年間表彰2014(前編)

 今年も残り1週間というタイミングでまた恒例の表彰をば。去年と同じくまず年間MVP以外の各賞を発表したい。
■年間ベストマッチ
※過去の受賞試合

2005年:バーレーン戦(○1-0/2005.6.3/ドイツW杯予選@マナマ)
2006年:サウジアラビア戦(○3-1/2006.11.15/アジアカップ予選@札幌)
2007年:豪州戦(△1-1(4PK2)/2007.7.21/アジアカップハノイ
2008年:カタール戦(○3-0/2008.11.19/南アW杯予選@ドーハ)
2009年:ベルギー戦(○4-0/2009.5.31/キリンカップ@東京)
2010年:デンマーク戦(○3-1/2010.6.24/南アW杯@ルステンブルク
2011年:韓国戦(○3-0/2011.8.10/親善試合@札幌)
2012年:オマーン戦(○3-0/2012.6.3/ブラジルW杯予選@さいたま)
2013年:ベルギー戦(○3-2/2013.11.19/親善試合@ブリュッセル

1位:豪州戦(○2-1/2014.11.18/親善試合@大阪)
2位:ホンジュラス戦(○6-0/2014.11.14/親善試合@豊田)
3位:コスタリカ戦(○3-1/2014.6.2/親善試合@タンパ)
 今年の戦績は13戦8勝1分4敗。勝率自体はそう悪くないが、W杯はあの通りという事で、ベスト3は親善試合から選ぶ。3位はW杯直前の試合で、結果的にベスト8に進出することになるコスタリカに快勝した試合。今にして思えばコスタリカは南アW杯での日本と同じ状況だった。直前で守備の課題が露呈されて本大会は引き気味のカウンターに活路を見出し、そして結果を出したという点で。2位はホンジュラス戦の大勝試合。誰とは言わないがこういう試合は大概『相手のレベルが〜』『時差ボケでコンディションが〜』と条件反射の様に言ってくる評論家、ライターを散見するが、そもそもこのホンジュラスも国外組を招集していたし、そういう発言が実は相手に対する最低限の敬意にも欠ける事に気付いていない。言わば無意識の傲慢さというもの。ちなみにこの試合後にホンジュラスは監督を解任している。
 そしてベストはフルメンバー同士で久々に90分で勝った豪州戦。前述の相手の準備云々という「言い訳」も、豪州は通常Aマッチ期間に2試合こなす所をこの試合のみに絞って大阪で1週間合宿して臨んできた。内容的には押される時間帯もあったが、アジアの同レベルの相手にしっかり勝ったのは素晴らしい。

■年間ワーストマッチ
※過去の「受賞」試合

2008年:バーレーン戦(●0-1/2008.3.26/南アフリカW杯予選@マナマ)
2009年:バーレーン戦(●0-1/2009.1.28/アジアカップ予選@マナマ)
2010年:韓国戦(●0-2/2010.5.24/親善試合@さいたま)
2011年:北朝鮮戦(●0-1/2011.11.15/南アW杯予選@平壌
2012年:ウズベキスタン戦(●0-1/2012.2.29/ブラジルW杯予選@豊田)
2013年:ブルガリア戦(●0-2/2013.05.30/親善試合@豊田)

1位:ブラジル戦(●0-4/2014.10.14/親善試合@シンガポール
 W杯での2敗は、コートジボアール戦は少なくとも前半はリードしていたし、コロンビア戦は勝つしか無い中で後半前がかりになった裏を突かれたもので、前半だけならあの大会で一番内容が良かった。従ってワーストを選ぶならネイマールに終始好き放題にされたブラジル戦を。

■年間ベストゴール
※過去の受賞ゴール

2005年:中村(俊)(ブラジル戦(コンフェデ杯)同点ミドル)
2006年:玉田(ブラジル戦(ドイツW杯)先制点)
2007年:山瀬(カメルーン戦(親善試合)決勝ミドル)
2008年:玉田(カタール戦(南アW杯予選)ミドル)
2009年:中村(俊)(バーレーン戦(南アW杯予選)FK)
2010年:本田(デンマーク戦(南アW杯GL)FK)
2011年:李(豪州戦(アジアカップ決勝)決勝ゴール)
2012年:本田(オマーン戦(ブラジルW杯予選)先制ゴール)
2013年:本田(オランダ戦(親善試合))

1位:岡崎(豪州戦追加点)
2位:岡崎(コロンビア戦同点ゴール)
3位:武藤(ベネズエラ戦同点ゴール)
4位:香川(コスタリカ戦逆転ゴール)
5位:大久保(ザンビア戦勝ち越しゴール)
 試合の重要度、ゴールの価値が高いものを優先したい中でW杯本大会の2点、特に岡崎のヘッドは(最終的な結果はともかく)前半終了間際に追い付く貴重なゴールだったし、難しい体勢から決めたのもあってベスト、と言いたい所なのだが、やはり豪州戦のバックヒールのインパクトが強い。ヘッドだけと思わせて年々足元も上手くなってゴールを量産するFWという意味で日本のクローゼを目指して欲しいものだ。
 今年はなかなかハイレベルなゴールが多いので5位まで選出。3位は武藤がクラブでのプレーをそのまま代表でも見せたドリブル突破からのゴール、4位はコスタリカ戦で香川が中央をワンツーで崩して流し込んだゴール、5位はザンビア戦終了間際に大久保が決めた振り向き様反転ボレー。大久保で思い出したが、この選手はザック時代より今の代表の方がタイプ的にハマるのではないかと思う。

■年間最優秀若手選手(U-20)
※過去の受賞者

2006年:本田(2位:西川)
2007年:安田(2位:香川、3位:内田)
2008年:金崎(2位:内田、3位:香川)
2009年:米本(2位:香川、3位:権田)
2010年:宇佐美(2位:酒井(高)、3位:小野)
2011年:久保(2位:指宿、3位:扇原)
2012年:柴崎(2位:石毛、3位:小野)
2013年:南野(2位:久保、3位:大島)

1位:植田(鹿島)
2位:岩波(神戸)
3位:室屋(明治大)
 対象は1994年生まれ以降の世代だが、今年は選考に苦労した。候補者が多くて選び切れないというのではなく、その逆で。そもそも年間通して試合に出て結果を出した選手自体が少ない。代表についても、今年この世代が出場した年初のU22アジア選手権、秋のアジア大会、U19アジア選手権全てベスト8止まりで、またそれらの大会でゴールを量産した選手達(南野拓実鈴木武蔵中島翔哉)もクラブでは3人合わせて10点に届かず。その他広島の野津田、浅野もゼロックス杯では活躍したがその後はポジションを奪えずと。J2はどうかと言うと、札幌の金森が9ゴール取ったが、昇格チーム、プレーオフ圏内チームの中でポジションを掴んだU20世代は全ポジションを見渡してもいなかった。
 という中で、鹿島の植田、神戸の岩波はシーズンフル出場出来た訳ではないが半分以上は試合に出て(リーグ戦:植田20試合、岩波23試合1ゴール)、アジア大会ではCBコンビを組んでいい守備を見せたと言う事でトップ2。特に植田は、見るからに鹿島顔と言うか秋田→岩政の系譜を継ぐのは優男風の山村じゃなくてこっちだよなと納得の風貌。闘莉王以来の武闘派CBとして是非代表入りを。
 3位は該当者無しでも良い位なのだが、ここは大学から唯一アジア大会メンバーに入った室屋を。ちなみに日本の高校を経て今季鹿島に入り、帰化リオ五輪代表への合流が期待されているカイオは94年生まれ。今季はリーグ30試合8ゴールでJリーグのベストヤングプレーヤー賞も受賞している。もし今現在日本国籍保有していたらこのタイトルは即決だった。

■最優秀監督
※過去の受賞者

2009年:手倉森(2位:城福、3位:小林)
2010年:岡田(2位:小林、3位:関塚)
2011年:佐々木(2位:手倉森、3位:吉武)
2012年:森保(2位:手倉森、3位:吉武)
2013年:森保(2位:吉武、3位:小林、4位:高木、5位:風間)

1位:長谷川(G大阪)
2位:城福(甲府
3位:反町(松本)
4位:石崎(山形)
5位:柱谷(北九州)

 まぁ昇格後即3冠達成したらさすがに。J1の日本人監督ではリーグ順位は5位鳥栖の吉田氏、6位川崎の風間氏、7位横浜Mの樋口氏と続くが、途中就任の吉田氏を除いてシーズン前の期待値に比して・・・という。そんな中で甲府を危な気なく残留させた城福氏を評価。下位でも割とオープンな展開、真っ向勝負が多いJの中で徹底してリアリズムを貫くチームはあまり無いのでその点からも。その他年代別代表もパッとしなかったし、残り3枠はJ2から。戦力的にプレーオフ進出がやっとだと思っていた松本を自動昇格させた反町氏、山形を昇格させ、天皇杯決勝進出を果たした石崎氏、クラブライセンスの問題で昇格は成らなかったが、J2で山形を上回る5位+天皇杯マリノスを破った柱谷兄氏を。

 明日以降MVPの発表を。