、白浜と背後にそびえる萩城址は絵になる光景だった。朝8時過ぎと早い時間だけあってさすがに人は少なかったが、大学生?らしき男が独り浜辺に座りながら海を眺めていた。何か思うところがあったのだろうか。

 その後は萩城址にある指月公園や城下町を巡り、旧家も見学。

 自転車で走っていて気付いたが、とにかくここは維新志士の銅像が多い。目にしただけでも高杉晋作久坂玄瑞山県有朋等々。正直特に長州藩が好きという訳では無く、むしろ政治家や感化された有名人が言うところの「松陰“先生”」だとか「松下村塾の精神を今に」だとか言う発言には若干狂気すら感じられて引いてしまうのだが、歴史に名を残す人物を多数輩出したのは事実だし、日本史上重要な場所であるとは思う。

 ここまででまだ10時前で、帰りの飛行機には14時頃に萩を出れば良かったのでかなり時間が空いてしまうなと思っていた所にふと東萩駅から津和野行きのバスが出ている事を思い出した。津和野まではバスで1時間45分ほどで、帰りの萩・石見空港までは15時過ぎに出ればOKと言う事で時刻表を調べると、10:15のバスに乗れば12時には津和野に着いて十分観光できる事が分かり、昨日に続いて急遽日程変更して東萩駅に戻って自転車を返し、津和野へ。観光バスタイプの車両かと思ったら普通の路線バスタイプの車両だった。こうして山を越えて島根の小京都へ。

 津和野でも同じく自転車を借りたのだが、萩より更にコンパクトな街ですぐ回れる。途中城下町の風情を残す通りもあった。

 途中周囲の山を見上げると鳥居が連なる神社があり、太皷谷稲成神社といって日本の五大稲荷社の一つらしい。去年のGWに行った佐賀の祐徳稲荷は三大稲荷の一つだったが、その他二つあるということか。まぁ定義はそれぞれのようで、自称に因る所があるようだが。山の中腹にあるので例によって本殿まで山登り。

 本殿からは津和野の街並みを一望。

 津和野駅に戻った後は在来線で益田駅に向かい、そこからシャトルバスで空港へ。空港は海に近いのだが、離陸するとすぐ日本海の上に出て、赤潮が目立っていた。

 航路は松江付近まで本州沿いを飛び、そこから日本海に出て福井辺りで再び本州に戻り、石川、富山、長野、北関東とほぼ同緯度を通って栃木から南下して羽田に向かうルート。今までに無いルートだけに北アルプスなど窓下の景色が楽しかった。

北九州・山口行(2日目)

 2日目は当初山口の秋吉台秋芳洞を周り、長門を経由して夕方に萩に着くスケジュールだったのだが、元々時間がタイトだったのと初日に歩き倒してかなり疲れてたのもあり(苦笑)、急遽予定を変更して小倉から直接長門に向かった。新幹線で厚狭(あさ)に行き、そこから快速電車で長門市駅へ。途中駅では地元の人々がホームでハンカチを振って降りる客を歓迎するシーンもあった。11時前に長門市駅に到着。
 ここから別路線で1駅先の仙崎駅近くには土産店やレストランもある道の駅や近くの青海島を巡る遊覧船も出ているとの事だったが、あまりに本数が少ないので2kmほど歩いて向かった。この道の駅は去年オープンして、つい4/20に道の駅としてリニューアルした施設らしい。

11時半だったがレストランは既にかなり並んでいたので露店で売ってた牡蠣とギョロッケという魚の擂り身を揚げたものを購入。美味かったが、ギョロッケを半分ほど食べ終えた頃にいきなり後ろからトンビがやってきてかっ攫われてしまった。あまりに一瞬の出来事で、体に触れず食べ物だけ持って行く技には笑うしか無かった。
 その後は青海島を一周する遊覧船に乗車。

 実は日本海では佐渡島隠岐の島に次いで3番目に大きい島らしく、様々な色、種類の岩や洞窟を観る事が出来る。
 1時間20分程の遊覧を終えて港に戻ってもまだ道の駅のレストランは並んでいたので、近くの定食屋に向かった。ここも並んでいたが、店員さんが登録された名前を呼んでも来ない人が多く、15分程で席へ。ここはウニとイカで有名らしく、ウニの釜飯を食べた。

 ここまででまだ14時過ぎだったので道の駅に戻って土産を買うなど時間を潰し、バスで長門市駅に戻って、そこからJRで萩へ。チェックイン後は夕飯の店を探しに近くを歩いたのだが、昼に海鮮物を食べたので夜は軽くで良いかなと思っていたところに地元のチェーンのうどん屋があり、そこで肉うどんを食べて2日目が終了。九州やこの辺りのうどんは出汁がやや甘いが、あっさりしていて胃に優しい。帰りに橋越しに見えた夕景がなかなか綺麗だった。

J3第8節 北九州×群馬(ミクスタ)


■北九州・山口行
 今年もJの日程が発表されると同時にGW旅の検討が始まった。最初は4/28-29で山口、北九州と一気に2つのスタジアムを制覇してしまおうかと思ったのだが、さすがにマリノスの試合は飛ばせず北九州のみとし、翌日以降は南下して九州周遊or関門海峡を越えて中国地方かで迷ったが、最終的に今まで行った事の無い日本海側の萩に行こうかなと。
 前日の鹿島戦から帰宅後、諸々準備して4時半に起きて羽田に向かい、7時台の便で福岡空港に飛び、博多から新幹線で10時前に小倉着。試合は14時からなのでまずは小倉城に向かった。

 小倉駅からも十分徒歩圏内だが、わざわざモノレールで1駅乗ってしまった。この小倉やここ数年行った徳島、高松、高知、丸亀など海に近い城下町は好天の時が多いからというのもあるとは思うが独特の開放感、明るさがあるな。見終わった後は丁度昼時だったんで小倉駅に歩いて戻りつつ店を探し、小さい路地にあるラーメン屋に入った。九州豚骨だったけど、自分が子供の頃はラーメンと言えば醬油、塩、味噌のシンプルな味で縮れ麺がスタンダードだった中でたまに父親が土産で買ってくる博多ラーメンはそれとは全く違って、自分の知るラーメンとは別物という意識があったのをふと思い出した。今や九州の豚骨ラーメンは東京でも当たり前のように食べられるが、全国に定着したのはほんのここ20年くらいではないかと思う。
 昼食後は小倉駅を抜けてそのままスタジアムへ。

■試合
 4/29というのはGW序盤になる訳だが、自分にとっては未踏スタジアム制覇日になっており、

2013年:ニンジニアスタジアム(愛媛)
2016年:PIKARAスタジアム(讃岐)
2017年:ケーズデンキスタジアム(水戸)
2018年:ミクニワールドスタジアム(北九州)

一昨年から3年連続でどこかに行っている。思えば北九州の前本拠地である本城陸上競技場に行ったのは6年前だが、この6年の間に長崎、鹿児島のJ加盟やこのスタジアムの完成など色々あった。前本拠地は小倉から電車で15分+バスで20分だったが、新スタジアムは小倉駅から徒歩10分足らずで着いてしまい、しかも駅からスタジアム近くまで屋根付デッキが整備されているので例え雨の日でもそれ程傘を使わずに済む。
 今日はメイン2階の席を買ったのだが、↓のようにスタンドの傾斜は急で、とても観やすい。一方で椅子に背もたれが無かったり、トイレの洗面台ぞれぞれに鏡が無い(入り口に1つ置いて有るのみ)辺りはコストカットの跡が覗えた。

 後、ここは海に面しているのが最大の特徴だが、バクスタが低い構造なのでメインスタンドから海やその先の門司方面まで広く見渡せた。バクスタが低いという点では大宮のNACK5スタジアムも同様だが、NACK5のメイン、両ゴール裏スタンドをグレードアップさせたのがここ、とも言えるかもしれない。
 
 試合について。序盤は五分五分だったが、徐々にアウェイの群馬がボールを繋いで押し込み始めた。後半開始早々に右サイドのクロスから先制してそのまま1-0で逃げ切り。群馬の監督は元市船監督の布氏だったが、パス回しに意外性、華麗さよりも手堅さが勝るようなサッカーは当時の市船の匂いがした。北九州はカウンターのスイッチを入れるような視野の広いパスを出せるのは本山くらいだったのだが、その本山もボールが足に付かなかったり、フィジカルで相手に押される場面が多くなかなか得意な形に持ち込めなかったのは苦しかった。後半からは新加入のフェホが入り、ダヴィとの2トップで何かが起こるかなとは思ったのだが、決定機は1度ダヴィの右クロスに合わせたフェホのシュートがポスト左に逸れていったシーンくらいで、後は相手とやり合っていたシーンくらいしか印象に無い。経歴を見るに世界中を転々として日本でもJ2でのプレー経験があるが(千葉、京都)、そこでも実績を残せずついにJ3まで流れてきたという位置付けだな。
 ノンアルで済まそうと思っていたが、売店に門司港地ビール屋が出店していていい天気だったのもあって1杯飲んでしまった。

■試合後
 終わった後はホテルにチェックインして少し休憩した後、電車で下関に向かった。小倉~下関間は電車で15分程度。下関は6年前にも行っていたので今回は当時行かなかった場所へと思っていたのだが、行こうと思っていた火の山展望台のロープウェイが17時までしか営業してないのが分かり、取り敢えず6年前と同じく海峡ゆめタワーへ。

 その後はカモンワーフでふく料理を食べ、しばし海峡を眺める。

良い具合に霞んでいたのだが、去年の九州行で、この地域が霞む時はPM2.5の可能性が高い事を学んだ。その後は船で門司港に渡り、既に辺りは暗くなっていたのもあり、特に観光などせず電車でそのまま小倉へ。