北九州・山口行(3日目)

 最終日は萩の城下町を観て帰るスケジュールで、周遊バスもあったが小回りの利くレンタサイクルを利用した。萩の城下町は中洲の上にあり、萩城址がその先端にあるのだが、ホテルとレンタサイクル屋のある東萩駅からは自転車で15分ほど。途中には菊ヶ浜という浜辺があったが、白浜と背後にそびえる萩城址は絵になる光景だった。朝8時過ぎと早い時間だけあってさすがに人は少なかったが、大学生?らしき男が独り浜辺に座りながら海を眺めていた。何か思うところがあったのだろうか。

 その後は萩城址にある指月公園や城下町を巡り、旧家も見学。

 自転車で走っていて気付いたが、とにかくここは維新志士の銅像が多い。目にしただけでも高杉晋作久坂玄瑞山県有朋等々。正直特に長州藩が好きという訳では無く、むしろ政治家や感化された有名人が言うところの「松陰“先生”」だとか「松下村塾の精神を今に」だとか言う発言には若干狂気すら感じられて引いてしまうのだが、歴史に名を残す人物を多数輩出したのは事実だし、日本史上重要な場所であるとは思う。

 ここまででまだ10時前で、帰りの飛行機には14時頃に萩を出れば良かったのでかなり時間が空いてしまうなと思っていた所にふと東萩駅から津和野行きのバスが出ている事を思い出した。津和野まではバスで1時間45分ほどで、帰りの萩・石見空港までは15時過ぎに出ればOKと言う事で時刻表を調べると、10:15のバスに乗れば12時には津和野に着いて十分観光できる事が分かり、昨日に続いて急遽日程変更して東萩駅に戻って自転車を返し、津和野へ。観光バスタイプの車両かと思ったら普通の路線バスタイプの車両だった。こうして山を越えて島根の小京都へ。

 津和野でも同じく自転車を借りたのだが、萩より更にコンパクトな街ですぐ回れる。途中城下町の風情を残す通りもあった。

 途中周囲の山を見上げると鳥居が連なる神社があり、太皷谷稲成神社といって日本の五大稲荷社の一つらしい。去年のGWに行った佐賀の祐徳稲荷は三大稲荷の一つだったが、その他二つあるということか。まぁ定義はそれぞれのようで、自称に因る所があるようだが。山の中腹にあるので例によって本殿まで山登り。

 本殿からは津和野の街並みを一望。

 津和野駅に戻った後は在来線で益田駅に向かい、そこからシャトルバスで空港へ。空港は海に近いのだが、離陸するとすぐ日本海の上に出て、赤潮が目立っていた。

 航路は松江付近まで本州沿いを飛び、そこから日本海に出て福井辺りで再び本州に戻り、石川、富山、長野、北関東とほぼ同緯度を通って栃木から南下して羽田に向かうルート。今までに無いルートだけに北アルプスなど窓下の景色が楽しかった。