J1第13節 仙台×横浜M(ユアスタ)


【試合前】
 那須塩原を過ぎ、長いトンネルを抜けると、車窓には瓦屋根を青いビニールシートで補強した家々が目に付くようになり、否が応でもあの日が思い出される。GW明けて1ヶ月もしない内での試合だったんで最初はパスしたんだが、その後行くはずだった友人の1人が行けなくなった事情もあり、思い直して昨年に続いての仙台行。

【試合】
 開始からマリノスペース。ハイボールの競り合いはほぼ勝つなど個人レベルでは仙台を上回ってたし、展開もスムースだったんで、早い内に先制したら確実に勝点3は取れたと思う。仙台の攻めは特にこれといった特徴は感じられず、シンプルにパスを繋いで、サイドに展開して、という感じだったので、これなら中澤、栗原で十分対応出来る範囲だし、むしろここまで何故好調なのかという内容。
 そんな前半半ば過ぎに、仙台の左SB朴がオーバーラップしてクロスを上げる。特に何て事のないクロスで、ボールは逆サイドに流れ、ラインを越えてゴールキックスローインかと思ったら、その先には逆サイドにいた関口が。ダイレクトで中央に折り返すと中央には待ち構えていた赤嶺。完璧なタイミングのヘッドで、仙台が先制した。
 一見クロスが流れた先にたまたま関口がいたラッキーゴールとも言えるし、その後の仙台のチャンスも意図して創ったというよりかは運が良かったと言えるような展開だったけど(exDFのクリア気味のフィードが流れて、走り込んでいた関口がGKと1対1etc)、よく観ていると、赤嶺は前線で労を惜しまず走り回ってチェックに入っていたし、関口も緩急を付けたドリブルで外に内にと前線を掻き回し(ザックが代表に呼んだ理由が分かった気がした。)、そして梁は守る側からしたら本当に嫌な場所にピンポイントでパスなりクロスを上げてくる。そういう個人の奮闘が上手く調和し、そしてそれを今の状況が後押しする事で、この結果が出ているのかな。いやこの状況であるが故に、個々がコンマ何秒か早く反応出来たり、苦しい時にもあと1歩足が出せてクリア出来たりした積み重ね、とも言えるか。
 後半半ば過ぎからはさすがに仙台の運動量も落ちて、マリノスがペースを握り、谷口の同点ヘッドで追い付いたけど、それでも仙台は終了間際にゴールライン際で粘ってチャンスを作ったり。全体を通せば引き分けは妥当な内容だったけども、仙台が何故ここまで好調なのか分かった気がした。

◆印象に残った選手
マリノス編)
同点ゴールは谷口のヘッドだったけど、こういう中盤から上がって前線でゴールに絡むダイナミズムを持った選手はここ最近のマリノスにいなかったんで、いい補強だったと思う。実は誕生日が同じなので、密かに応援している(笑)
ベガルタ編)
仙台戦を観る度に思うが、梁は本当に良い選手。去年観た時に奥に似ているなと思ったけど、奥とか藤田俊哉とかに通じる“サッカーを知っている”プレーは観ていて飽きない。特に、左サイドの浅い位置からGKがキャッチしにくい位置にドンピシャで入るロビングは絶妙。

【試合後】
 試合後は泉中央駅ビル内にあるベガルタオフィシャルショップで物品を購入してささやかながら支援に協力した後に、大崎八幡宮へ。去年は松島や青葉城を巡ったので、今年は塩釜に行ってみようかと思ってたんだが、日帰りという都合上断念。
 ここは初めて(もしかしたら中学時代に行ってたかもしれないが記憶に無い。)だったが、丁度この頃から霧雨が強まりだして、靄が覆うようになり、なかなか幻想的な雰囲気だった。一日も早い復興を祈願し、仙台駅へ向かった。