J1第8節 横浜M×鹿島(日産)


 試合が始まって10分程経っただけで、今季日産に遠征してきたチームと明らかに違うのが分かる。とにかく寄せが速く、強く、マリノスがボールを持った瞬間に獲物を狙う獣の様に寄せてきて、それまでの試合で通っていたようなパスが通らない。鹿島は何度もボールをカットしてカウンターを仕掛けたが、先制は小笠原のFKから。手堅い。
 マリノスが同点に追い付き、1−1で前半を終えた時点では内容は圧倒されてもセットプレーで何とかなるのではとまだ思ってた。が、後半開始早々小笠原が2列目から飛び出して勝ち越し、その10分程後に中澤のミスを付いてマルキーニョスが3点目を奪った時点で試合は事実上終わった。一緒に観た友達も言ってたが、鹿島のゴールはセットプレー、2列目の飛び出し、相手のミスを付く、とまさにセオリー通り過ぎてもう笑うしかない。
 3点目を取った後、鹿島は別にオリベイラが指示した訳では無いのにそれまでと一変してチーム全体の重心を後ろに下げた。かと言って引篭もるのではなく、ボールを奪ったらカウンターを仕掛けてゴールを狙う姿勢を見せる。そしてロスタイムになってもチャンスとみるやマルキーニョスなどは全力疾走し、他の選手も後ろから走り込んでパスコースを作る。言葉で言うのは簡単だが、疲れもある中でピッチ上で11人全員がそれを実践するのは容易ではない。一体どういう練習をしたらこんなサッカーが出来るのか。あまりの機能美に、寒さもあったが、後半半ば過ぎから背筋が震えて仕方無かった。試合の残り30分は鹿島からしたら何一つ想定を越えるものは無かったと思う。全ては鹿島にとって予定の範囲内のまま淡々と時間は流れ、そして試合は終わった。


 どうみても他クラブとワンランク違う。それでも勝点を落とすのがサッカーの面白いところで、もし水曜にACLを戦っていたりしたらまた違う展開になってたかもしれないが、少なくとも同じ条件で勝てるところはそうは多くないはず。開幕前にも言ったがもう一度言いたい。もう7月以降代表監督でどうよ?鹿島勢で固めても許すから(笑)