J1第29節 横浜M×広島(日産)


 質の高い試合だった。マリノスは、というか監督樋口氏は試合中の臨機応変な対応が苦手な一方で事前の研究&対策には長けているので、広島、浦和と言った己の道を貫くようなチームには強いのだが、そういう中でも広島は長短様々なパスを組み合わせてマリノスの穴を突いてきた。まさに五分五分で、去年の日産での同じカード(0−0)の再現も十分有り得る内容。
 そういう試合を動かすのは相手の想定を越える動きや閃きだったりする訳だが、今日の齋藤のゴールはまさしくそれだった。左45度から切れ込んでの十八番で、昔浦和がナビスコで優勝した時の田中達也のゴールを思い起こさせた。その後広島も反撃したが試合はそのまま終了。
 これで残り5試合で首位という訳だが、今日もスコアは1−0だったように、今後も1点勝負が続きそうだ。次戦は大分だが、勝つとしても2点、3点取って快勝とまではいかず、前半に1点取ってそれを無難に守り切る、という展開になりそう。ただ、残りの対戦相手を見ると浦和、広島の方が若干厳しいので、勝点3さえ確保し続ければ案外33節(ホーム最終戦)辺りで決まる可能性もあるな。日程を見ると33節はマリノス、レッズ、サンフレとも同じ14時開始なので、マリノスが勝った後で他会場の結果により、という感じで。

 個人について少々。今日ゴールを決めた齋藤だが、この選手はリーグ大宮戦、ナビ鹿島戦と決める時は凄いゴールを決めるのだが、数が少ないんだよな。これでまだリーグ4点。代表でも使って貰えるようにするには今の時点でこの倍は決めていないと。突破力がある割にアシストもそれほど多い訳では無いので、能力を結果(ゴール、アシスト)に結び付ければもうワンランク高みに達せるはず。
 広島では佐藤寿がクロスに飛び込むらしいプレーもあったのだが、数年前まで見せていた、相手CBの前に回り込んでボールを受け、はたいて反転するプレーがあまり無かった。当時と違って本来ストライカーである石原が入ってるので動きも変わってきてるのかもしれないが、以前の方が恐かっただけに少し勿体ない。

 試合後は友人と溝の口でラーメン食って帰ったのだが、先に食べ終わって外に出たら、傍で川崎市長選の街頭演説が行われていた。女性候補だったが、主張が「中学校にも給食を」で応援演説が原水協幹部という香ばしさ。この前の横浜市長選でも同じ様な主張が見受けられたが、仮にも100万都市の市長になろうとする者がそんな公約集の隅に書かれていれば十分な事柄を前面に出してくれるなよ、と言いたい。