CL準決勝

 サッカーを見てると切に思うが、盛者必衰というか、どんな強者やスタイルにも絶対は無く、巡るものだと実感する。バルサ(とポゼッションサッカー)の絶頂期はCL決勝でマンUに完勝し、クラブW杯でもサントスを子供扱いして優勝した2011年5月〜12月の辺りかと思うが、それから2年弱でこうなるという。たった2年が遠い昔に思える。
 ドルトムントとレアルの試合をロングハイライトで視たが、互いのプレスの早さが、15年位前のセリエAの様だった。あの時は何処も4ー4ー2で、その後2ボランチ1トップ(所謂4−2−3−1というやつ)や、中盤3センター前線3トップなど既存の流行を打開する戦術が現れ、そしてバルサのポゼッションを打破する手段としてまたハイプレスに戻った―――そんな印象。またしばらくすれば、今のドルトムントバイエルンの様なサッカーに対抗すべく新しいスタイルが生まれて、もしかしたらまた新しい形でポゼッションが復活するかもしれない。そもそもバイエルン自体来年からの監督がどうするのかという話でもあるし。

 と達観ぶってる訳では無くて、ドイツがやっとクラブでも復活してきたのは嬉しい。ここ最近ドイツは復活したと言いつつ主に代表とバイエルンでの話で、それでもシルバーコレクターなんで、そろそろ頂点に立って欲しい。2試合視てて思うが、2000年前後の暗黒期と何が違うかというと、個々のスキル―――特に時間、スペースが限られている中で正確にボールを扱う技術―――が断然高いな。そういう基盤があるから、運動量やセットプレーの強さといった昔からの強みがより活かされるという。バイエルンの先制点の流れを振り返ると、まずミュラーがCKからの流れで人が密集してる中でも上から来たボールを正確にトラップしてキープし、サイドのロッベンに繋げている(ロッベンのクロスをダンテが落とし、そこにミュラーが飛び込んでゴール)。今朝のドルトムントも厳しいプレスの中でボールを繋いで攻撃に繋げていた。
 このままドイツ勢同士の決勝を。会場はウェンブリーだけど、このスタジアムは大昔にW杯決勝で負けた以外は結構ドイツと相性が良い。