J1第16節 大宮×横浜M(NACK5)


 今日の試合はまさにスコアレスドローが相応しい内容としか言いようが無い。お互いボールを支配する時間帯はあったが、点の入りそうなシーンと言うのは皆無(チャンス自体はあったが散発的)で、あっと言う間に90分が終わってしまった。だからあまり書くべき事が無いので、今日は今季ここまでマリノスの試合を観ていてずっと感じていた事を書いておきたい。


 結論から先に言うと、水沼は現時点でJ1の水準に達しておらず、J2に修行に出すかしないと2年後には戦力外になっている可能性が高い。今季は主に後半途中から投入されているが、実際にプレーしてるのを観た事が無い。何か矛盾しているようだが、つまりはこうだ。途中から入って前線で走り回る姿は観るが、サイドを突破する、パス回しに加わる、シュートを打つetc実際にボールを持って何かするシーンが皆無に近いのだ。いや本当に。これだけ何も出来ないにも関わらず、出場機会をそれなりに得ているのも稀有な例ではないだろうか。


 元々テクニックがずば抜けてる訳でもなく、運動量と2列目からの飛び出しに特徴のある選手ではあるが、今のマリノスのサッカーは基本的に確固たる戦術、動きというものは無く、選手相互が実戦を重ねて連携を高めながら形作るサッカーなので、こういうタイプは厳しい。それこそハーフナーや山瀬弟より鳥栖に行くべきだったと思うのだが。


 思えば水沼は07年の城福U17代表のキャプテンだった。このチームはマリノスが最大勢力で、水沼を始め、金井、端戸、斉藤、甲斐といった面々が名を連ねていたが、現状はベテランが放出されてチームが若返ったから出場機会を得ているものの、そのチャンスをものにしてるとは言い難い。甲斐は昇格出来なかったし、齋藤も試合ではそこそこ良い動きをしてたんだが、最近はベンチからも外れている。一方で城福U17には山田、高橋といった浦和勢もいたのだが、彼らを始め、今のレッズは原口、永田といった若い選手の使い方が上手く、試合に出す度に成長してる印象。こうしてみると結局育成というのはただ若い選手を試合に出せば良いというものでなく、その起用方法、更に言えば指導者の力も大きいのだという当たり前の事実に気付かされる。


 そういえば今日の大宮の攻撃は殆ど藤本が担っていて(それ故に攻撃が単発だったという面もあるが。)、ドリブルだけでなく、逆サイドへの展開とか、攻撃の中心らしい視野の広いプレーを見せてくれた。若い頃は半径5m以内しか見えていないような典型的なドリブラーだったのに、30を過ぎた今はベテランの貫禄がプレーに出ている。経験を積めばこれだけ変われるのだ。水沼もこういうお手本が近くにいれば良いと思うのだが、攻撃のベテランは軒並み放出されてしまったという現状を考えると、やっぱ厳しいかな。


 湘南新宿ラインで行ったら横浜から大宮まで丁度1時間。グリーン車は非常に快適だった。