大相撲初観戦

 ついに国技館での大相撲観戦が実現した。友人がチケを取ってくれたのだが、何と枡席だと。
大寒波到来でかなり冷え込む中で昼過ぎに両国駅に着くと、以前居酒屋だった場所が別の施設に改装されていた。居酒屋時代には中に土俵があったのだが、それは継承しつつ主に和食系レストラン街や観光情報発信拠点に。

 入ってみると東京の地酒(10種類)を300円で試飲出来る店があり、この寒さなのでまずは熱燗で。

 その後今日一緒に観る友人やその会社仲間と合流して国技館に向かった。

 入った後は席に荷物を置いて中を散策しつつ昼を食べに行ったのだが、人が多いのと場内に案内図があまりないので2階のレストランの場所を探すのに手間取った。レストランではちゃんこ定食を食べ、その後相撲博物館を見学すると丁度幕内力士の土俵入りという時間になっていた。
 横綱の土俵入りから取組が始まるまで、少し雑談する中で、実は大相撲が日本のスポーツ組織で一番国際化してるんじゃないかという話になった。国際化という意味ではまず関取が42人中外国出身者が15人を占める。内訳は

モンゴル:9人
ジョージア:2人
中国、ブルガリア、エジプト、ブラジル:1人
※中国出身の蒼国来は内蒙古自治区の生まれ

とモンゴルが人数でも横綱3人、大関1人を輩出している点からも圧倒的なのだが、昔は他にハワイ出身者がいるくらいだったのが東欧、旧ソ連、アフリカ、南米の出身者が現れているのを見ると、今後も特に柔道やレスリングの強い旧ソ連勢から人材が日本に来るような気がする。
 次に客層だが、海外からの観光客と思しき団体が2階に向かっていったのは分かるとして、意外だったのは枡席にも外国人の家族連れ客が何組かいたことだった。おそらくは日本在住なのだろうが、普通に枡席を買っているという事は相撲の観戦に相当慣れているのではないかと思う。割合としては関取ほどでは無く少数ではあるが、日本独特の競技だけに外国人を引きつける要素がサッカー、野球より実は強いかもしれない。

 そんな中で取組を見ていたのだが、正直力士の名前と顔が一致していたのは遙か昔、小学生時代に遡るので、土俵上よりも審判団の元寺尾(現錣山親方)に目が入ってしまった。しかし生で観て思うのは大関横綱クラスは体つきだけで格の違いが分かる。白鵬など肌が比較的白いので目立つせいもあるが、体格と筋肉のバランスが見るからに良くて、おそらく横綱と知らない人でも一目見たら強いのが分かるだろう。そして実際の取組もパワーとスピードが三役以下とは明らかに異なり、その強さに背筋が震えた。(結びの一番を務めた鶴竜は調子が悪いのかいまいちだったが。)

 枡席は大人4人には少々狭いので足が痺れてしまい、途中から後ろに立ったりしていたのだが、面白かった。競技の内容もそうだが、その仕組みや制度という点でも相撲はなかなか興味深い。今回は利用しなかったが、お茶屋の制度も、来場者へのホスピタリティという点で他競技、他国(特に欧米)でのVIPラウンジの発想に通ずるものがあるし。競技場という観点では、やはり取組後にVTRを流せる映像装置があれば良いかなとは思った。