J1第11節 横浜M×G大阪(日産)


 この試合を迎えた時点でマリノス14位、ガンバ15位。マリノスも大概だが、ガンバもリーグ3連敗中。ここ数年降格を経験した広島、FC東京、柏はJ2で世代交代や戦術の熟成など、降格の原因となった諸課題を解決して昇格し、昇格後もタイトルを獲ったりリーグで上位に付けたりしている中で、パッとしない。世代交代と言う点では明神、二川、加地らがスタメンから外れ、大森、阿部、呉宰碩ら若い選手が入ってはいるのだが。

 試合が始まると何故今の成績なのかが良く分かる内容だった。上記の若い選手達は皆なかなかのプレーを見せていたのだが、最後のフィニッシュがとにかく寒かった。前半2度の決定機を決められず、後半マリノスに2点先行された後もチャンス自体はマリノスより多かった中で結局0点。2トップの1人である佐藤は大柄で体ごとボールに飛び込む泥臭いプレーがかつての巻を彷彿とさせるが、そういうタイプは余程高いとか、キープ力があるとかではない限り、中澤、栗原にとって苦労する相手ではない。(ちなみにこの選手は徳島→ガンバというプロキャリアなんでてっきり関西の出身と思っていたら、実は神奈川出身だった。)もう一人のリンスも確かに俊敏性があって、これは2年前にいたパウリーニョを思い起こさせるが、決定力はそのパウリーニョに及ばず、という具合。一緒に観戦した友人が言っていたが、宇佐美の負傷は大きかったんだろうなと。それと数年前のガンバがよくやっていた“Jの他クラブから有力外国人FWを獲る(そして後で中東クラブに高値で転売)”パターンも、神戸、柏など他の資金力のあるクラブの存在、そして攻撃=外国人だった(そして数年の活躍後にガンバや浦和に移籍していった)新潟ですら川又が主軸FWになっているように、日本人有力FWが台頭しているこのご時世では難しくなっている。
 まぁ2年前のマリノスマルキーニョスが怪我から復帰した途端に前でボールが収まるわ、チャンスもしっかり決めてくれるわで一気に事態は好転したので、中断期間中に外国人獲得で1発当たりくじを引けば内容は良い(≒チャンス自体は作れてる)だけに変わるはず。

 マリノスの方は1点目は確かに2トップが生み出したもので、この試合での試行錯誤がようやく実を結んだ形ではあるが、前述の通り、前半にガンバに1点でも決められていたら東京戦のようになっていた可能性がある。今は従来のメンバー、従来の戦い方の限界が見えている中で丁度2年前の今頃の様に新しいチームを作っている途中なんだろうな。戦術と言うよりかは“個々人の連携”に頼ってきたツケで、既存のサッカーを発展させるのではなく、もう一度最初から作り直さないといけないのは厳しい所だが。最近はボランチが富澤&中町から三門&小椋に代わりつつあり、最初から2トップを敷くようになっているが、この場合2列目(攻撃的MF)を2枚に減らす関係で中村、藤本、兵藤、齋藤の内2名をベンチに置かざるを得ないのだが、一方で今日の様に齋藤、兵藤をベンチに置けばビハインド時に齋藤、リード時には兵藤と選択肢が増える点は好材料。これまではベンチにビハインドを想定したカードが何も無い(≒攻撃のカードが無いも同然)という試合すらあっただけに、ようやく普通のチーム構成になった。ただ、この試合ではファビオがベンチ外になってしまった(CBと守備的MFの控えは富澤)。この状況が続けば出場機会を求めて・・という事態もあり得るだけに監督のマネジメントが益々重要になる。

 この試合も観戦仲間の誕生日が近かったのでケーキでお祝い。チョコレートケーキというリクエストだったのでいつもの新横浜駅ビルの店では無く、近所にあるチョコ菓子専門店のケーキを初めて買ったのだが、果物も多く使われていてなかなか美味かった。試合後はファンクラブ会員の友人に付いて行ってピッチ脇まで。