J3第27節 FC東京U23×相模原(西が丘)


 今季からJ3参戦しているU23チームは一度は観に行きたいと思っていた中でなかなか予定が合わなかったのだが、ようやく行けた。東京のU23は翌週11/5(土)にもホーム(駒沢)で試合があるのでそれも候補だったが、U16代表の久保君がデビュー濃厚、しかもこの試合限定の特別スポンサーまであるというニュースを読んで5日は止めて今日にした。こういうあからさまなスターシステムの片棒を担ぐような真似はしたくない。

 という訳で西が丘に向かったのだが、14時開始とはいえ曇り空で気温も上がらず、座って観ていると段々冷えてくるような天候だった。ただ一方でこう観戦中寒さが身に沁みて、スタジアムで豚汁やうどんをすすりたくなってくると、いよいよシーズンも終盤だと感じられてどこか楽しくなってきたりもするのだが。

 今日はU23を観に来たので対戦相手は特に気にしておらず、相模原についてはシーズン途中で監督が安永聡太郎に変わった事くらいしか知らなかったのだが、スタメンGKは川口能活だった。岐阜にいたのまでは知っていたが今は相模原にいたんだな。相模原は望月重良氏(清商OB)が代表なので、その縁か。この選手も今年41歳だが、カズや中山と同じく燃え尽きるまで現役を続けるタイプだけど、GKとして決して体格に恵まれていた訳ではない中でサッカーに全てを捧げてストイックに身体を鍛え上げ、代表100試合以上に出たプロ精神は是非次代のGKに伝えて欲しい。これまで見せてきた数々の神懸かったセーブ(特にPK時)はそういう厳しい練習があればこそ。と、PK時に先に動き過ぎて相手に読まれた末に甘いコースにあっさり決められた、ここ最近の代表戦を思い浮かべながら書いているが。

 試合は序盤はほぼ互角の展開で、互いに中盤で潰し合う時間が続いた。FC東京にはユース所属の高校3年生が3名いたのでフィジカル面で苦戦するかと思っていたが、この3人は皆体格が良く、チャージを苦にしていなかった。前々から思っていたが、FC東京の育成組織は(技術は勿論のこと)体格のサイズや当たり負けしない強さを重視しているように思う。武藤嘉紀もそれほど長身ではないが体幹はかなり強いし。またこれは育成組織だけでなく高校や大学から獲得する選手の基準にもなっているはず。今日スタメンだった小川(流経柏)は長身SBだし、作陽から加入して3年目の平岡も小柄だが体幹はしっかりしている。よく日本の選手は上手いがフィジカル勝負に弱いと言われるが、それに対するFC東京なりの解がこのような選手育成、獲得基準になっているんだろうな。

 試合は前半終了間際に相模原が先制したが、後半にFC東京がOA(U23チームでは3人までオーバーエイジの選手が出場できる)の林のハットトリックなどで4点を奪い、快勝した。相模原は安永が監督になってから未勝利、かつ失点が止まらない。
 今日のFC東京はベンチにGK含め3人しか登録していなかったのだが(同日にユースの試合があった為と思われる。)、交代で入ったフィールドプレーヤーは1人が先日のU16アジア選手権ベスト4メンバーである平川(2000年生まれ)と小林(99年生まれ)だった。この選手らはフランスW杯どころか日韓W杯すら記憶にはなく、ドイツW杯をギリギリ覚えているかどうかといった世代だが、さすがに生まれ年に2000という数字を見ると感慨深い。平川は林の3点目に繋がるロングパスを通すなど短い時間で結果を残していた。今日は観衆2800人だったが、西が丘はメインがチケ完売でそれ以外もほぼ埋まっており、こういう緊張感の中で試合をするのは観客100人に満たない練習場での練習試合より断然良いなと言うのは実感できた。

 帰りはまだ明るかったので1駅くらい歩いて帰ろうとしたのだが、結局4駅ほど歩いてしまい、西巣鴨から三田線に乗ろうとしたら道の先に都電が横切るのが見えてルートを変更し、初めての都電→副都心線で帰宅した。