アジアカップメンバー【雑感】

 何時の間にか発表されていた。それよりも監督の身辺が騒がしいのだが、それはさて置いて選考について。DF、MF、FWに1人ずつ92年生まれの若い選手(昌子、柴崎、武藤)を入れたのは世代交代を意識したのかと思うが、92年生まれと言えばここ最近の代表選考ではいつも招集の是非が話題になる宇佐美について少し。
 天皇杯決勝を観た限りではあるんだが、今のプレースタイルだと代表は厳しいというのが正直なところ。あの試合で2点決めたのは事実で、攻撃の能力だけなら当然代表クラスなのだが、ガンバでこの選手は前線の守備など日本のアタッカーなら最低限要求されるプレーには殆ど参加せず、ほぼ攻撃に専念している。それを代表で、となるとさすがに厳しい。

 この選手は攻撃に専念して結果を残すという点に加え、シュートの振りの早さ、タイミングなどプレーそのものがあまり従来の日本人選手らしくないと言うか海外の選手の様だが、あの決勝も思えば10月のブラジル戦に似ている。大まかに言えば日本=山形、ブラジル=ガンバ、ネイマール=宇佐美という構図。日本は序盤からそれなりな内容で相手ゴールに近付いてはいたものの、最後の精度を欠く中でネイマールにワンチャンスで決められてしまった。

 このプレースタイル自体が悪いとは思わない。日本はFWへの評価で「守備をこなすが得点力は期待できない>>守備はしないが攻撃で結果を出す」なのではないかと思う位でどこか本末転倒な面もあるし、ブラジルW杯のアルゼンチンの様に、飛び抜けたタレントの能力を活かして戦うというのも一つの手ではある。問題は宇佐美が代表でも守備を免除して攻撃に専念させられる程のタレントなのかという話。ここで今季ゴールを奪った相手を見てみると、

シーズン合計:21ゴール
()内はリーグ順位及びリーグレベル
■リーグ:10ゴール
広島(8位)、神戸(11位)、甲府(13位)、清水(15位)、大宮(16位)、徳島(18位)

ナビスコ杯:5ゴール
川崎(6位)、FC東京(9位)、神戸(11位)

天皇杯:6ゴール
清水(15位)、徳島(18位)、山形(J2)、金沢(J3)、

 最高順位は6位の川崎で後は全てJ1中位以下。同じチームへの固め獲りも特徴で、神戸相手に4試合で6ゴール、清水には3試合3ゴール、徳島3試合2ゴールと中位以下の3チームでシーズン通算の半分以上を稼いでいる。
 参考までに年齢、ポジションが重なる武藤はどうかと言うと

シーズン合計:14ゴール
■リーグ:13ゴール
G大阪(1位)、浦和(2位)、鹿島(3位)、柏(4位)、広島(8位)、名古屋(10位)
新潟(12位)、清水(15位)、C大阪(17位)、徳島(18位)
ナビスコ杯:1ゴール
神戸(11位)

 上位から下位まで相手の順位に関わらず点を獲っているのが特徴的。この選手はスターシステムに乗せられている分プレーそのものが過小評価されている感があるんだが、上位4チーム全てからゴールを挙げているのは評価すべき点と思う。
 勿論宇佐美はアシストも多いのだが(一方で武藤は少ない)、前述のプレースタイル然り、ゴールを奪う相手の偏り然りでやはり選考が武藤>宇佐美になるのは妥当かなと。ガンバがあのサッカーを続ける限り宇佐美は呼ばれない気がするし、もし呼ばれてもロンドン五輪の様に持ち味が消されて代表では活きないだろうと思う。代表に呼ばれるにはもう少し運動量を増やしてもっと攻撃以外のプレーに参加しつつ持ち味を生かせるようにするか、相手のレベルに関わらず点を獲って獲って獲りまくる、それもリーグで15点程度ではなく20点以上、他の大会と合わせてシーズン通算30点以上獲る位の量産が必要ではないかと思う。

 今回のアジアカップは豪州開催なので時差が少なくて視やすいなと思っていたら、試合時間が緒戦(1/12祝日)以外全て平日の18時開始だと。2時間位後ろにすれば最適なのだが。