W杯エントリーメンバー予想

 以下の文章は先週から書き始めて今週公開しようかなと思っていたのだが、まさかの監督解任であまり意味がなくなってしまった。個人的な希望だけでなく、ここまでの起用状況や監督の志向も踏まえた上での予想だったんで。ただ折角書いたのでお蔵入りさせるのは勿体無く、敢えて公開する。以下の文章は全て先週の時点で書いたもの。今となっては虚しさもあるが。

GK:1川島(メス)、23中村(柏)、12東口(G大阪)
 序列もこの順番か。負傷など不測の事態が無い限りこの3人のはず。

CB:22吉田(サウサンプトン)、20槙野(浦和)、3昌子(鹿島)、2植田(鹿島)
 レギュラー+控えはこの4人かなと。これまで槙野はCBでは厳しいと思っていて、それでもムードメーカーとして貴重な存在なのでSBでエントリーかと思っていたのだが、昨年浦和がミシャ→堀と監督交代した頃から急激に存在感が高まっている。守備で1対1の強さを求められるようになってそれに応え、特にACL優勝後は代表でもCBでスタメン出場が増えていった。ブラジル戦、ウクライナ戦とセットプレーで点を取ってもいる。4人目のCBは森重と迷ったが、ここは高さを買って植田で。

SB:5長友(ガラタサライ)、19酒井(宏)(マルセイユ)、21酒井(高)(HSV)
 通常はレギュラー+控えの4枠だが、確定と言えるのは長友と酒井宏樹だけで高徳は代表だと危なっかしいがギリギリ選出という中で4人目がいない。継続的に選ばれているのは車屋だがクアルダード(コロンビア)とかマネ(セネガル)とかのサイドアタッカーを抑える守備力に不安があるし、やはり欧州組に比べてワンランク落ちる。後は遠藤(浦和)が中盤と兼用で右SBの控えとして入るかどうかだが、この3月の遠征でコンディション不良で試合に出れなかったのは最終選考の上でマイナスで浦和でもあまり好調とは言えない。最終的に植田、槙野をサイド兼用として、本職はこの3人だけと予想。ちなみにマリノスの山中はW杯がもう1年後なら(逆に今季のプレーをもう1年早く見せていれば)、候補に入れたかもしれない。

中盤:17長谷部(フランクフルト)、16山口(C大阪)、7柴崎(ヘタフェ)、13井手口(レオネサ)、6三竿(鹿島)、10森岡(アンデルレヒト
 中盤はアンカー、より相手ゴールに近い位置、その中間である攻守の繋ぎ役の3タイプあって(複数タイプ兼用の選手もいる)、アンカー長谷部、繋ぎ役山口、前目の柴崎は確実。井手口は能力だけなら確定と思うので選んだがクラブで試合に出ていないのが不確定要素。同タイプの三竿は途中出場ながらここ3戦連続で出番を得ているので監督の評価は高いのではないかと。残り1枠は香川(ドルトムント)、大島(川崎)といる中で得点力(とセットプレーのキッカー)を買って森岡で。本当は清武を入れたかったのだが負傷でおそらくエントリーは厳しい。また、仮に香川を選ぶとすれば、おそらくは南アの時の中村俊輔の様に、相手の分析の裏をかくための見せ球のような位置付け(この選手が中心と思って対策を立てたらレギュラーでは無かったという構図)になるのではないかと。

サイド:8原口(デュッセルドルフ)、18中島(ポルティモネンセ)、4本田(パチューカ)、14久保(ヘント)、11宇佐美(デュッセルドルフ
 本大会ではボールを支配されつつも、数少ないチャンスを逃さず決める戦い方になると思うが、その意味でこのサイドのポジションやCFに求められるのは守備にも奔走する献身性や前線でボールを収めるプレー、そして点が取れるかどうか。その意味で原口は得点力に難あれどサイドで守備に走れるのでおそらく選ばれるだろうし、中島も点の取れるアタッカーとして連れて行くのではないかと思う。そこから先は難しい。乾は攻撃に変化を付けられる数少ないタレントだが得点力がある方ではなく、久保も今季は昨季ほど得点が取れていない。本田はクラブでは点に絡む機会は多いがそもそも今の代表の戦い方とマッチするのかという問題が。ならばハリルが才能を買っていてクラブで復調しつつある宇佐美が逆転で滑り込む可能性は十分にある。
 今後のプレー(ゴール数)で決まる部分もあるので何とも言えないが、大舞台で結果を残す本田は最終的には選ばれると思う。乾は予選突破を決めた豪州戦のプレーが印象的で最後まで迷ったが、ドリブルで攻撃に変化を付けるタイプの枠はより点の取れる中島が優先されるのではないかと。

CF:15大迫(ケルン)、9杉本(C大阪
 前でボールが収まる大迫は絶対的な柱の一人。その控え候補は杉本、小林のどちらかとなるが、小林はポストの動きや2列目の飛び出しを引き出せる点で3月の代表戦で杉本より動きは良かったと思うが、最終的には杉本と予想。僅かにオフサイドだったが、ブラジル戦でセットプレーから競り勝ってのヘディングとか前線で体を張れる点が最後に決め手となるのでは無いかなと。その他岡崎は2トップなら間違いなく選ばれたと思うが、今のサッカーでは収まるポジションが無い。勿論南アの時のように、最後の最後で本田1トップという新布陣に変えた例もあるので、5月にどうなるかは分からないが・・・。

※バックアップ:西川(浦和)、森重(FC東京)、遠藤(浦和)、倉田(G大阪)、大島(川崎)、乾(エイバル)、小林(川崎)
 バックアップも前回同様7名と仮定して選んでみる。まぁ上で述べてきた中で23人枠に入れられなかった選手を中心に埋まってしまうのだが。ただ中盤は香川はバックアップに選ぶくらいなら23人に入れるだろうと思うので倉田を選んだ。南アで帯同する若手枠の4人に選ばれた時も(既に代表で一定の実績はあったので)相当反発したらしいし、今の地位、立場ではとてもバックアップに納得するとは思えない。

 W杯のような舞台では1点が重い。2点取られても3点取ればいい、というスタンスでは例え親善試合でそれが出来る力があったとしてもW杯では結局0-2とか1-2で試合が終わるものだ。いい加減メディアも(そして一部の選手や協会の人々も)、「美しい(ここで言う美しさとは2010年前後のスペイン代表やバルセロナが暗黙の内に想定されている場合が多い)サッカーで勝つ事が至上であり守備的に振る舞って勝つのは不格好でダサい」かのような価値基準は捨て去って、シンプルに「いかに大舞台で勝つか」を基準にして欲しい。2010年と2014年、どちらがより多くの喜びをもたらしたかを考えればすぐに分かりそうなものだし、2010年のサッカーも意思統一された組織の美はあったと思うのだが。大体その南ア大会で優勝したスペインは緒戦で敗れながらその後しぶとく1-0の試合を続けた末のタイトルだったし、前回のドイツもブラジル戦7-1とか攻撃の華々しさだけで無くSBに本来CBのムスタフィやヘーヴェデスを置いて守備を安定させたのが勝因と思っている。前回で言えば日本が直前の親善試合で破った(3-2)コスタリカも、その試合の反省から守備をテコ入れし、その結果がイタリア、イングランドウルグアイとの組を突破した末のベスト8。
 そういう中での選考なので、優先されるのは守備力、高さ、強さといった要素なのではないかと。本番まであと3試合予定されているが、おそらく8年前の様にそこでもあまり結果はパッとしないままだろうと思う。全ては直前の準備次第。それが上手くいく事を願うしかない。

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と書いたのだが、これが全部白紙になる訳だ。2トップ採用なら岡崎復帰の可能性は十分あるし、これで香川もエントリーされたら上のメンバーから2人は外れる事になる。ここまで書いてまた虚しくなってくるが、だからといってどこかのライターの様に負けを願ったりはしない。「将来の為にここで負けた方がいい」なんてのは戯言で、親善試合ならともかく公式戦なら目の前の試合に全てを掛けて初めて次の道が拓かれるものだと思っているので。