09年度最後の1冊

 ローマ亡き後の地中海世界(上)(下)塩野七生
 下巻を予約したのがちょうど1年前の09年3月で、その時は1年も掛かるとは思わなかった。
 そもそもこの人の叙述対象は元々ルネサンスとか中世の西欧がメインだったんで、まぁ言うなればその蓄積とローマ人〜を15年間書き続けた利子で書いたようなもの。だからそのハードカバーの装丁程重々しい内容でなく、より気楽な感じ。海賊に焦点を当てたのは今までに無い視点だし、地中海世界の通史としても面白いけど、この人はどうしても西欧贔屓(イスラム嫌い)なのが滲み出てくるから、この前読んだアラブ視点の十字軍記などと併せ読みしてバランスを取る必要がある。