ナビスコ杯決勝 清水×鹿島(国立)


 思えば04年から友人の結婚式が重なった2回を除いて毎年この決勝は観に行っている。今年はどうしようかと思っていたが、静岡にいる友人某氏が何が何でも国立に行くという事で行く事に決めた。チケ取りは一応一般販売開始の10/20(土)10時きっかりにコンビニの端末から操作したのだが、途中回線が込み合って操作不能になった時はさすがに驚いた。数分後にようやく繋がったと思ったらメインの指定は完売しており、慌ててバクスタ上層部の指定をゲット。数日後には全席種完売したし、この決勝に行くにはどんなカードでも初日から気合を入れてチケ取りしないとキツいな。
 
 で、試合だが、先週はリーグでの前哨戦では2−1で清水が勝ったものの、鹿島の事だから手の内を隠して決勝ではいつも通り強かに戦うんだろうなとは思っていた。試合は立ち上がりから慎重な鹿島と攻勢に出る清水という構図だったが、今までの鹿島を鑑みるに前半流して後半に一気に勝負を掛けてくるのが予想出来たので、清水は是が非でも先制点、それも早い時間に取らないと厳しかった。ただ前半半ばにエリア内からのボレーを曽ヶ端が防ぐシーンはあったものの、チャンスと呼べるのはそれ位。鹿島も攻撃に人数を掛けないので単発な攻めでチャンスらしいチャンスも無く、0−0で前半が終わった。そうそう前半に興絽がラフプレーで黄紙を貰っていたが、鹿島の攻撃陣からすれば前半は周りのフォローも無くせいぜい2人で攻めざるを得ず不利な状況の中でフラストレーションが溜まっていたのだろうな。結果的には後半に興絽はドゥトラと交代して、鹿島は攻撃にシフトして行くのだが、興絽からすれば前半は言わば(言葉は悪いが)捨て駒にされたようなものだったし。
 後半は上記の通り鹿島が攻勢に出てサイドから何度かチャンスを作り出す。そして後半20分過ぎに攻勢からPKを得て柴崎が決めて先制。この時点でこのまま、あるいは終了間際に追加点を奪って鹿島勝利かと思っていたら、その数分後にCK時のもつれから今度は清水にPKが与えられ、これを大前が決めて同点に。何がPKだったか遠くからでは観てて分からなかったが、豪州戦みたく、混戦で誰かが押したり抱え込んだりしたのだろうか。何はともあれ同点になって少し面白くなってきた。
 このまま後半が終了し、延長に入ったのだが、その3分後にいきなり鹿島が2点目を奪った。これは柴崎がゴール前ほぼ正面のエリアのすぐ外でボールを受けると、1トラップ目で目の前のDFを抜き去ってGKと1対1の状況を作り、冷静にシュートを決めたもの。あまりに自然な動きで、ゴール後にようやく今の一連のプレーの凄さが実感出来たほど。あの状況であのプレーを選択するセンスに痺れた。この選手はパスばかりで恐さが無いのが弱点と思っていたが、このようなプレーをコンスタントに見せれば遠藤の後継者候補になれる。
 試合はその後引いて守る鹿島に対して清水はパワープレーを仕掛けようとするものの、どこか思い切りが足りず、変にボールを繋いで時間をロスする場面がしばしば。残り10分を切ってようやく吹っ切れたようにボールを蹴り込むのだが、鹿島がまた鹿島らしい時間稼ぎでやり過ごし、試合終了。

 全体的に清水の攻めは鹿島を脅かすような恐さに欠けていたので、この結果は内容を反映したものと思うが、一緒に観た静岡の友人曰く“清水のゴールが決まる時はどれもファインゴールばかりで普通のゴールは決まらない”という事らしく(苦笑)、残念ながら今日は『清水の日』では無かったという事か。
 終了後は特に表彰式を観る事無く、足早に国立を去った。