ACL準決勝第2戦 浦和×城南(埼スタ)


 元々今日は早く帰ってTVで観るつもりではいたが、前日になって行かなければ後悔する気がして行く事に決めた。もう定時上がりの水曜観戦は止めると言ってる傍からしかも埼スタかよという指摘はこの際甘んじて受けたい。
 
 PK戦に突入した時、04年CSのデジャヴかと思った。ホームゴール裏でのPK戦、夜の(季節柄冷え込む)埼スタ、場内の雰囲気etcあらゆる状況が3年前のあの試合を思い起こさせるには十分で、という事はつまり結果も・・・という思いが頭を過ぎったが、今回は全員成功し、決勝進出を決めた。
 見ていて3年前のCSと比べてあらゆる面でスケールアップしてる。3年前はエメルソンに代表されるように勢いのままにひたすら突き進む感じだったのが、ポンテ、ワシントンが入って速攻有り、遅攻有りの柔軟性を持つようになったし、守備でも今日の試合でトゥーリオが途中で離脱し、坪井がパスミス連発で危なっかしい中で最後踏ん張ってたのが今年獲った阿部だった。今日の阿部は凄かったな。個人的にこの試合のMVP。最後は足を引き摺りながらもカバーリングや1対1に完璧に応対して、PKもしっかり決めるんだから、もう持ってるセンス、能力が別格。


 一度は逆転され、最後は足が止まって押されるギリギリの戦いではあったが、これをモノにする辺りに浦和というクラブの強さの源を見た気がする。ピッチ上の結果だけでなく、観客動員とか全てにおいて例え一度壁に跳ね返されようと、最後には必ずそれを突き破ってさらなる高みに達するという。結果で言うなら、初タイトルの時は前年決勝で負けた同じ相手に完勝し、04年にあと一歩で年間王者を逃しても、2年後に文句無しに優勝。観客数を例に挙げるなら、ACLのGLから駒場でなく埼スタを使い、前の試合までは半分程度の集客だったけど、今日はついに5万越え。他クラブで近い例を挙げるとすればJ2→J1昇格した頃の新潟はそんな物語性があったけど、J1定着以上の段階(カップ戦タイトル獲得)を前に少し足踏みしてる感があるな。最近なら同じACL参戦組の川崎は昇格から3年でACLベスト8という結果は浦和を越えてるし、さすがにリーグ優勝は厳しいが、今度ナビスコを獲ったらもう一段階上に達するかもしれない。

 
 今日が事実上決勝みたいなものだったが、決勝の相手はあのセパハンに決まったようで、川崎との試合を見る限り負ける相手では無いと思うが、仮に今回頂点を逃したとしても、近い将来にまたそれを乗り越えそう―――そんな予感をさせるに十分な一戦だった。