J1第33節 横浜M×新潟(日産)


 気が付けばもう33節でホームの最終戦。相手が去年と同じ新潟というのは何かの因縁か。昼頃の雨は開門時には止んでいたが、雲が流れてすっきり晴れるかと思いきや、スタジアム内に靄が掛かっていた。

 去年の試合でマリノスが負けたのは、新潟の良さもあったがどちらかというと勝てば優勝という重圧故の動きの硬さ、言わば自滅に近い形だったと思うが、今年の新潟は去年よりも組織力が高まり、一段階高いレベルだった。全員がサボらず走り、パス&ゴーを繰り返しながら前に進んでいくサッカーは見応えがあり、決定機の数、枠内シュート数ではマリノスを上回った。監督柳下氏はいいチームを作るなと感心する(もしマリノスを率いたら上手くハマるのではないかと思う。)が、最後の仕上げの部分で、つまり絶対的なFW不在がこの試合では勝敗を分けたかなと。1トップの指宿は長身の割に足元が上手いのだが、あまりボールを収められなかった。もし今の新潟にこれまで在籍していたような決定力のあるFW(エジミウソン、去年の川又など)がいれば今日の試合だけでなくタイトルも狙えたかもしれない。
 そんな内容でもマリノスが勝ったのはクロスを撥ね返し続けたCBコンビを始め、守備がよく粘ったのが大きい。守備が耐えてワンチャンで1点取って逃げ切るというのは丁度去年の終盤を思い起こさせる。去年の新潟戦でもこのサッカーを披露したかった所だが。そのまま試合は終了し、ホーム最終戦を勝利で飾り、またリーグ戦ホーム試合での通算200勝と今年の勝ち越し(7勝4分6敗)を決めた。

 試合後は例年通り社長、監督の挨拶があり、ホーム最終戦を締め括った。社長のスピーチは相変わらず上手いが、内容がそれに追い付いてない印象もまた変わらない。とは言え大型スポンサーの獲得、スクール事業の収益化など経営面での尽力はさすが日産幹部と言えるもので、その点では優秀な人と思う。クラブの体質を変える為にはトップでは無くその下にいる幹部の一掃が必要。クラブに問題があるならばその原因は3〜4年で代わる社長ではなく、その陰に隠れて日産自動車サッカー部時代から実権を握り続けている連中にこそあるからだ。シティ・グループの出資で財政的には改善されるかもしれないが、チームの強化という面で担当者が変わらない限り、そのメリットを感じる事はあまり無いだろう。重要なのは資金の多寡だけではなく、その使い方もまた然り。シティ・グループの資本参画についてはまた別途思う所がまとまったら書きたい。