マネジメントの人材

 去年の開幕前に神戸の強化責任者が同い年なのを知って驚いたんだが、貴重な映像を視て、実はサッカー歴もなかなかのものを持っていることを知った。このような人を見るにつけプロ化の効果はプレー水準の向上だけではなくて、サッカーにまつわる全てなのだという事を痛感する。
 Jも今季で20季目だけど、プロ化して真っ先に効果が出るのはまずそのプレー水準の向上による代表の強化かと思う。まぁ一番目にする機会が多く、一番その効果を感じられる分野ではある。そして、次がユース。人を育てる組織や体制というのは一朝一夕には出来ないもので、最短で10年掛かる事業と思うけども、日本リーグ時代からの伝統を持つマリノスヴェルディに続いて90年代後半からガンバ(稲本、宮本、大黒らを輩出)、2000年以降は広島が続き、2010年代の今は京都やセレッソ、J2でも札幌、大分等各クラブで生え抜きの逸材が育つクラブが増え始めた、と。
 で、それに続くのがマネジメントの人材。サッカーに限らずスポーツのマネジメントはサッカーだけ、あるいは法律だけ、財務だけ、商習慣だけ、でもダメで、その全てをバランス良く兼ね備える人材というかなりハードルの高い職種と思うんだが、この神戸の人はその希少な例。ある意味楽天という親会社に抱えられているからこそ実現した人事とは思うけど、今のJで大きな企業に支えられているクラブは数多い現状を鑑みれば、このような人材獲得パターンも可能性として大いにあり得るし、もっとこのような事例が増えればいずれ協会にも影響が及んで(直接そういった人材をヘッドハンティングする等)、交渉力強化とか組織力強化にも繋がる道かなと。
 別にこの人の事例が正解という事は無く、他にも様々な経緯/可能性は有り得ると思う。各クラブでそれぞれ独自に育成のノウハウを確立させていったように、この場合もまた様々なパターンが有り得るし、そうなって欲しい。