釜山行(初日)

 思えばこのblogを始めてから初の海外旅か。出張前の計画通り、土日を利用して博多から高速船で釜山へ。事前に決めていたのは船で釜山に行くと言う事だけで、ツアーに申し込んだのが10日前それからガイド本を買ってどの観光地に行くか決めると言う国内小旅行程度の計画性だったが、それ位博多と釜山は近く、あっさり着いてしまった。近郊の慶州(新羅の古都で日本で言うなら京都と奈良を足しで2で割ったような観光地)で古刹、遺跡巡りというのにも惹かれたが、最終的には釜山市内散策で落ち着いた。

JR九州の高速船ビートル

 ツアーは最初と最後だけ指定の店舗で買い物という事だったので到着後はそのまま西面(ソミョン)にあるロッテ百貨店内の免税店に連れて行かれた。そこまでの車窓から見るおよそ7年振りの国外の風景も興味深かったが、百貨店の駐車場に止まってる車が国産車orドイツ車で占められていたのは面白かった。ヒュンダイ、キアは分かるとして、BMW、ベンツ、アウディも相当な数で、車の殆どはセダンで占められており、軽という概念など無いかのようだった。丁度昼時だったので、免税店には興味が無い我々は昼を食べられる場所は無いかとガイドさんに尋ねたら、近くの定食屋に連れて行ってくれた。サムゲタンメインでチヂミ等も食べられ、日本語も通じる。アワビ入りサムゲタンを頼んだが、美味かったし、大分暖まったので韓国語でお礼を言ったら日本語で返された。
 その後はホテルでチェックインし、いよいよ街に繰り出そうと言う事でタクシーを拾ったのだが、その運転手は結構強面で最初は黙っていたのだが、我々が日本人と分かると色々片言の日本語で話しかけてきて実は笑い上戸の面白いオヤジさんだったという。野球好きらしかったので、釜山の地元チームであるロッテ・ジャイアンツの名を挙げたら首を振ってサムスン・ライオンズの名を出してきたのでそこのファンだったのかと思う。日本野球にも興味があるようだったが、“オチアイ”と言った次の名前が“カネダ”でどの程度の興味なのかは測りかねた。こちらも返礼にイ・デホイ・スンヨプの名を出してみた。
 結局最初に来た西面のロッテ百貨店前で降り、まずは周辺の繁華街を散策。

 道の中央に屋台が並んでいてまずはトッポギを食したら見た目通り相当辛かった。不思議なのはトッポギやおでん、チヂミを売る屋台が何処も同じ商品を同じ並べ方で売ってる所。1つ位アレンジした品を出す所があっても良いのではと思うが、これも国民性の違いなのだろうか。もう一つ、歩いて気付かされたのが、携帯屋の異常な多さ。大袈裟で無く10mに一軒はあり、少しでも携帯を指さしたり関心がありそうな素振りを見せると店員が猛ダッシュで駆け寄ってきて勧誘してくる。これだけ多くてよくこれで各店やっていけるなと思うが、これがスマホの普及率の高さに繋がっているのかもしれない。実際、この2日間でスマホ以外(日本で言うガラケー)を見たのはほんの数回という。
 その後は西面付近の新しいショッピングモールやコンビニ(セブンイレブン)を回って地下鉄で南浦洞へ。地下鉄内では途中1人の中年男が封筒の束を座ってる女性(主に中高年層)に配り、車両内一通り配り終えて買う気配が無いと、引き返してきてそれを回収する、という光景に出くわした。地下鉄内で物売りか。これもまたお国柄の違いというやつだな。

 ・・・と、ここまで書いてきて言うのも何だが、このペースではとても書ききれない。地下鉄を降りた後は龍頭山公園〜釜山タワー〜光復路〜国際市場〜BIFF広場〜チャガルチ市場〜松島(ソンド)海水浴場と回ったのだが(勿論夜は焼肉)、色々巡って全体的に古さと新しさが混在している印象が。日本ならば経済発展の段階と共に現れ、そして消えていくものが、ここでは全て混在しているとでも言うか。綺麗な店が立ち並ぶ通りの中央に昔ながらの屋台が連なり、あるいはファッションに気を使ってスマホを使いこなし、スタバ辺りで優雅にお茶してるような子達が、その足で傍の屋台で飯を食う、てな感じで。

夜のBIFF広場

 海外だと全てが新鮮で興味深い事だらけなので、このようになってしまう。ホテルに戻ってTVを付けたらチャンネルが幾つもあって(NHKも映った)、ドラマ、バラエティを視てみたが、言葉も文字も何も分からないのだが、ニュアンスは想像付くのでそれなりに内容は掴めた。専門チャンネルで視たドラマはあまりにベタな展開だったが、2話も視たら気になって、帰国後に韓国通の友人に内容だけ伝えてタイトルを訊いたら判明した。さすがと言うしかない。ただあまりにも女優の顔が似かより過ぎてて判別に苦労した。これも街中を歩いてて気付いた所で、特に女子は顔はともかくヘアスタイル、メイク、格好があまりにもワンパターンなのだった。その顔もTVに出てるような女優や芸能人はかなり美人とは思うが、街中ではあまりそういう水準に達している人はおらず、何と言うか上下が分離し過ぎてて“中間層”がいないような印象。
 TVでは予想通りEURO2012も放送してたので、オランダ×デンマーク戦の前半だけ視てその日は終了。ゴールを視れて良かった。