J1後期第10節 横浜M×鹿島(日産)


 気が付けば後期も半分を過ぎていた。ホーム試合は7月に集中した影響で残りは8、9、10月にそれぞれ1試合ずつあるのみで、19時開始は今日がラストという。先週に続いて今日もまた雨が断続的に降る一日だったが、イベントの影響からか開門は通常より1時間早まって年チケは15時半だった。
 ここ最近は横浜在住の友人が前日朝にシート貼りをしてくれて次にスタジアムに近い自分が当日並ぶという図式が定着しているが、列整理が開門の約30分前にあるのでその前には現地に行く必要があり、今日の場合14時半過ぎには小机駅に着いていた。特に今日は天候が天候なので屋根下を確保する必要があり、並びは必須ではあったのだが、移動時間含めほぼ半日費やすのは少し負担に感じるようにはなってきたな。これが14時開始の試合なら(9、10月のホーム戦が該当)通常の年チケ開門は11時半で、朝から動かないといけなくなる。今年は等々力、味スタのマリノスが絡まない試合に思い付いてフラッと行く事が多いが、こういうホーム試合の時間的制約が無い故の気楽さが行く理由の1つではあるかもしれない。19時開始なら現地に着くのは18時過ぎなので昼間は別の予定に時間を割ける。

 まぁそれはともかくとして試合について。鹿島に対してはリーグ戦6連敗中で、内容もサッカーを教わるような圧倒的な差を感じる試合が多いのだが、ここ最近の鹿島は前期の反動からか明らかにチームとしてのコンディションは落ちており、加えて前節起きた金崎の交代時の反抗的態度や石井氏の休養など不穏な空気ではあった。ただこういう時に崩れないのも鹿島というチームだとは思っていたのだが。
 選手個人としては鈴木優磨に注目していた。ユースから昇格して2年目で前節までにリーグで6点取っている選手なのだが、長身なのでCFタイプかと思ったら中盤もこなせるタイプで今日も右MFでスタメン。何より目がギラついて少しでも上にのし上がってやろうという野心が感じられる点が興味を引く。日本の若い選手は基本大人しい優等生だが、稀に中田、本田の様な野心とクールさが同居したタイプや、中山、鈴木隆行、岡崎のような全身全霊を込めて相手にぶつかっていくタイプが現われる。確か本人も岡崎が目標だとインタビューで言っていたし、中山、岡崎の系譜を継ぐ1人と言えるだろうか。
 で、先制点を決めたのはこの選手だった。長いグラウンダーのパスをゴール前で受けて、DFを背負いながら飛び出してきたGKの位置も見て冷静に流し込んだゴール。これでリーグ7点目、かつクロスに飛び込むだけではなくこんな器用なプレーも出来るのかという意外性もあった。今季は途中出場がメインながら、スタメン起用された試合では6試合中5試合で点を決めている点も素晴らしい。最初は限られた出場時間の中で結果を出し、それで得たスタメン出場のチャンスでも結果を出す―――大成する選手の典型パターン(の1つ)ではないか(笑)もし生まれるのが1年早ければ確実にリオ五輪に行っていたと思う。今年1年だけで鈴木武蔵がこれまでJ1で決めたゴール数(6点/74試合)を越えている。これほどの選手が年代別代表の経験が無いというのも驚くが、やはり高校時代とプロでは求められるプレーが違うし、プロで一気に伸びる選手というのはいるものだな。この選手は96年生まれで年齢的に後はもうA代表を目指すしか無く、年代別代表で国際経験を積む機会が無いのが残念でならない。(他に鳥栖の鎌田もこれに該当する。同学年でも97年の早生まれの選手、例えば川崎の三好、柏の中山などは20年の東京五輪まで年代別代表のチャンスがある。)

 試合は2−2で引き分け。今日は齋藤の動きが切れており2点全てに絡んだ。1点目、そしてその前のバー直撃シュート共に伊藤がゴール前でフリーだったのを見るにつけ、今日はやはり鹿島の守備は少し緩かったな。それでも残り10分で逆転されながら追い付いたのはさすがだったが。