J1第30節 FC東京×川崎(味スタ)


 晴れるだけでこんなにも違うものかね。余りにも天気が良くて、昨日の苦行が幻に思えた。


 この試合もナビスコの準決勝みたく川崎の戦術勝ちと言える。今日もあの時のように森を下げて4バックにし、FC東京の両サイドを常に複数で囲んでボール奪取→カウンター。基本的にこれの繰り返しだったのだがこれがハマりまくって前半で4−0。先制点は思い切って打ったらうまくGKのタイミングを外せた感じで、運も多少味方にしたゴールではあったが、このゴールでFC東京はさらに前掛りに→川崎のカウンター炸裂という傾向が強まったので、重要な1点だった。FC東京は右サイドのリチェーリを前半で石川に代えたが、個人の問題というより構造的にサイド突破を封じられてたので、あまり大勢に変化は無かったと思う。サイド一辺倒からもう少し変化を付けて中央からも攻められたら良かったんだろうけど、梶山、馬場、それから福西もいない状況ではサイドしか活路が無かったのも仕方ないかもな。その結果として壮絶な玉砕戦となった訳だが。


 今日はブラジル・デーというイベントだったらしくDJもポルトガル語だったりスタンドにブラジル国旗がなびいていたりしたんだが、ハーフタイムにICUだかどこだかのサークルによるサンバ隊がホームG裏で演奏を始めた時は、ある種の喜劇であった。あんな前半の後でサンバ演奏というのはあまりにも場違い過ぎたが、演奏する人々には何の罪も無いので、どこかシラけた雰囲気の中で演奏を終えた後は自然と拍手を送りたくなった。


 後半は平山投入で、チームもまた例によってスイッチが入って思い切って前に突き進み始めた。開始早々のシュートが入っていれば、少なくとも等々力でのこのカード位のスコアには出来たかもしれないが、ポスト直撃。川崎としては試合をそのまま終わらせても十分で、寺田を入れて、伊藤、寺田、佐原、箕輪のCB4人の豪華な4バックで平山の高さを封じて対策は万全だった。だが、後半の半ば頃だったか、石川が右サイドを深くエグッてフリーで低めのクロスを入れたものの、川島に簡単にキャッチされたシーンがあった。石川はかなり悔しがっていたんだが、あれでチーム全体がガクッときてしまった気がする。CKで寺田をフリーにしたり、茂庭がジュニーニョにぶち抜かれたシーンとか、前掛りになった故のリスク以上にチームの糸が切れてしまった。川崎からしてみたら後半は向こうが勝手に自滅してくれた感覚だったかもしれない。↑のポスト直撃の後は、今野が終了間際に打ったの以外は可能性を感じるシュートも無く、7−0で試合は終わった。


 ハラヒロミ氏は今季限りの退任が決まってるようだが、今節で辞めるかもしれないな。今年は何故か大量ゴール試合をよく観る。点が入る試合は基本的に楽しいけど、こういう大量得点差は逆に観てて重い。
 川崎もこのままナビスコ決勝もゴールラッシュ、という事はさすがに無いだろうし、ガンバ攻撃陣に無失点は難しいと思うが、この布陣なら行ける、とチーム全体が確信を持ってるのは大きいな。マギヌンはいないが、今日みたくガンバをがっちり抑えて、ジュニーニョの1発が炸裂、ていう。
予想:2−2からPKで川崎。