Imperatore Adriano

ミラノダービーの動画を視ていると現地の実況がアドリアーノをしきりと『インペラトーレ』と言うので、ああ伊語では皇帝=Imperatoreなのかと気が付いた。
Imperatore Adriano
これをラテン語に訳すと
Imperator Hadrianus
五賢帝の3番目、ハドリアヌス帝になる。多分イタリアでもそれを意識して呼んでいるのだろう。ハドリアヌスは広大な領土の視察行と統治体制の再編という点で歴史に名を残す賢帝なのだが、その業績自体は同時代人にあまり理解されず、また複雑な性格で晩年は孤立していったというが(ローマ人の物語9「賢帝の世紀」)、その辺りも、難しい性格もあって潜在能力を発揮し切れない21世紀のアドリアーノとシンクロしているようにも。昨日のゴールも実は右手だしな(苦笑)


ゲルマン系、ラテン系諸語における『皇帝』はやはりその源流であるローマ皇帝に由来していて
Caesar:カエサル家の家門名→Kaiser(独語)
Imperator:全軍総司令官の称号→Imperatore(伊語)、Emperor(英語)


ローマ皇帝の公式名称には上記2つの称号が含まれていたので、いつしかこの2つともが単独で『皇帝』を表すようになったが、やはりラテン語に近い伊語の『インぺラトーレ』の方が『エンペラー』や『カイザー』より“(ローマ)皇帝”という感じがする。