J1後期第16節 鹿島×横浜M(カシマ)


■鹿島行
 11年ぶりに鹿島スタジアム行を実施。前回は当blog開始前だったが、友人車に乗せて貰い、雨中の試合でマリノスは負けた事、名物のもつ煮が売り切れ間近で危うく逃す所だった事、帰りの高速SAで水戸納豆を土産に買った事位しか記憶に無い。
 今回もまた車に乗せて貰ったのだが、まずは鹿島神宮に向かった。

 色々調べると実は関東最古の由緒ある社で、利根川の向こうにある千葉の香取神宮とは一対の関係にあるらしい。両社とも今は利根川から数km内陸にあるが、この辺りは昔は香取海という広大な湖だったようだから、その対岸に並び立っていたのだろう。これまで出雲大社伊勢神宮住吉大社に行った事があるが、どの社も建築物やその配置が独特で、どこか日本が明確に「日本」となる以前の古代の記憶を留めているような所が共通している。この鹿島神宮もそんな場所だった。

■スタジアム
 神宮からスタジアムまでは車で10分ほどだが、今回はスタジアムから駅(試合日のみ営業)を挟んで反対側にある民間駐車場を利用した。この手の駐車場は埼スタでもお馴染みだったが、車を停めて管理人のオヤジさんに料金を払うと缶のお茶を貰ってしまった。線路脇の壁には2002年が思い出される壁画の数々が。当時の地元小学生達の作品だったが、この子供らも今は20代半ばという。

 スタジアムに入りまず席を確保。今回はメイン2階だったが、傾斜が日本の一般的なスタジアムより急なので上から見下ろす迫力がある。 これ程の傾斜は他に鳥栖、豊田くらいだろうか。コンコースからは太平洋も。これほど海が近いと思わなかった。海と反対側は見渡す限り森が続いているのだが、こういった景色を見るとこのチームがJのオリ10に選ばれたのが奇跡的だったのがよく分かる。他の9チームは本拠が大都市だったり、サッカーどころ(清水)、日本リーグ時代からの名門(古河電工ジェフ市原)だったりした訳だが、そのどれにも該当しない中で選ばれたというのはやはり専用スタジアムを作ったインパクトは大きかったんだろうな。

 その後はようやく昼食を買いに向かい、赤もつ煮とチョリソーをば。売店の数は1階、2階合わせて数多いが殆どの店でもつ煮を売っており、他にラーメン、焼き物も多い。変わり種ではクレープも。

■試合
 前期に続いて鹿島に完敗。鹿島のサッカーを観ていて、ふと寓話の「北風と太陽」を思い出した。北風がいくら強く風を吹こうが旅人はマントを脱がなかったが、太陽が陽を照らすと簡単に脱いだというあの話。
 前節、川崎はボールを保持し、3バックの最終ラインまで積極的に攻め込んだものの、マリノスの守備は最後まで崩れなかった。翻って今日の鹿島はホームとは言え攻撃一辺倒にはならず、時には引いて後ろでボールを回し、またマリノスの攻勢時(特にセットプレー)にはチーム全体の守備意識を高めていたが、マリノスの守備は何度も突破され、決定機を作られた。前期の試合にも書いたが、鹿島との試合はサッカーの本質を教わるような試合が多いが、今日もまた90分間ずっとサッカーのレッスンを受け続けた感じだな。
 試合中ゾッとしたのは中村が鹿島ゴール近くでボールを持つと必ず鹿島の選手が2〜3人で対応し、ボールを奪えずともパスコースを切って横パス、バックパスに留めていた事。おそらく鹿島は中村さえ抑えればマリノスの攻撃は齋藤やアデミウソンの個人技くらいしかないと見抜いてたんだろうな。一般的に「エースがマークを受けてもその分他の選手のマークが薄くなって・・」などと言われるが、マリノスの場合10番を抑えられるとチーム全体が機能不全になる。このように相手の長所を消し、同時に自分達の特長を出す事において鹿島の右に出るチームは無い。

 今日のマリノスは喜田が負傷で久々に熊谷がスタメンだったが、後半早々に途中交代。久々のスタメンの相手が鹿島だった点を差し引いても、この4年間何度もチャンスが与えられてきた中での今日、と考えるとちょっと厳しいな。3年前の同じ場所ではゴールまで奪っているのだが年々成長どころか悪くなっている。来年は大卒の同世代がプロに入ってくるが、そういった選手に対してプロで4年やってきて差を付ける事が出来たのか、むしろ差を付けられたのではないかと。この選手に喜田の様なメンタルがあれば今頃U22レギュラーは勿論、少なくとも(招集外の候補選手についても言及する珍しいタイプである)ハリルホジッチが名を挙げる位にはなれていただろうに。

■試合後
スタジアムを出た後は、渋谷に来た観光客がハチ公像を取るのと同じように、ジーコ像の写真を撮って帰路へ。

初めて知ったが像の周りには鹿島の歴代有名選手の足形もあった。