代表×クラブ

 バルセロナがプレシーズンツアーでバンコクまで行ってタイ代表に7−1で圧勝したらしい。先日アーセナルも日本に来る前にベトナム代表に同じ様なスコアで勝ったが、大きな大会の前に地元クラブと練習試合するのは別として、こういう代表チームと有名クラブが対戦するのはあまり好きではない。相手が世界中殆どの代表チームに勝てる位の強豪クラブであろうとやはり「クラブチームに敗北」という結果(記録)は刻印されてしまう訳だし、代表チーム=ナショナルアイデンティティと世界的有名クラブへの応援意識の狭間での微妙な意識(まぁこれは自分個人の思い)。日韓W杯の前に日本がサンチャゴ・ベルナベウまで行ってR・マドリーと対戦した事があったが、その時も0−1という結果と対戦形式そのもの双方で微妙だったわ。

 ただ、タイやベトナムからすれば、代表レベルでの強豪との対戦が限られる以上、こういう強豪クラブ相手に試合するのは強化の貴重な機会なのだとも思う。日本も少し前まで強化と言えば欧州/南米のクラブ相手だったんだよな。たまにJFAの公式サイトに行ってオフト時代、あるいはまだサッカーにハマって無かったそれ以前の時代の記録を眺めたりするんだが、オフトの前の横山、石井監督の時代には欧州に行って中1日で現地クラブと10試合位ひたすら試合こなしてたり、オフト時代でもユベントスを日本に呼んで対戦したり、欧州まで合宿に行って代表では無くクラブチームと対戦して帰ってきたりで。

 そんな中でこのような動画を見付けた。91年のキリンカップトッテナムと対戦した試合。キリンカップはこの年までクラブチーム主体に招待されていた。監督はオフトの前の横山、ユニも史上この時だけと思うが赤という時代。メンバーはカズ、井原、ラモス、松永、福田、柱谷、北澤・・と後のドーハ組が殆どでカズの背番号は今では信じられないが20。そして結果は4−0で圧勝。この年がキリンカップ初制覇だったようで、選手も実況(日テレ)も“悲願のタイトル獲得!!”という喜びに溢れている。

 
 今からしたら代表がクラブに勝ってここまで喜ぶのは・・・という感じだが、当時はおそらくこれが快挙で、後にほぼ同じメンバーがアジアカップを制覇してW杯まであと一歩まで迫った。まぁ同時に監督の力(違い)は重要だとも痛感するんだが(苦笑)こういう時代があって今に至ると。何より、映像が眩しい。今の選手に比べて皆体の線も細いし、実況は今よりも勉強不足で、スタンドはチアホーン全盛と色々な意味で洗練されてないのだが、人気の高度成長期とでも言うか、サッカー人気がどんどん高まって行って皆生き生きしてる様がよく分かる。この試合からもう少し後になるが、自分がサッカーにハマり始めた頃を思い出して懐かしくなった。