J1第27節 横浜M×仙台(日産)

 今日は新横浜パフォーマンスなるイベントが同時開催され、労災病院隣のスロープ入口には櫓が置かれて祭囃子が流れていた。先週は小机の祭りだったようで神輿や山車が出ていたけど、こういう祭りの雰囲気に乗せられて&いかにも秋という爽快な天候と合わせてついつい昼麦酒。


 去年の終盤も、中澤&栗原が怪我や累積で同時不在になった途端に守備が崩壊して、エルゴラだったかに“守備自慢でなく、CB自慢のチームだった”とか書かれていた記憶があるのだが、今日も似たような展開だった。小椋の不在は金井、兵藤で埋め、左SBには栗原が入るという変則布陣だったが、中盤は兵藤ばかり走り回り、守備でも栗原は相手ゴールキックやフィードを撥ね返す位しか役割が無く宝の持ち腐れ状態。良いチームというのがフィールドプレーヤー10人がそれぞれの役割をこなしながら等しく走り回るものだとすれば、今日は全くそうでは無かった。
 このカードはロースコアゲームが多いにも拘らず、まさかの開始15分で3ゴール。と言う事で各ゴールを振り返ってみる。
マリノス先制点
 仙台DFはゴールエリア内で張っていた小野や渡邊は見ていたけど、後方から走り込んで来た小林は捕まえきれず、フリーでシュート。昨日視たDVDでもW鈴木(健&正)が昔似たようなゴールを決めていたのを思い出した。
◆仙台同点ゴール
 思い返せば日産でアウェイチームがエリア外からミドルを決めるシーンは殆ど記憶にないのだが、それだけに観ている自分も虚を突かれたゴールだった。これも今までこのエリアをカバーしていた小椋不在の影響か。
◆仙台2点目
 カウンターで左サイドでボールを持ったのが梁勇基と分かった時に嫌な予感がしたのだが、予想通り左サイドから完璧なクロス→柳沢が中澤のマークを受けながらバックヘッドで仙台が逆転。梁のクロスも良かったが、柳沢のGKの届かない位置を正確に捉えるヘッドもさすがと言うしか無い。この選手は他にも足や胸で正確なポストを見せていたけど、ゴールの数以外ならFWとして完璧なんだよな。もう一度言うけどゴール数以外なら。
◆仙台3点目
 座席から遠い位置だったので個人は特定出来なかったが、GKのフィードをマリノスDFが上に逸らし、それを繋がれてフリーの赤嶺が決めた。その後映像を見たら、撥ね返し損ねたのは栗原で、最後頭でアシストしたのは梁だった。赤嶺は去年の日産での試合で決めていて、前半にも1対1を飯倉に防がれても唯では終わらないだろうなと思っていた中でのゴールだった。

 過去何度か書いているように梁の視野の広い、相手の嫌な所を正確に付くプレーは好きなんだが、こういうプレーが今日のマリノスには欠けていたかな。兵藤、長谷川アーリア、それから途中から入った狩野も目の前のプレーをこなすのに精一杯で、時にサイドチェンジして相手の守備を揺さ振るとか、ボールを受けるタイミングやパス出しのタイミングを調節して、流れをこちらに傾けるとか、そういう視点に欠けていた。やはりそれが出来るのは中村しかいないという事か。

 試合後スタンドに挨拶に向かうマリノス選手団で、先頭を歩いていたのは中澤と飯倉だった。中澤と同じ副主将であるはずの栗原は列の中ほどで“その他大勢”状態で、もう一人の副主将かつ今日腕章を巻いていた兵藤は見るからにガックリしながら最後尾を歩いていた。腕章とか肩書きに関係なく、誰が実質的にチームを率いているのか、言い方を変えれば誰がチームを引っ張る意志があるのかを示唆させるシーン。