親善試合 日本×イラク(日産)


 同じ日産スタジアム開催だった去年9月のベネズエラ戦以来の代表戦と言う事で、前回は前半終了間際にようやく到着する始末だったが今回は直行で早目に向かった。18時前には菊名に着いていたのだが、その時点で結構な混雑で浜線を1本見送らざるを得ず。新横浜に着くと既に入場規制が掛かっていた。今日はアリーナでもイベントがあって、合わせて8万人も集結と言う事で、この時点から帰りをどうすべきか色々思案した。
 代表戦をスタメン発表から観るのは数年ぶりだったが、DJやBGMは昔からそう変わっておらず、スタジアム内であのキリンのCMの曲を聴くと代表戦に行った実感が湧く。スタメン発表の映像、DJもJの各クラブが年々凝った映像、音声を出している中で以前と殆ど変わらぬシンプルなスタイルなのは逆に新鮮な気がした。

 試合については以下箇条書きで。
・開始早々に2点取ったが、これは日本が強豪国と対戦すると最初に圧力を掛けられて失点し、主導権を握られるのと逆パターンだったな。最初に攻勢掛けて点を取れれば後は余裕を持ってテスト出来るメリットはある。

・前半は自分から遠い方のエンドに攻めていたので主に日本の選手の後ろ姿を観ていたのだが、柴崎は背格好やプレースタイルが遠藤、正確に言えばよりアグレッシブな遠藤という感じでよく似ていて、ボールに触る回数も多く、完全に中盤の支配者というプレーだった。そう言えば去年の9月は代表デビュー戦でまだ慣れていない面もあった中で、1年も経たずにこれほど変わるのかと。

・今日の日本はボランチ(長谷部、柴崎)から前線(本田、岡崎、宇佐美)にパスが何本も通った中で、その間にいる香川は少し埋没してしまっていた感が。何度かドリブルでバイタルを攻め上がったり惜しいシーンはあったのだが、最後の一呼吸が合わなかった。観ていてバルサが今季前の3人(メッシ、ネイマールスアレス)を活かしてより縦に速いサッカーを志向した分、中盤のシャビ、イニエスタの存在感がそれまでより低下したのが思い出された。ただバルサラストシーズンのシャビはともかく、イニエスタはシーズン終盤にはあのサッカーでも存在感を見せて、パリSG戦のドリブル独走からのアシストとか、決勝の先制アシストとかさすがなプレーを見せていたので香川も適応して欲しい。やはり優れた選手はポジション、サッカースタイルにあまり左右されないもので、「ポジションは中央で」、「ポゼッション志向で」などと言った様に条件を多く付けないと活躍出来ない選手にはなって欲しく無い。

・後半香川に代わってトップ下に入ったのは原口だったが、ドリブルだけではなくパスもなかなか良かった。今まではドリブルは上手いが球離れが悪い選手と言う印象だったのだが、中央もこなせる万能アタッカーになりつつあるとでも言うか。今後代表に定着するのではと思う。その意味では宇佐美に代わって主に左サイドに入った武藤はプレーの幅やドリブルの鋭さで少し原口に及ばないかなと言う印象だった。原口がブンデスで進化したように武藤もマインツでレベルアップして欲しい。

・後半から谷口が代表デビューしてプレーは無難だったが、大卒なので今年でもう24歳なんだよな。大学を出てすぐにポジションを確保して、2年目で代表入りというのはかなり早い方なのだが、年齢的には徐々に代表に慣れて、と悠長な事は言えず、すぐに長谷部とポジション争いして欲しいぐらいの歳。この選手は原口と同い年なのだが、片やJとブンデスで既に6年以上のキャリアがある選手とプロ2年目の選手。大学も大学で重要なルートとは思うが、20歳位でJでレギュラー取って代表を狙える選手がもっと出てきて欲しいものだ。

 帰りは新横浜のカオスが目に見えていたので、友人と協議した結果、地下鉄の北新横浜駅から港北NTを経由して日吉に向かう迂回ルートで帰ることにしたが、混雑には巻き込まれず大正解。