J1第2節 横浜FC×横浜M(三ツ沢)


■この結果はアウェー側が示した傲慢さに対する1つの罰だ。

■こんなにも埋まって熱気に包まれた三ツ沢に行ったのは久しく記憶に無い。思うにゴールシーンを含め、プレーの目撃者、反応者の数が多ければ多いほどにそれは印象的で記憶に残るものだと思う。開幕戦の久保のゴールがまさにそうだ。あの超人的なシュートそのものに加えて、スタンドの大半を埋めるレッズサポを沈黙させた、という事実がその衝撃をより引き立たせた。今日の早川のゴールも特に超人的でも華麗でも無い、むしろ泥臭いものだったが、あの空間で決めた、という事実だけで強く印象付けられるに違いない。

■↑を含め、専用競技場の良さを改めて実感。

■前半は横浜FCが押す展開で、マリノスは若い選手が多い為か雰囲気に飲まれていた印象。最も若い長谷川アーリアに対しては奥や山口が激しく当たりに行っていたのを観て、FCのベテラン勢は伊達に経験積んでないなーと実感。

マリノスの出場メンバーにはかつてのダービー経験者がいなかったが、坂田と田中ハユマはフリューゲルスユース出身で、大島も始めはあのクラブに在籍してた。彼らにとって今日の試合はどんな位置付けだったのか。

■前半、CKのキッカーとしてカズが目の前に来た。周りはアウェーサポばかりなのでブーイングを浴びまくったのだが、そんな中でも口元に笑みすら浮かべてコーナーを蹴る姿に、初めてこの男が格好良く見えた。ウェルディの象徴として子供の頃は憎い存在だったのが、40歳を迎えても現役を続け、巡り会わせでこうしてまた今日のダービーに出ている。これも何かの因縁なのか。

■交代で乾、ハーフナー、坂田が入って、中澤、河合以外は皆25歳以下になった。那須、田中ハユマですらもう中堅〜ベテランという、こんなに若いマリノスは久し振りだ。しかも長谷川、乾、ハーフナーはまだ10代だもんな。早野は相手の年齢構成を意識して敢えてこういう布陣にしたのかもしれない。

■乾はキレキレで何度もドリブルで突き進んでいた。が、古典的な10番(トップ下)の様なプレースタイルは勿体無い。もっと得点への意識を高め、メッシみたく3トップの左右で機能し始めたら面白いんだが。

■GK菅野はかなりの役者だった。正確なキックを始めとするプレーもそうだが、カードを貰うギリの線を分かっているかのような巧い時間稼ぎには感嘆するしかない。後半は後ろにマリサポが控えていたにも関わらず平然とあれを実行するんだから相当な精神力なんだろうな。

マリサポの友人と観たので観戦場所は必然的にアウェー側。ゴール時、終了時、そして試合中の激しいシーンに反応が真っ二つに分かれるメインスタンドがよく見えたが、ホーム側は自分にとって“向こう側”という思いは消えず。昨日ああ書いても、だからと言って今日のホームチームを応援する気にはなれない。FCに対しては健闘を祈る気持ちと、同じ街を本拠とする時点での違和感と・・・この感覚は少し10年前に近かった。これが“ダービー”ってやつなのか。