J1後期第5節 横浜M×清水(日産)


 ここ数年マリノスは清水に対して分が良い。12年7月からリーグ、ナビスコ含め8戦全勝、17得点2失点と圧倒している。今日の試合はお互い後期16位と17位という立場だったが、中村がトップ下という布陣が当たればマリノスの3−0、そうでなくてもここ最近の対戦でそうだったように1−0、2−1で勝てるかなと予想していた。

 前半はマリノスが押す展開。清水は攻撃はそこそこながら、点を取る以上に失点する為にこの位置なのだが(後期4試合で10失点)、個々が1対1に弱い、マークが甘いというより、あまりに裏を取られ過ぎてるのだと思う。前半もマリノスの何でもない裏へのパスがチャンスになりかけるシーンが数度あった。前半のマリノス先制点も右サイドの藤本から左に張る齋藤に向けてピッチを斜めに横切る長いパスが通り、中に切り込んだ齋藤が枝村をかわしてフリーでシュートを放った形だった。
 攻撃に関しても清水は鄭大世、大前、白崎という前線だったがあまり息が合っておらず、攻め込みながらパスが合わない場面が多数。そんな感じで前半が終わり、後半は途中で入ってきそうなウタカの一発に気を付ければ負けはないかなと。

 後半は清水は頭から村田が入れてきたが、清水にはこの選手もいたのを忘れていた。右サイドから仕掛ける事で清水に攻撃のリズムが生まれ、後半10分頃に村田のクロスを逆サイドのデュークが折り返し、それを大前が合わせて同点に追い付く。この選手は野洲高校出身らしい小柄なドリブラーだけど、ピッチに出たら何か一つ仕事をする嗅覚と言うか、勝負に対する鋭さは播戸っぽい。セレッソ時代のチームメイトだが影響を受けたりしてるのかな。
 同点後もマリノスにチャンスは無かった訳ではなく、アデミウソンや斎藤が上手く裏に抜けてシュートシーンを作り出していたのだが、最後の詰めが甘かった。特にアデミウソンがGKと1対1のシーンで正面に蹴ってしまったのは結果を考えると勿体無さすぎた。やはりこの選手はチャンスメーカーであってストライカーでは無いんだよな。

 そんな感じで時間は進み、マリノスは前半は抑えていた鄭大世に自陣深い位置でキープされるシーンが増え始めた。tだ清水が1失点というのも無いだろうからもう1点取るチャンスはあるだろうと思っていた後半半ば過ぎ、中村がラフィーニャに代わった直後だったか、右サイド浅い位置からの(おそらく鄭大世の)クロスを大前が頭で合わせて清水が逆転した。驚くのは競ったのが中澤だったという事実。この中澤や栗原、ファビオのいるマリノスにおいてこういう浅いクロスを簡単に合わされる失点と言うのはこれまであまり無かった。中澤の視野から消えて中に飛び込む大前の動きは秀逸だったが、ちょっと衝撃的な失点シーンだった。
 同点時から、清水は勝点1を最優先にしていたのか白崎→DF平岡という交代カードを切っていたのだが、これで益々守備にシフトして大前→MF六平でウタカは投入せず。終盤はマリノスが放り込んで小林のヘッドがバーをかすめるシーンはあったが、そのまま試合は終わった。

 これでマリノスは5/23(土)に松本に勝ってからリーグ戦9戦未勝利(5分4敗)。この5分けというのが曲者で、引き分けた瞬間は、それが追い付かれ/追い付いたどちらのパターンでも「勝点1だし、最低限のノルマを果たした」ように思ってしまうのだが、それが続くとボディブローの様にダメージが効いてくる。よく言うように勝点では3分=1勝2敗で、3戦2敗なら危機感を持つ所を3分だとその感覚が鈍ってしまうんだな。ただ前節、今節と連敗したのでようやく目が覚める事になるだろうか。丁度代表戦による中断期間で次節は2週間後になり、マリノスには代表選手はいないので準備期間はある訳だが、これまでの経過を見る限り、この間にストライカーを補強するとか、チームの骨格を固めるとかの期待はあまりしないで置いた方が良さそう。選手、フロント等色々な面で詰んでるように思うのだが、それはまた後日。