2009年表彰式(後編)

■年間最優秀選手
 さて昨日発表したように毎年この年間表彰は自分で好き勝手に決めてきた訳だが、今年からMVPについては投票制を導入した。ふと周りを見回すと、観戦好き、現役プレーヤー、指導者、クラブサポ、代表サポ他様々な立場の人々がいて、この中から選んだら、説得力もあり、かつ意外性も期待できそうだなーと。選考者は区切り良く丁度20名。
(選考者一覧)
Y氏、SWT、Yチケン、katoken、ハラD、ONI、Shoto、T内、tor、SONE、woyama、Dちゃん、Sぶ、I田、nemo、yuta、Sんぺー、PAPA、gommy、barcaw
(選考方法)
2009年活躍したと思う日本人選手(国内・海外問わず)上位5名を選出し、それを1位:5pt、以下5位:1ptまでポイント化し、その総合計によって選出。



では早速投票結果を。

第5位
前田遼一(磐田):17pt
数年ぶりの日本人得点王を選ばないわけにはいかない」、「J1得点王となったことには価値がある」などやはり得点王と言う結果を評価する声が多数。「代表でもスタメンでも良いと思う」など代表での不遇を嘆く声が有る一方で「代表試合数の少なさも助けになった感は否めない」という声もあり。
 怪我さえなければ年間15点は固いとこのblogでも言い続けての結果だけに個人的にも嬉しい。あれだけ身長があって、テクニックがあって、しかも点を決めるFWは稀有な存在だけに、代表でももっと活かされるべきと思うのだが・・・。 


第4位
本田圭佑(VVV):21pt
海外リーグでレギュラーとして定着、代表にも貢献してる」とVVVでの活躍を評価されての選出。また「△は個人的流行語大賞」などあの強烈なキャラに対する評価も。
 もう少し伸びると思ったんだけど、意外と伸び悩んだのは代表でのプレーの波の激しさや優等生タイプが多い今の代表であのキャラがどう出るか期待と不安が入り混じったが故と解釈している。


第3位
中村憲剛(川崎):35pt
川崎の好成績はこの人無しにはありえなかった。」、「1つ1つのプレーの質が高いし、調子の波も少ないのが素晴らしい」、「(川崎の今季の成績を踏まえ)この実績を支えたのは背番号14」と川崎での結果とプレーそのものの質の高さ、そして「代表ではスタメンに定着し、新たな風を吹かせた」と代表での存在感の高まりを評価する声が集まるも、最終的には3位。
 実は1位票だけなら最多だったんだが(6名が1位選出)、2位票以下で殆ど票を伸ばせなかった。その理由としてはやはり「だけど実績不足」という事に尽きてしまうかな。タイトルはならなかったけど全大会で上位に進出した事実を評価するか、それとも無冠に終わった方を重視するか。ちなみに今回川崎から得票したのは実はこの人だけ。川崎=ケンゴ&外国人選手達てイメージが強すぎるが故か。


第2位
岡崎慎司(清水):37pt
代表で1試合平均1得点近く取ってるのは秀逸」、「日本代表での決定力は特筆すべき!!」など代表での活躍が評価され、2位。
 一方でこの人の場合「格下相手の時に固め撃ちなイメージがまだ残る」、「リーグの最後の方が・・・」と叱咤激励コメントも多数あったのが他に無い特徴だったが、それでもこの結果となったのは「相手はともかく点を獲るのはいいこと」だからか。そういうFWがここ最近日本に居なかったし。


2009年日本最優秀選手
長谷部誠ヴォルフスブルク):48pt
代表でもブンデスでもCLでも存在感示した」、「今ヨーロッパで最も評価されている日本人」などプレーへの評価とクラブでのリーグ優勝、加えて「いないときのリズムの悪さに気付かされた」などもはや代表に不可欠な存在となった事が評価され、2009年最優秀選手に。浦和時代はどこか波がある印象だったけど、今や「よく走る、渋い仕事人」となり「まだまだ上手くなってくれそう」とまだ25歳と若く今後の伸びシロに期待する声も。
 1位票は中村ケンゴに譲ったけど、1位〜5位まで満遍なく票を集め、2位に10pt差以上を付けての選出。見ていて試合から消える時間が減ったのと、浦和時代より実戦的な選手になったように思う。よく日本の選手は練習では上手いけどそれが試合で出せない、てな事を言われるが、この人の場合持てる力を試合で全て活かしきってる感じがする。南アフリカ戦でチームがなかなかシュートに持ち込めない中で、前半に鋭いミドルを1本打ったシーンがあったが、そういう所に。
 てな感じで文句無しのMVP。



※6位以下全投票結果
6位
石川(FC東京)、香川(C大阪):14pt
8位
森本(カターニア)、興梠(鹿島):11pt
10位
野沢(鹿島):10pt
11位
槇野(広島)、米本(FC東京):8pt
13位
遠藤(G大阪):7pt
14位
柏木(広島)、渡邉(横浜M):6pt
16位
小笠原(鹿島)、木島(熊本):5pt
18位
岩政(鹿島)、渡辺(仙台)、都倉(草津)、長谷川(横浜M)、権田(FC東京):4pt
23位
内田(大宮)、田原(湘南):3pt
25位
北野(新潟)、家本(スペシャルレフェリー):2pt
27位
長谷川(山形)、山岸(浦和)、西澤(C大阪)、名波(評論家)、鮫島(東京電力)、向山(SCCF)、下平(G大阪):1pt
※特別賞(6位票)
ONI(SCCF)

【以下寸評】
・石川は最後まで前田と5位を争ってたんだけど、惜しくも6位。「いうまでもなく覚醒した点を評価」「ボールを持った時に期待感を持たせる選手」というプレーに対する評価が高かったのが印象的。見ていて楽しい選手、チケ代以上の価値を持つ選手というのはなかなかいない。それだけに「怪我をしなければもっと上位だった」、「怪我さえなければ・・・」、「怪我が残念でなりません」、「(怪我が)なければ2位でも良かった」と途中離脱を惜しむ声が多数。
・鹿島勢最高位は興梠で、野沢を含めてJMVP男より上位に。興梠に対する「大一番で点が取れる」、野沢への「鹿島で一番イヤなのは誰でもなくコイツ。」、「優勝争いでは必ずビューティフルゴールを決める」など相手の急所を突く強かさ、勝負強さの印象が強かったのだろうか。もちろん小笠原に対しても「鹿島の強さを体現する選手」、「盤石な基点」など評価する声あり。
女子サッカーから唯一鮫島がランクイン。「タイプだから。」との事で、選考者名についてはプライバシー保護の観点から公表は差し控えたい。
・GKは権田、山岸、北野のみ。以下コメント抜粋。山岸:「控えGKながら腐ることなく安定感を保つそのプロフェッショナル精神」、北野:「ペドロ移籍後は攻撃に曝され続ける新潟を守り通した。」、権田:「開幕当初は危なっかしいプレーをしていたが、結果的に全試合先発し、(中略)今年最も成長した選手」その他代表常連組でいうと楢崎は怪我だったし、川島も悪くはなかったけどナビスコ決勝とかオランダ戦みたいに相手を褒めるしかないシュートを決められるある意味不運なイメージからだろうか。それ以外のリーグ上位勢も曽ヶ端はこのシーン、松代はこれをどうしても思い出してしまうしな。
・唯一レフェリー界から家本が得票。「だって14試合で退場が一人だけですよ?以前のイエモッツなら考えられます??」まぁナビスコマリノス×ガンバ戦でルーカスの中澤への肘打ちを見逃した失態はあったけど、先入観で物を見てはいけない事に気付かされる。アナザーやジョージだって数年前と比べたら大分安定したジャッジを下しているし。
・5名中3名がJ2所属ていう独創的な選考をしてくれた人が2人もいたり、選考された全33名中6名がJ2所属に。香川は分かるとして、渡辺広大と都倉の人気は意外だった。田原を含めいずれもフィジカルに恵まれた日本に稀有なタイプだから期待込みで、という事だろうか。田原については「きっと純粋(と書いてバカ)なんだろうな。」とこれまでのDQN振りから印象が好転した事を特記したい。大袈裟じゃなく、若い頃に例えば岡崎の半分でも努力していれば日本のズラタンになれたのに。3人とも来年はJ1で見られるけど「J1で日本人FWの肉弾戦が増えるのは良いことだ」(田原)の声がある一方で「しかし神戸で大丈夫か」(都倉)と移籍先を心配するコメントも。
・神奈川県リーグからONI選手、向山選手が選出。ONIに対しては「大事なところで点を取ってくれた。昇格トーナメントでもゴールを!」是非昇格を。FC.bossの得点源としても期待してます。



 全てのコメントを載せる事は出来なかったが、急なお願いに応じてくれて、こちらの期待を裏切らぬ選考をしてくれた面々に感謝したい。詳細な投票結果についてはまたフットサルとか飲み会の時なんかに個別に聞いてくんさい。