アジアカップレビュー(その2)

 アジアカップレビューの続きは監督について書くつもりで今週中にとのんびり構えていたら契約解除となってしまった。どうもアギーレはファルカンと被るなと前から思っていたのだが、短命で終わるのまで同じになろうとは。
【共通点】
・最初の招集で誰もが予想しなかったメンバーを抜擢し、そしてその選手は初回限り。
ファルカンで言う佐藤慶明、今藤幸治、アギーレで言う皆川、坂井がこれに相当(皆川、坂井はまだ若いし今後再び招集される可能性はあるが。)。これは就任直後で日本サッカーを観て日が浅い故の選考だったと思う。他の外国人監督はというとザックは就任前に原氏が代行で2試合指揮を執って上手く引き継ぎ、ジーコオシムはそれまでに日本サッカーをよく知っていた。オシムの緒戦限りのメンバーも結構いるのだが、田中隼磨小林大悟中村直志坂田大輔と選考自体は意外では無かった。トルシエはどうだったかなと調べてみたが、緒戦はフランスW杯組主体に初代表は久保、奥、岡中という手堅い選考。(久保と奥が試合出場)
・就任半年足らずでアジアの大会に臨み、準々決勝敗退。
ファルカンアジア大会(当時はフル代表の大会だった)でアギーレはアジアカップという違いはあるが、どちらもそこそこいい試合をしながら不完全燃焼のまま敗退した。アギーレは圧倒的に押しながらPKに持ち込まれての敗退、ファルカンはW杯メンバーを揃えて経験値、戦力で上回ってた韓国に終了間際の井原のロングシュートで追い付くも、直後に怪しいPKで勝ち越されて惜敗、と。

 日産で観た9月のベネズエラ戦ではロングボール主体で岡田時代に戻ったかのようなサッカーだなと思ったのだが、11月以降しっかり繋ぎつつ、激しさも加えたメリハリのあるサッカーに変わっていた。まぁ遠藤がいるか、いないかの違いだったと思うが、それでもああいうサッカーも出来るのかという驚きが。加えて11月の豪州戦や先日のアジアカップなど、試合中の交代によって流れを引き寄せる上手さもあった。一方でアジアカップで4試合連続同じスタメンで臨むなど、戦術には長けていても戦略面はそれほどでもないのかなとは思ったのだが。アジアカップは最も日程の厳しいD組だっただけに。ただもしパレスチナ戦が緒戦では無かったらどうだったかは興味深い所だ。今回は緒戦と言う事であのレベルの相手にも手堅い面子で臨んだが、2戦目、3戦目だったらどうしていたかなと。

 今回で監督だけでなくスタッフも全て契約解除となる訳だが、アギーレのスタッフは国籍も様々で面白い(有能な)人が揃っていたと思うだけにそれは勿体無かった。あと通訳の羽生氏も昔からJで見た事のある人だけにまた何処かのクラブで日本サッカーに関わって欲しいと思う。ザックの就任直後の頃に、ナンバーでトルシエオシムまでの歴代通訳3名の座談会があって面白かったのだが、これにザックの矢野氏と同氏も加えた対談などいつか読んでみたい。

 後任は3月末の試合までには決めたいという事だが、欧州、南米でこの中途半端な時期に何処とも契約してない人はつまりはそういうレベルであるか、半ば引退というような人が大半なので、あまり焦って決めても貧乏くじを引くだけ。稀にW杯後を経験した後で次に向けて英気を養っている人、有能だけど会長と揉めたりチームに負傷者続出で結果を出せずに解任された人もいるだろうが、まぁあまりそこに期待するのもリスクが高い。オリベイラは今どうしているんだろうと思ったが、丁度パルメイラスと契約したばかりだった。残念。

 そうそう今回は会長と法務部門責任者の2名が会見に出席したのだが、技術委員長とアギーレを呼んだ責任者である原氏が出なかったのは何故だろうか。ここで言いたいのは原も辞めろという事では無く(辞めるかはともかく何らかの責任は取らざるを得ないとは思うが)、どうも会長との関係が良いようには見えない。表立って対立もしていないが、一心同体でもない、醒めた平行線の関係とでも言うかな。会長が慶○で原氏が早●田だからかとも穿ってしまうが、穿ちたくなる位に、協会では昔から出身校ラインの人間関係が見えるのも事実なんだよな。天皇杯スポンサーの某地銀のトップが会長の大学サッカー部の先輩で、いつの間にか静岡県のサッカー協会長になっていただとか、西野朗関塚隆城福浩吉田靖と年代別代表監督にやたらW稲田が多いだとか、色々と。そうそう元マリノス木村浩吉氏は今は協会所属で、先日年代別代表の統括就任が発表されたのだが、この人もW大だった。ついでに言うと次かその次の会長はT嶋幸三になると思われるが、おそらく東京五輪代表監督は同じ筑■大出身の現川崎フロンターレ監督氏になるのではないかと予想しておく。勿論川崎でそれなりの実績を作るのが条件ではあるが。