J1第5節 横浜M×鳥栖(日産)


 Jの日程が発表された当初、この試合は年度の最終営業日ということで何があるか分からんし行けるかどうか・・と思っていたのだが、いざ当日を迎えると退職される人への送別などセレモニーが中心の一日となり無事日産スタジアムへ。
 両チームのスタメンを見ると、まずマリノスがGKを飯倉から朴に代えたのには驚いた。未だ5節というこのタイミングで?と思ったが振り返ると3/10川崎戦の1失点目(飯倉のフィードがズレて相手にボールが渡り、そこからパス1本で失点)がターニングポイントだったかな。あれでポステコグルーの中でGK交代という選択肢が生まれたのではないかと。負傷や出停でも無い限り正GKを代えるタイミングは難しいが、ルヴァン杯で朴を起用し、Aマッチ期間中の練習で最後の見極めをした上での決断、だったかな。一方鳥栖トーレスが負傷でベンチ入りもせず豊田と金崎の2トップという布陣。以前にも書いたが、マリノスは本当に大物外国人選手との縁が無い(苦笑)去年もトーレスイニエスタがJに来る前にホームの鳥栖戦、神戸戦を消化してしまったし、ポドルスキも実は未だ横浜に来ていない。今日の観衆は約20,000人だったが、トーレスが出ていたらもう少し増えていたかな。

 試合は今季これまでの試合同様マリノスがボールを支配する展開ではあったが、鳥栖が上手くブロックを作って球際激しくプレーしてマリノスの動きを封じてきたので、ガンバ戦、ベガルタ戦の様な躍動はあまり感じられなかった。2度のバー直撃など決定機は幾つかあったがそれぞれのシーンをよく見るとシュートの瞬間に相手が寄せたり、コースを切ったりしており、見た目ほど余裕のある場面では無かった。またマリノスの攻撃のキーマンは三好というのも既に分析されているようで、今日(特に前半)は複数人に対応されて高い位置で前を向いてボールを持たせて貰えず、最終ラインのすぐ前辺りでボールを捌く場面が多かった。そんな展開だったので、内容はどこか去年の終盤に似た両サイドの突破頼みの単調な攻撃となり、そのまま0-0で試合終了。

 これで開幕からの連勝の後は△△●●△と公式戦5戦未勝利。大分戦やこの試合の様に、相手に上手く守られた時に打開するのはそれを上回る個人のセンスというのがこのサッカーの前提と思うのだが、そんな特別な才能を持ったタレントなど希少なので、そこがマリノスの悩みどころだな。既存の選手やアカデミーにそんなタレントがいれば良いが現状はそうではなく、他から獲るとなればそのクラスなら億単位のコストが掛かる。故にレンタルという期間限定の手段で久保、三好を迎えたのだろう。その意味では先頃完全移籍で獲得した中川は三好のレンタルバック後を見据えての補強だろうし、どれだけ“違い”を創れるタレントなのかちょっと期待している。まずは朴のようにルヴァン杯で実戦テストかな。4/10の長崎戦辺りで。

ACL GL第2節 川崎×シドニーFC(等々力)


 仕事で近隣まで外出したついでの等々力行。ここは昨年正月の高校サッカー以来だが、プロの試合となると17年12月の天皇杯準決勝、更に川崎の試合となると1年半前の17年10月のルヴァン杯準決勝のベガルタ戦まで遡る。この時期は昼間は暖かくとも夜は結構冷え込むので、試合前にスタジアム外でちゃんこを食って多少温まってから入場したのだが、妙にトラックが新しいなと思ったら青く塗り替えられていた。確か10年ほど前もそういう話があり、当時は陸連の反対で?頓挫したということだったが、10年という月日を掛けてようやくそうした妨害をさせないほどの影響力をフロンターレ川崎市で持ち得たということだろうか。青いトラックというと昔行った大分の大銀ドームを思い出す。今日はフロンタサポの友人と一緒にメインアウェイ寄りで観戦。そう言えばACLも17年11月の決勝以来だった。やはりこのAFCのアンセムを聴くと国際試合を実感する。

 川崎は日曜のマリノス戦から8人が今日もスタメンだったが、前回書いたように連戦の疲労からか開始から動きは重かった。特に今日は右SBに入った守田は後半に1本惜しいミドルはあったが、中盤とでは感覚が違うのもあるのかパスを受け切れずそのままタッチを出てしまう場面も幾つかあった。マリノス戦でも動きが重かったし、今は少し停滞の時期を迎えているようだ。まぁこういう強度の高い相手との連戦は上のレベルでは当たり前にあるし、またワンランクレベルを上げるための我慢の時、だとは思う。鹿島の三竿と共に「相手の攻撃を潰し、攻撃の起点にもなれる」中盤として期待している。川崎の攻撃は左サイドに入った長谷川が切り込んで始まることが多かったが、中を固める相手にシュートまで持ち込む場面自体が少なく、数少ないチャンスも決められず前半は0-0。一緒に観た友人曰く、春先の川崎のシュート決定率の低さはいつものことらしかったが。

 後半はより川崎が押し込むようになったが0-0のまま時間が過ぎ、こういう時に相手がワンチャンものにするのはよくあるよなぁと思っているとシドニーFCはグーチャンネジャドを入れてきた。登録名はレザだったので最初気付かなかったが、元イラン代表でエール・ディビジ等欧州でも実績のあるアタッカーでそもそも今日のシドニーのメンバーで知ってるのはこの選手だけという。だが何度かこのパスが通ればシドニーのチャンスという場面で川崎がよく防いで決定機を作らせず、そんな中で終盤の攻撃から最後は長谷川に代わって入った齋藤がゴール前中央から流し込んで川崎が先制した。
 この齋藤と長谷川は左サイドを主戦場とするドリブラーという点でポジションを争うが、この前のマリノス戦で途中から入ったのは長谷川で齋藤は出場機会無し、今日もスタメンは長谷川でなかなか良い動きだったので、齋藤は出場機会自体なかなか来ないんじゃないかと思った矢先のゴール。これでもしかしたら次戦以降齋藤が優先して起用されるかもしれないし、長谷川も決して動きは悪くないのでハイレベルなポジション争いになるのだろう。川崎の層の厚みを感じた。このまま1-0で川崎勝利。

 今日他に気になった選手は中盤の田中と登里かな。田中はマリノス戦、今日と連続で観て、最初はJユース育ち特有の「足下はそこそこ上手いけど当たりに弱い」選手なのかなと思っていたが、ボールを「刈り取る」、「奪う」というよりは相手に「食らい付く」という表現が相応しい粘り強い守備が印象に残っている。やはりまだ周りの中堅、ベテランに比べたらプレーに落ち着きはないが、川崎の試合に出るレベルの巧さはあるし、U22代表に呼ばれるかもしれない。調べたら14年に堂安や冨安とU16アジア選手権を戦っていた。
 登里は今日は左SBだったが、自陣深くで相手に囲まれても落ち着いてパスを回し、時には逆サイドに振って展開する、その落ち着きぶりが印象的。5年位前なら同じ場面で慌ててパスミスしたりボールを持ちすぎて奪われたりしていたと思うが(マリノスもそれで大分チャンスを作った)、安定感があった。毎年川崎で一定の出場機会を得ているだけはある。

 帰りは新丸子まで歩いて帰宅。等々力から駅まで歩くのも久々だったが、友人と色々話すには丁度良い距離感。

J1第3節 横浜M×川崎(日産)


 今日は珍しくメイン2階から。年チケのアップグレードサービスを使ったのだが、東西両ゲートに対応ブースがあると思い込んで小机から西ゲートに向かったら東ゲートでしか対応してないのが判明し、西ゲート→東ゲート→再び西ゲート側のメインスタンドと結構な距離を歩く羽目になってしまった。座席はマリノスゴール裏を引いた位置から観てみたくアウェイ寄りにしたのだが、事実上川崎ゾーンだった。
 この試合を前にした両チームの状況は、マリノスが水曜のルヴァン杯でスタメンをほぼ入れ替え、今日と連続でスタメンなのはティーラトンと大津の2人だけなのに対し、川崎は水曜に上海でACLを戦い、7人が連続でスタメン出場。しかも更にその前の仙台戦ではティーラトンは欠場、大津は後半途中出場だったのに対して、川崎の7人は鹿島→上海上港→今日と3連続スタメン。やはりコンディション面ではマリノスが有利に思えた。
 が、序盤から決定機を作るのは川崎。前線から積極的にボールを追ってマリノスにこれまでのようなボールを回しをさせず、ボールを奪ってからそれをチャンスに結び付けていた。前半4分に飯倉から中央へのグラウンダーのフィードを奪い、そこから縦パス一本で前線のL・ダミアンに繋げて先制。L・ダミアンは典型的なCFタイプという印象だったが、このゴールのようにチップキックで冷静に流し込める器用さもあるのを知った。その後も家長のシュートなど川崎のチャンスが続く。
 マリノスとしてはやはり三好の不在が大きく、これまでのような最終ラインと前線のスムーズな繋ぎが見られず、仲川、マルコスの両サイドの個人技頼みになっていた感はあった。そんな中で仲川がラインギリギリから折り返したのをファーサイドでマルコスが合わせて同点に追い付く。特に仲川は今日は相手に複数人で対応されてほぼ押さえ込まれていたのだが、ほぼ唯一のチャンスを上手くアシストに結び付けた。前半は1-1。
 
 去年(18/4/10開催。調べたらこの時も川崎は水曜にアウェイで上海上港戦→日曜に日産スタジアムマリノス戦という日程だった)もそうだったが、後半は疲労によって川崎は運動量が落ちてマリノスが押し込めるかなと思っていたのだが、川崎は小林、長谷川、中村憲剛と交代の手札を切って1点を取りにきた。この点は選手層の違いを感じたな。マリノスも去年よりは層は厚みを増しているとは言え、ベンチに控える選手達の中でレギュラーと遜色ないと言えるのは扇原、後は強いて言えばドゥシャンくらい。それでも終盤は全体的にやや間延びしていたのだが、88分に左からの長谷川のクロスを逆サイドで小林が落とし、ファーサイドでL・ダミアンが詰めて川崎が勝ち越した。L・ダミアンを獲った理由はまさにこういう膠着した展開でこういうゴールを決める為にあると思っていたが、それを証明した形。
 ATは4分あり、最後にマリノスはCKを得たのだが、これを決めて追い付いた。決めたのは途中出場の扇原。そのまま2-2で試合終了と。

 マリノスのとしては内容からして勝点1は上出来かな。ボール支配率では52:48で川崎を上回ったようだが、ガンバ戦、仙台戦ほど押し込めず、逆に川崎に上手く寄せられて無理な体勢でパスを回さざるを得なくなって最終的に奪われるシーンが多かった。また三好の存在感、依存度が改めて分かった試合でもあった。この選手がいないと攻撃に厚みが出ない。まぁ川崎ほどのチームは今のJにそれほど見当たらないのでリーグではしっかり勝点を積み上げ、カップ戦ではタイトルを現実的な目標として行く他ないが。
 いい試合だった。会えなかったのは残念だったが友達も何人か家族連れで来てた様でこういう点はさすがビッグマッチといったところ。観衆36216人と去年の同カードから約1000人、一昨年からも6000人減っているのはマリノスの現状を表したものと言えるが、それはまた後日考察してみたい。

ルヴァン杯GL 横浜M×札幌(三ツ沢)


 今日は開始に間に合いそうにないのと試合終盤に雨という予報だったので行くつもりは無かったが、スタメンに小野の名を見て行くことに決めた。昨季は中澤や楢﨑など何人もの選手がシーズン終了後に引退を表明したが、後からプレーをもっと観ておけば良かったと後悔するよりは観る機会があればそれを逃したくはない。特にアテネ世代以上の選手達はここ数年毎年誰かしら現役から去っているし、今日観るのが最後かもしれない訳で。
 前半10分頃に着いたのだが、着いた時はこの2試合同様にマリノスがボールを支配して押し込む展開が続いていた。決定機も何度かあったのだが決め切れず。一方の札幌もさすがミシャサッカー2年目だけにサイドをワイドに使ったサッカーはチームに浸透していてマリノスゴール前に近付くシーンも幾つかあった。小野は中盤下がり目でボールを捌く役割に徹していたが、やはりボールタッチの正確さ、柔らかさは別格。
 この選手のプレーを観る度に思うことだが、もう少し遅く生まれていたらどうだったかと。若い頃(浦和やU20代表)は2トップの後ろだったしA代表ではトルシエ時代はそこに中田がいたので左サイド、ジーコ時代は稲本と組んでボランチが多かったと思うが、「ハマった」ポジションはついに無かったように思う。本来の位置はイニエスタの様にトップ下でもボランチでも無い2.5列目というか「中盤」としか言い様のない場所と思っているのだが、小野が若い頃は(特に代表では)そういう選手が活きるポジションは無かった。ふと思ったが、もしオシムが代表監督の時にコンディションが良かったら代表で活きるポジションが与えられたかもしれないな。何といっても中村俊輔中村憲剛、遠藤の3人を中盤で共存させ、機能させた人だし。

 後半は札幌が攻勢に出て、マリノスも少しバタついていたのだが、そういう中で右からのクロスをジェイが合わせて札幌が先制した。その後はマリノスが再び押し返し、失点から10分経たない内に大津が決めて追い付いた。
 この同点のシーンもそうなのだが、これまで3試合観て既に三好は不可欠の存在であり、代えが効かない。ゴールは李がゴール前で横に落として、そこに走り込んだ大津が決めたものだが、その前に李にボールを入れたのは、ドリブルでボールを運んで正確なパスを出した三好だった。この選手はマン・Cで言うところのD・シルバやデブルイネのようにそのプレーで攻撃にスイッチを入れ、前の選手を活かすことの出来る特別な選手で、今のマリノスの中盤でこれが出来る選手は他にいない。今日は右SBだった山田や仙台レンタル中の吉尾など去年この場所で何人も起用されたが監督の求める水準に達した選手はいなかった。この選手で足りないのはやはりゴール数、これに尽きる。開幕戦ではゴラッソを決めたが、続く2試合ではチャンスが有りながら決めきれないシーンが多い。ドリブルで相手エリア内に入って後はシュートというシーンや、クロスにフリーで頭で合わせたシーンなど今日も2点は取れるチャンスがあったが最後のフィニッシュになると何故かそれまでの自信に満ちたプレーが消えて弱々しくなってしまう。決める時は難しいシュートで、シンプルなシュートが決められない、というのは上手い選手にありがちなパターンだが、これでゴールも増えたら一気に代表入りだと思ってるだけに勿体無い。

 その後もマリノスが押して札幌がたまにカウンターという試合が続いた。札幌は左サイド白井の仕掛けは目立っていたが2シャドーの五輪代表岩崎、今季青森山田から加入した檀崎はあまりインパクトを残せず。まぁミシャは過去何人もこのポジションで才能を開花させてきたから(それこそ去年の三好のもそうだった)、彼らもこれから鍛えられるのだろうな。後半半ば過ぎからは雨が落ち始め、残り15分を切る頃になるとはっきりと降り始めていつでも帰る準備をしてたのだが同点、しかもお互いチャンスを作っていたので帰るに帰れず、結局AT突入辺りまで観てスタジアムを出た。早く出たお陰でバスに並ぶことも無く乗れて、無事横浜駅着。

J1第2節 横浜M×仙台(日産)


 ホーム開幕戦。去年の12/1以来3ヶ月ぶりの日産スタジアムということでこのシーズンオフの改修工事、具体的には座席の更新がどこまで進んだかまずは確認したのだが、更新されたのは1階の両ゴール裏とバクスタ2階の両端で、メインの2階や普段自分が座っている2階ゴール裏は従来と変わらず。

てっきりこのシーズンオフに残りの座席を全て更新するものと思っていたので拍子抜け。これからJの試合が続いて9月のラグビーW杯までにまとまった改修期間は取れないだろうし、これで終了なのだろうか。あるいはラグビーW杯はこれで臨むが12月以降改めて更新するとか?

 今日のスタメンは前節と変わらず。開幕戦で新加入選手を並べたのを見た時、特に右SBが松原では無くJ1デビュー戦となる広瀬だったので、これは監督からのある種のメッセージなのかと思った。誰が出てもクオリティは変わらないという今季の選手層の厚さをアピールする意図かなと。だが2試合終えた今思うに単純にこのメンバーこそが現時点のベストなのかという気がしている。左SBは負傷中のティーラトンが復帰すればまた変わってくると思うが、右の広瀬は去年徳島で似たような動きを既に経験していたようだが、ユース時代FWだったり別のポジションの経験がある故か、ずっとSB一筋だった松原より、中に絞る動きに対する適正で上回っている感が。俗にアラバロールと言われるが、そのダビド・アラバ自体がバイエルンでは左SBだがオーストリア代表ではボランチで、元々どこでもこなせるユーティリティさが売りの選手(同じバイエルンでドイツ代表の右SBジョシュア・キミッヒも同様)。SBしか経験の無い選手よりも複数ポジションこなせる選手の方が飲み込みが早いというのはあるだろう。
 試合は序盤からマリノスが押し込むほぼ一方的な展開。たださすが仙台も去年の結果(リーグ戦2試合でマリノスに大敗)や開幕戦を見て対策はしていたのか、前節ほど決定機は作れず。それでも仲川やマルコスの仕掛けで相手ゴールに近付き、エリア内でPKを獲って決めた辺りは開幕戦とはまた違った強さを感じた。前半の終盤には仲川の右からの折り返しをエジガルが押し込んで2点目。
 後半もマリノスが押し続ける展開だったが、後半半ば過ぎから少しずつ仙台がマリノスゴールに近付くシーンが出来始めた。そんな中終盤にエリア内で大津が石原に足を掛けてPKとなり、これを石原が決めて2-1。その後は危なげなくボールを回してそのまま試合終了。
 今日も内容的には相手をほぼ圧倒した試合で、開幕前に書いたように今季はいいとこ行くだろうという思いが益々強くなってはいるが、それでもこの2試合は1点差で、また最終ラインと前線をスムーズに繋ぐ三好、右の仲川の負担を減らすマルコス、後は高い最終ラインの裏をスピードでカバー出来るチアゴの代わりはいないこともまた分かる試合だった。次節は川崎相手だが、三好は契約上出場出来ない。その中でどういう試合になるか楽しみではあるな。

 毎年開幕当初は寒暖差がまだ激しく、夜や雨の日には冬に逆戻りかと思わせる寒さになったりするのだが、逆に日中陽が出ると春を感じさせる。今日は日射しが強く試合中はコートが要らないほどだった。試合後は北新横浜のサイゼで軽く祝勝会をして帰宅。

J1第1節 G大阪×横浜M(パナスタ)


■京都行
 ここ最近大阪に遠征する時は午前京都観光、午後試合というのがお約束。京都も主な場所は大体周っているので南の宇治や北の比叡山などにも行きたいのだが、日帰り旅の午前中という縛り故に結局は京都駅からアクセスの良い場所となる。今日も色々考えた末にまずは嵐山に近い天龍寺に向かった。ここは以前紅葉の時期に入り口辺りを少し観た程度で有名な庭園など中をじっくり見学したことは無かった。嵐山というと京都の北西の外れにあって遠いイメージだが、近くをJRが走っており、京都駅から電車で15分+徒歩10分弱と意外に近い。6時台の新幹線に乗ったお陰で天龍寺に着いたのはまだ9時で、人も少なく庭園をゆっくり観賞することが出来た。

見学後はその足で嵐山へ。ここはいつも山を背景にした渡月橋というのが定番なので、敢えて逆アングルで(笑)季節は新緑生い茂る時期でも紅葉でも無く、天気も微妙な曇り空で、更には橋桁で土木工事も行われていて風情とはほど遠い光景ではあったが。

この時点で10時だったので、また電車で京都駅方面に戻り、駅に近い西本願寺に行った。ここは2012年7月以来。

勿論西に行くなら東にも。

同じく12年以来だが、当時は写真2枚目の阿弥陀堂が修復工事中だった。そして今回は徒歩数分の飛び地にある涉成園へ。徳川家光の時代に東本願寺に寄進された場所らしい。拝観料500円で普通の寺社や庭園ではあり得ない立派なパンフレットを貰える。


やはり季節柄人は少なかったが、自分以外の見学者10名ほどは全て中国語話者だった。桜や紅葉、祭りの時期に比べてツアー料金も安かったりするのかな。
 ここから京都駅までは徒歩圏内なので歩いて戻り、地下街で昼を食べてパナスタへ。京都に来たのに宮崎料理(チキン南蛮や冷や汁など)の店で値段もそれなりな観光地価格だった。関西は街中に安くて美味い店は幾らでもあるのだが今回はスケジュールの都合上やむを得ず。

■観戦記
 京都からはJRで茨木駅に向かい、そこからバスでスタジアムへ。このルートは12年に初めて万博競技場に行って以来だな。バスは試合開催日に臨時運行されるシャトルバスと万博記念公園駅行きの通常ダイヤがあるのだが、シャトルバスがバスを降りてからスタジアムまで10分程歩くのに対し、この通常ルートはスタジアムの目の前にバス停があって狙い目。ただし混み具合もシャトルバス以上なのだが、タイミング良く座ることが出来た。12年に行った時も思ったことだが、茨木駅から市街地を抜け丘を上って広大な公園内にあるスタジアムに行くというのは、横浜駅からバスで三ツ沢に行くのに似た感覚がある。バスを降りると丁度ガンバサポがバス待ちをしているところだった。友人と合流し、入場してもまだ開始まで1時間以上あったのでスタジアム内を散策して時間を潰した。ここに来るのは3度目だが、何度来てもつい色々見て回りたくなる場所。まぁ今日はじっと席で座っているにはあまりに強烈な寒風だったせいもあるが。

 ようやく試合が始まったのだが、開始直後に喜田から飯倉へのバックパスをファン・ウィジョに拾われ、シュートはポストを叩いたもののそこに小野瀬が詰めていきなりガンバが先制した。昨季序盤みたいなドタバタ劇が今年もか、と思ったのだが、そこからマリノスがボールを支配してガンバを押し込み、先制されてから1分後に仲川が詰めて同点に追い付いた。
 今日のマリノスについて言えば先制されてから後半半ばまでの約70分はこれまでとワンランク次元の違う内容だった。ガンバがマリノスの選手を掴まえ切れていなかったのか、SB、中盤、サイドアタッカーが連携した攻撃が面白いくらいハマった。左のマルコスは期待通りゴールの匂いが漂う仕事ぶりだったし、エジガルも開始から何度も決定機を迎えた。
 ただ押しまくっていただけに前半の内に2点目が欲しいなとも思っていたのだが、前半30過ぎに右サイドからワンツーの連続で相手陣内奥深くまで侵入し、右サイドライン際でボールを持った天野が股抜きで突破してクロス、これはガンバDFがクリアするもののそれを拾った三好が迷わずミドルを撃ち、これが決まってマリノスが勝ち越し。
 今日は開幕節だが一連の流れ全てが今季の観戦表彰のベストゴール候補と言えるようなゴラッソ。今日の三好は去年のマリノスの中盤に欠けていたものを全てもたらすかのようなプレーだった。後ろからのボールをスムースに前を向いてトラップし、そのままドリブルやパスでチャンスメイクするーーーこれが出来る中盤がいるだけでどれ程攻撃が活性化するか思い知った。昨日書いたシーズン展望で得点力の無さが課題と書いていた矢先にあのゴールとは(苦笑)このプレーを継続できるならU22を飛び越えてA代表も視野に入るだろうと思う。
 A代表という点なら仲川もだな。今日はゴール以上にボールキープ時に相手に詰めさせない、取られない間合いを掴んでいるのが印象的だった。またボールを奪われないだけでなくしっかり前にドリブル出来ていたし、三好同様にこれが継続出来るならコパ・アメリカまでに一度は試されるようにも。
 試合は前半の内に中央からの崩しからエジガルが決めて3-1。先ほど述べたように後半半ば過ぎからはやや停滞して、終盤には飯倉とチアゴが意思疎通出来ず、飯倉がクロスをキャッチするため飛び出したところにチアゴが頭でクリアしてしまい、それを拾った藤春がダイレクトで無人のゴールに入れて3-2。ATも主にセットプレーからガンバがチャンスを掴んだが最後は凌いでそのまま試合は終わった。
 今日のスタメンを見た時、新加入の広瀬、三好、マルコス、エジガル、レンタルバックの高野と半数近く新戦力を並べていたので、これは今年の選手層の厚さを示すための監督のメッセージなのかなと思ったが、試合が終わった後はまだ何とも言えない。今日ベンチだった松原や扇原、遠藤がスタメンで出ても同じ水準を保てるのか。3月、4月はリーグやルヴァン杯でそれを見極める楽しさもあるということだな。

 帰りは飛行機で、パナスタからは伊丹空港までモノレールで一本なのだが、最寄の万博記念公園駅は試合後にかなり混むとのことだったので、敢えて空港から一駅遠い宇野辺駅まで歩くことにした。距離は約2キロで時間にして約20分だったが、過去2度のパナスタ行ではその倍近くかけてJRの千里丘駅まで歩いていたのでそれほど苦にならなかった。17時に試合が終わった後、18時には空港に着いたのでこれで正解だった。空港では土産に551の肉まんを買おうと思ったらかなりの行列で断念。

2019シーズンを展望する

 スーパー杯も終わって気付いたら2日後には開幕戦(と書いた後C大阪×神戸は金曜なのでもう明日)になっていたので今年もマリノスの展望をば。ここ2年は開幕前週に近場で練習試合やPSMがあって、それを観てある程度どんなサッカーか把握した上で展望していたのだが、今年の前週は非公開試合で、映像もキャンプ中の試合を多少視た程度。なので予想は立てづらいのだが、移籍動向などから概観してみる。

 昨オフの移籍動向で思ったのは、今季はクラブがかなり勝利(タイトル)に拘っているんだなということ。まず目を引くのは若手の大量レンタル放出だが、若手と言ってもリーグ戦で一定の出場機会を得た遠藤や山田は残り、レンタルとなったのはリーグで試合に絡めなかった選手が中心。モンバエルツ以降ルヴァン杯GLは若い選手のテストの場となって喜田や遠藤など数人は台頭したが、あれだけ大量起用した割に、という感もある。意図的に出場機会を与えて成長を促してきたがそれだけでは何かが足りない、またまるで練習試合の様な若手大量起用による観客動員減(と減収)を考えたらクラブにとって効果的ではないと判断したのではと思う。以前も言ったがマリノス、特にユース出身者の課題は技術面ではなくメンタリティにあり、一度他のチームで揉まれてからプロで戦える選手になる例が多い。レンタル先もJ1からJFLまで幅広いがこれはその選手の現時点での能力、期待値を反映したものかなと思う。それを踏まえれば仙台に行った吉尾はクラブとしても期待しているのだろうし、逆にJ3やJFLにレンタルとなった選手達はそこから這い上がらないといけない。
 クラブの本気については、中澤の引退でも感じた。去年の12/1に最後の公式戦を終えてから2ヶ月近く経った後で引退を発表した訳だが、その間クラブと話し合い、あくまで推測だがそこでクラブ側は出場機会を保証出来ない旨を明確に伝えたのではないかと思う。実際監督のサッカーにフィットするのはチアゴ、ドゥシャンな訳で、これまでのマリノスが出来なかった(そして特に鹿島が上手くやってきた)「若手、中堅が実力でレギュラーを奪い、重鎮が退く」構図がここにある。今までなら場当たり的な補強で結果的に10年、16年オフのような「ベテランがまだまだレギュラー、準レギュラーとして健在なのに世代交代の為に無理に放出」といった事態を招いてきたが、クラブとして中長期も含めた方針を明確にすると今回の中澤や中町の様にお互い後腐れなく別れることが出来るいい例ではないかと。
 
 入ってくる選手についてだが、限られた資金の中で上手くタレントを集めたなと言う印象。年が明けてから山中を放出したが、あれもそれだけ収入が必要だったが故、だろうし。徳島から獲った広瀬は14年のU19代表(他に南野、三浦、中村航輔、井手口ら)だったが、松原や山中と同じくここ数年狙ってる「負傷などでやや成長が停滞しているが年代別代表の経験はありポテンシャルのある25歳未満の選手」にまさに合致。そういう意味でずっと協会で年代別代表に関わってきた小倉氏の人脈が大きいんだろうなとは思う。その他李と三好は個人的になかなかのヒット。李は特に苦しい時に顔を上げて前を向ける選手なので、大人しいタイプが多いマリノスにとってこういうタイプは貴重。また三好は中盤の攻撃面で期待したい。去年の特に終盤は扇原、天野、大津+後半途中に喜田でほぼ固定され、この中で相手ゴール近くでプレーして点に絡めるのは天野だけ(大津も当初はそういう役割だったが中盤のダイナモタイプに変わった)。まぁ三好の場合あまり得点が多くないのがネックではあるが。去年札幌でミシャサッカーのシャドーというゴールチャンスの多い場所で起用されながらシーズン3点はやはり少なすぎる。
 そういう中でシーズンの結果に直接影響するのはやはりエジガルやマルコスの出来かな。マルコスは右の仲川だけでなく左からも同じ様にゴールやチャンスメイク出来る存在として、エジガルは何よりゴール数が求められるが、中盤の得点力に不安がある分、仲川と合わせて3人で30ゴール以上を期待したい。また左SBティーラトンも去年J1を経験しているのは大きいし、プレースキッカーとして(特に天野がいまいちなCKで)戦力になるのではと思う。場合によっては右から松原(日本)、チアゴ(ブラジル)、ドゥシャン(セルビア)、ティーラトン(タイ)と全員国籍の異なる最終ラインになる訳だが(笑)

 そんな感じで前線の爆発如何ではあるが、今季は意外と良い成績残すのではないかと思う。開幕も行くことに決めたが、開幕節で遠地に行くのは実に2003年1stステージ開幕(vs磐田@エコパ)以来。雨も降らないようだし2年振りの吹田スタジアムは楽しみ。