代表戦の感想など

EAFF E-1サッカー選手権が終わった事で雑感をば。

・韓国戦はミスマッチというか、同じ土俵で戦ってしまったのが敗因かなと思う。基本的に日本は今まで韓国に対してはパスを繋いでいなすというのが基本路線で、時には相手のフィジカルにそのパスや技術を封じられる試合もあった中で、主力が欧州で揉まれて当たり負けしない強さを手に入れる事で優位に立てる場面が増えた。その象徴的な試合が2011年の親善試合(3-0)だったが、昨日はとにかく前に繋ぐ事に囚われすぎて、攻撃がサイドに展開→突破という単純な形となり、相手にとって守りやすい形になってしまった。元々スピードやフィジカルで相手が優位な中で数的にも不利な状況でサイド突破してクロスを上げて、エリア内で相手の高さを越えて点で合わせるというのは非現実的というか、あまりに効率が悪過ぎる。

・後は出場選手の経験値に差があったのも事実だな。下記に昨日の両チームの出場選手の代表試合数を記すが、日本は今野が突出している以外は試合数が一桁の選手が大半で、今大会で代表デビューした選手がスタメンに5人もいたが、韓国はW杯を経験している選手が複数いて合計試合数で倍の経験があった。ゴールシーンを振り返っても、2点目のFKはそれ自体は見事だったが、その前に日本がファールしたシーンは車屋が自陣で不必要に大きくドリブルしたのを相手にカットされたものだし、3失点目も中央で相手に寄せながらボールを奪い切れずパスを通されてしまった時点で勝負あった。経験値、そして攻撃に変化を加えてセットプレーのキッカーとしても期待出来た点で清武(代表44試合)の離脱は痛かったな。

出場選手の代表試合数
■日本
GK:中村(2)
DF:植田(2)、三浦(2)、昌子(9)、車屋(3)
MF:今野(93)、井手口(10)(→三竿(1))、倉田(9)(→阿部(3))
FW:伊東(3)(→川又(8))、小林(11)、土居(2)
スタメン合計146試合(出場選手合計158試合)

■韓国
GK:チェ・ヒョヌ(3)
DF:キム・ジンス(31)、ユン・ヨンソン(2)、キム・ミヌ(15)、コ・ヨハン(16)、チャン・ヒョンス(45)
MF:イ・グノ(81)(→ヨム・ギフン(56))、チュ・セジョン(8)、チョン・ウヨン(22)、イ・ジェソン(27)(→チョン・スンヒョン(2))
FW:キム・シヌク(41)(→チン・ソングッ(2))
スタメン合計291試合(出場選手合計351試合)

・状況的には南ア前に同じくホーム開催の東アジア選手権で韓国に1-3で敗れたのと被る。おそらく本大会まで重圧は増す一方だと思うが、南ア大会(そして反面教師としてのドイツ大会、ブラジル大会)から学んだのは最終的には直前の準備、そして緒戦が全てということだな。南アの直前に正GKが楢崎から川島に代わり、中村俊輔がスタメン落ちして中盤が阿部、長谷部、遠藤となり、本田が1トップに入ったような劇的な変化が今回もあるのではという気がする。