J1第26節 横浜M×甲府(三ツ沢)


 今年はよく三ツ沢に行った印象がある。開催数はリーグ戦だけで4試合、その他天皇杯ナビスコ杯合わせて計7試合で観戦は5試合。主催が地域サッカー協会である天皇杯は別として、マリノス主催試合でリーグ戦三ツ沢が例年より多い理由としてはネーミングライツを取得したニッパツとの契約、そしてACLに出場した故かと思う。あくまで想像だが命名権売却時に「マリノスのホーム戦を年間○試合以上」といった契約をニッパツと結んでいるのではないかと思うが、いつもなら三ツ沢開催は春先のナビスコ杯GL(2〜3試合)、そしてリーグ戦で3試合というのがお決まりという中で、今季はACLホーム試合を全て日産スタジアムにするという“とても野心的な”計画により、リーグ戦の三ツ沢開催を増やさざるを得なかったのではないかなと。
 まぁあくまで想像の域を出ない話ではあるが、三ツ沢のキャパシティがそろそろ限界に近付いているのは喫緊の課題ではあると思う。この試合も自由席は前売りで完売。今のマリノスの集客力は完全に三ツ沢の収容能力を越えてしまった。数年前は昇格チーム、遠地の(アウェイサポーター数が少ない)チームの試合は結構席に余裕があったのだが、今季リーグ戦はどの試合も自由席はほぼ満席。例えば学校が夏休みとは言え平日開催だった神戸戦などは危うく立ち見になりかけたが、以前なら遅れて行っても自由席のアウェイ寄りに行けば余裕で席を確保出来た。三ツ沢では手狭で、日産では逆に広すぎる―――何度も言うけどやっぱ収容4万位の専用スタジアムというのが理想だな。

 試合について。今日のマリノスのスタメンには中村、藤本、齋藤といった“攻撃で違いを創れる”選手不在の、中盤は三門、小椋、佐藤、兵藤、2トップに伊藤、矢島。正直、これでどうやって攻めるのかという布陣だった。
 試合が始まると、甲府がまず守ってから攻めるというのを徹底していたこともあってボールを保持し、シュートチャンスもそれなりに作るものの、ゴールには結び付かない。甲府の方もジウシーニョクリスティアーノといったタレントはいるものの、まず守備からと言うサッカーの中で数少ない攻撃時も個々人の打開力次第といった感じで決定機を作るほどには至らず。

 そのまま90分が過ぎ、そして試合は終わった。まさに中位のサッカーというか、試合によっては勝つ事も負ける事も引き分ける事もあるだろうなという内容。さすが甲府は残留争いしているだけあって一つの緩いプレーが失点→敗戦→降格に繋がるのを分かっているとでも言うか、個々のプレーが激しかった。
 後半途中から出た齋藤について。今日出た選手ではドリブルという武器で相手の守備を1人で無力化出来る希少な選手だったのだが、最近の試合同様やはりドリブルを止められるシーンが多く、コンディション不良以外に少し壁に突き当たっているような印象を受けた。愛媛時代までは左サイド限定ではなく中央に右にと幅広く動いていたと思うのだが(だからこそのエヒメッシだった訳で。)、左から切れ込む動きが研究されてる今こそ、そういった動きの幅を付けるべきではないかと思う。まぁ突き詰めればチームの戦術としてそれが認められるかどうか、そして監督にそこまで指導出来るかどうかの話になってしまうが。こういう所にマリノスで若い選手が育たない原因があるように思う。才能を消費するとでも言うか、優れた能力を使い倒して研究されたらそれでお終い、対策は自己責任という。前回の繰り返しになってしまうが、この点はやはり監督次第で大きく変わると思う。鹿島然り、同じ城福U17代表だった河野をスケールアップさせたフィッカデンティの東京然り。