J1前期第3節 横浜M×鳥栖(三ツ沢)


 鳥栖との試合はいつも1点勝負になる。12年はお互いホームで1−0勝ちの1勝1敗、13年は2試合ともマリノスが1−0勝利で去年は鳥栖が逆に2−1、1−0と2つ勝った。そして今日も最初の5分を除いてほぼマリノスがボールをキープして攻め、たまに鳥栖がカウンターで攻めるというこれまでの内容を踏襲したような試合。
 マリノスは開幕戦時より大分組織立ってきてはいるが、やはりまだ繋ぎの部分で少し難がある。まだ取り組んだばかりという面もあるが、そもそもGKとCBがそういうサッカーに適したタイプでは無いのも大きいな。高さや1対1、シュートへの反応には優れているのだが、足元は上手く無い。特にGK榎本はゴールキックパントキックの精度が低く、この分では攻撃の第一歩には成り得ず、ならばキックの精度の高い飯倉をレギュラーに、とも思うが、一方で榎本は終了間際の鳥栖のヘッドを防いだように、『止める』GKではあるので、簡単にレギュラー交代とはいかないのが難しい所だな。

 試合は残り10分と言う所で鳥栖ゴール前でこぼれたボールを兵藤が押し込んで先制し、そのまま逃げ切った。12年からのこのカード7戦中6度目の1−0でマリノスの勝利。これで今季は以下の結果

vs松本●0-1(プレシーズンマッチ
vs川崎●1-3(リーグ)
vs東京△0-0(リーグ)
vs仙台●0-1(ナビスコ杯)
vs鳥栖○1-0(リーグ)

リーグ開幕戦を除いて○△●の可能性が等しく3等分されているとでも言うか、毎試合1点勝負のギリギリの展開だな。12年に開幕当初勝てなかったのに似ている。あの時も開幕7戦だか勝てなかったが、怪我のマルキーニョスが戻ったら一気に連勝し始めた。今年も連携が深まって5月頃に中心選手が復帰したらガラッと変わる可能性がある。

 選手についていくつか。兵藤は前節でも2度決定機を迎え、そして今日となった訳だが、代表で重要な試合に決めるのが何故かいつも本田や岡崎であるように、中心選手というのは決めるべき時に決める、そういうポジション取りをしているものだなと思う。技術レベルでは遜色無い藤本が今一パッとしないのと比べると尚更に。
 アデミウソンを観るのはこれで2試合目だが、ストライカーというよりチャンスメーカーなのではないかという気がしてきた。中村がいないからそういう役割も担っている面もあるかと思うが、今日も下がって周りに展開するシーンはあっても自分でシュートを打つシーンは無かった。サンパウロでは主に控えだったとはいえ、3年間で54試合6ゴールという記録を見る限りでも。そうなると周りの選手がしっかり決める必要が出てくるが、兵藤の他、特に齋藤に期待したい。今季は昨季より少し絞ったのか身体つきがシャープになった印象があるが、ドリブルの鋭さもそれに比例している。相手に引っ掛かるシーンも多いのだが、去年までと違って左サイドオンリーではなく、中央、右にポジション移動して動きが幅広くなったと思う。先日の代表にマリノスからは誰も選ばれなかったが、それは単純に代表に値する選手がいないというだけの話で、攻撃の選手ならゴール、アシストという結果を積み重ねれば、必然的に代表に近付く。人気先行と言われがちな武藤もリーグ3試合で3ゴールと結果を出している訳で。

 今日は前半途中から遠くに黒い雲が見えて嫌な予感がしたら、やはり雨雲で後半半ばに雨が落ちてきた。局地的な雨で太陽光が眩しく周囲は青空も見えていたほどで、写真の様に不思議な光景だった。試合終了に合わせるかのように雨は止んで虹が出ていた。帰りは友人に横浜駅まで送って貰い帰宅。