欧州情勢について

ウクライナ
 1年半前にEUROを開催した国での出来事。「動乱」と言うが、反政府デモから国を二分するほどの内乱状態に陥ったのがどうも解せない。もう少し言うと、この急激な変化はまるで小さな火種にガソリンを撒いたかの如き人為的な匂いを感じてしまう。元々親西欧と親露で国が分かれていたと言うが、それでもソ連崩壊から約20年1つの国を保っていたのも事実な訳で。代表選手らはどういう立場なのだろうか?この情勢で代表を辞退する選手など出てくるだろうか。

 それにしてもまさかこの21世紀に中世の攻城戦と見紛う投石機とあの古代ローマのレギオンの様な装甲部隊を目にする事になるとは思わなかった。

スコットランド
 独立問題。まだ“英国”への帰属を望む側が上回っているが、その差は徐々に詰まっているらしい。サッカー、ラグビーでは別の国(協会)なので、例え独立しても違和感は無いな。ふと人口を調べてみると予想以上にイングランドが圧倒していた。

イングランド    :5301万人
スコットランド   : 531万人
ウェールズ     : 306万人
北アイルランド   : 184万人
【参考】アイルランド: 638万人

 最近はせいぜいアイルランドが一昨年のEUROに出た位でイングランド以外の英国勢は低迷してるけど、この人口だとそもそもの条件が厳しい。バルカン半島の国々みたく、人口が少なくても移民先で育った選手を引き入れたり、技術が高い訳でも無いだけに。今度のEUROは24カ国なので、ウェールズ(ベイル、ラムジー)など出て欲しいが。

 ちなみにもし独立したらあのユニオンジャックからスコットランド旗(紺にクロス十字)が外され、イングランド(白地に赤十字)、アイルランド(白地に赤のクロス十字)のみとなる。こんな感じ

ジブラルタル
 UEFAに最近加盟した協会。地中海に面し、周囲をスペインに囲まれたイギリスの海外領土で、領有権を主張するスペインが強硬に反対した為にこれまで加盟出来なかった。おそらくサンマリノとか、リヒテンシュタインアンドラといった国々と同レベルなのかと思っていたが、史上初の国際Aマッチはスロバキアと0−0で引き分けたらしい。意外とフェロー諸島ぐらいに強豪にも大差では負けずに粘ったりするかもしれない。

 他にもコソボやイタリアの南北問題、スペインのカタルーニャバスクの独立問題などあるが、こう見て行くと、欧州の国境線などあくまで現時点でのものでしかなくて、地域単位のまとまりが付いたり離れたりして「国」という体裁を整えているだけなのだなと実感する。