初めて宮崎に足を踏み入れる

 昔から九州はよく行っていたのだが、この県だけは未踏破だった。交通の便が九州の他の県に比べて良く無いので隣県含め周遊するにはハードルが高く、かといってこの県単独で行くには広過ぎてなかなか目的地が絞り込めず、てな具合で縁遠かったのだが、長期で九州に滞在するという千載一遇の機会が与えられた為、目出度く宮崎行が実現した。場所は熊本との県境に近く、前々から行ってみたかった高千穂と、ついでにそこから足を伸ばして延岡まで。

 高千穂は天孫降臨の舞台として有名だが、よく観光サイトに載っている丘の上から盆地を見下ろす雲海の風景写真が強く印象に残っていてそこに是非行ってみたかった。天神からバスで4時間弱程揺られて現地に着き、レンタサイクルでその場所、国見ヶ丘を目指す。電動自転車でもさすがに3kmの山道はきつかったが、丘の上に着くと、高千穂盆地が一望出来、また後ろを見れば阿蘇の山並みが、と山を上った苦労が報われた。暑かったが風が強く爽快な気候。

 
 その後は一気に山を下って高千穂峡へ。途中ふと空を見上げると、雲が虹色を帯びた彩雲が出ていた。

偶然とはいえこういう場所にこういう現象が起これば、古の人々は何かしら見えない力を感じたのだろうな、などと思いながら峡谷に着くと観光客と車で溢れたいかにもな観光地だった。

それでもまさに“名勝”という感じの風景は大分涼しくなれたように思う。軽く遊歩道を歩くつもりが結局高千穂神社まで行く事にして、急な階段が多くて結構キツかったが(苦笑)
 後は周囲の神社や史跡を幾つか回ってバスで延岡へ。それにしても(地理的な意味で)何故ここが神話の舞台になったのか不思議だ。ここに来る途中、熊本の山都(やまと)町という所を通過したのだが、山都―ヤマト―大和・・・・偶然なのか。

 延岡へ向かうバスは普通の路線バスだった。川沿いをずっと走っていたのだが、途中何本も見事な橋が掛かっていて、さらには延岡に近付くにつれて、道路の拡幅等土木工事の頻度が高まってきて、やっぱ地方は公共事業がないと食べていけないのかと思っていたら、選挙ポスターにこの人がいて、先代の顔が浮かんで納得した。

 延岡に着いたが、想像以上に何も無い所で、正直日帰りでも良かった気がしているのだが、明日は海沿いなど周ってみたい。