各地域代表を選んでみる(前編)

 このblogも前回の更新から1ヶ月近く経ってしまった。ようやく新シーズンが近付いて来たが、オフの場繋ぎネタを色々と。
 スペインでは毎年年末やシーズン終了後に各州の代表が国際試合を戦っている。対戦相手は同じスペインの州代表同士の場合もあるが、各国のA代表がメインで、16年末にはカタルーニャvsチュニジア(12/28)、バスクvsチュニジア(12/30)が行われ、アフリカの中堅国相手にカタルーニャが△3-3(2PK4)、バスクが○3-1と結果も出している。チーム構成は国と同じくその州で生まれた選手を招集しているようで、従ってカタルーニャ代表にはシャビ、ピケ、セスクに選出資格はあれど、イニエスタカスティーリャ=ラ・マンチャ州出身で10代半ばでバルサカンテラに加入)には無い。
 前置きが長くなったが、これを日本でやったらどうなるかと思った。今の日本に「州」は無いが、JFAの地域区分である北海道、東北、北信越、関東、東海、関西、中国、四国、九州・沖縄の9地域を州に見立てて、その土地の出身者で代表を組んだらどうなるかなと。選出基準はスペイン同様(公式プロフィール上の)出身地を基準とし、高校、ユース時代のチームの所在地は考慮しない。例えば長友は愛媛出身で高校は福岡だが、九州代表ではなく四国代表の選出資格を持つ、といった具合。
 9つもチームがあるので北から前・中・後編に分けて書いてみる。太字は日本代表キャップ数保有者。フォーメーション、控えの人数はアバウトで(笑)

■北海道代表(北海道):人口540万

GK:阿波加(札幌)
DF:西(鹿島)、千葉(広島)、櫛引(名古屋)、奈良(川崎)
MF:深井(札幌)、山瀬(福岡)、藤田(湘南)、宮澤(札幌)、清原(C大阪
FW:荒野(札幌)
控え:椎名(富山)、堀米(新潟)

 人口ではスロバキア(542万)が近い。やはり札幌ユース出身者が多いが、広島のDF千葉が北海道出身なのを今回初めて知った。小学校まで釧路で中学、高校は三重、そしてオランダに渡ってプロになり、日本に戻ってきたという面白いキャリアの人。

■東北代表(青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島):人口904万

GK:飯倉(横浜M)
DF:今野(G大阪)、山本(鹿島)、菅井(仙台)、渡部(仙台)
MF:小笠原(鹿島)、柴崎テネリフェ)、遠藤(鹿島)、土居(鹿島)、高萩(FC東京)
FW:小林(川崎)
控え:櫛引(岡山)、加賀(山形)、神谷(湘南)、萬代(山形)

 約900万の人口はオーストリア(862万)とアゼルバイジャン(942万)の間に位置する。情報は主に東北人魂の会HPを中心に収集したが、マリノスの飯倉は青森出身とのことでこれも初めて知った。FWの小林悠は町田育ちだが生まれは青森らしいのでここにカウント。一見して目立つのは鹿島勢の多さ。小笠原、柴崎といった東北の高校出身者だけではなくユース育ちの土居もいるところを見ると、意図して、あるいはこの地域に強いパイプがあるのを伺わせる。鹿島は関東とは言え周辺人口はそれほど多くなく、首都圏はユース、高校がひしめき合って競争が激しいが故に、銚子など近隣かつ首都圏から離れたエリア(鈴木優磨がここの出身)、そして北に活路を見出したのではないかな。

北信越代表(新潟、長野、富山、金沢、福井):人口744万

GK:相澤(徳島)
DF:酒井(高)(HSV)、鈴木タラゴナ)、酒井(宏)マルセイユ
MF:田中(亜)(ヘルシンキ)、高橋(鳥栖)、大野(新潟)、橋本(水戸)
FW:豊田鳥栖)、中島(町田)、山崎(新潟)
控え:田中(隼)(松本)、川口(新潟)、有田(愛媛)

 人口ではヨルダン(760万)相当。柏ユース出身の酒井宏樹は生まれは長野らしい。CBがなかなかおらず、苦肉の策でW酒井をサイドに置く3バックに。この地域は星稜、富山第一、新潟ユース等、代表選手を輩出した実績のあるチームがあるが、チームを組む程の層の厚さには至っていない。各チームとも設備は整っているので、選手もこれからという感じかと思うが、福井出身の有力選手がいなかったりするところを鑑みるに、やはり地元のJチームの有無は、地元のサッカー少年の目標という点で重要という気がする。