J1第12節 横浜M×磐田(日産)


 この日は夕方から雨だったが、西日本は朝から降っていたようだし、前日に旅から帰ってきたのはタイミングが良かった。
 今日のマリノスは鹿島戦からはウーゴ→扇原に代えたのみで、2トップからこれまでの1トップに戻した。右SBはてっきり松原が戻るのかと思っていたら、山田が再びスタメンで少し驚いた。元々中盤の選手が違うポジションで試合に出るというのは特にマリノスの場合今後を考えても意味のある事だと思う。1つ上の吉尾や更に上の天野など、マリノスユースからはこれまでにテクニックに優れた攻撃的な中盤の選手が数多く昇格したり大学経由で加入しているが、攻撃的な中盤は余程の逸材で無いと試合に出れないポジションだし、この山田から見れば1つ上に吉尾がいて、1つ下には2種登録で椿という去年U17W杯に出た選手もいて競争は激しい。そういう中で違うポジションでも試合に出るのは大きな意味があるし、思わぬ才能が開花するかもしれないなと。元々中盤で右SBにコンバートというとドイツのキミッヒを連想してしまう。この選手はグァルディオラにその戦術眼を買われて右SBでプレーし始めたら一気にドイツ代表のレギュラーにまで達してしまった。さすがに代表とまでは言わないが、今までにないSBとしてのプレーに期待したい。

 まぁ試合自体は鹿島戦以前に戻ってしまった印象。序盤に遠藤が抜け出してクロス→中で合わせたシュートは磐田DFがブロックというシーンがあったが、チャンスと呼べるのはこれくらいで、後は中盤で回しているところを奪われてカウンターを浴びるシーンばかり目立った。磐田は特定の味方を狙わずマリノスのサイド裏に取り敢えずボールを蹴り込むシーンが多かったが、一度川又が金井に競り勝ってGKと1対1のシーンを作り出したし、マリノスにとって嫌なところを突いてくるという点で名波氏の準備通りの展開だったな。ボールを奪っても間髪入れずサイドに展開というのも徹底していたし、湘南戦同様、相手監督の指導力を感じさせた。実際、前半の磐田の2ゴールは中盤でボールを奪ってからの(磐田から見て)右サイドを突破して生まれたものだった。マリノスから見れば左サイドだが、やはり鹿島戦以前のように左サイドでボール回しに時間を掛けすぎている弊害が出てしまったかな。

 後半も10分過ぎにスローインから中町が田口にボールを奪われ、飯倉が前に出ていたので迷わずロングシュートを狙ってこれが決まって3点目。中町の奪われ方は確かに良くなかったが、ハーフライン付近でボールを奪われたのが即失点に直結するのもどうだか。
 その後も同じように中盤でボールを奪われて磐田のカウンターを浴びるシーンが続出したが、後半半ばにPKを得て、ウーゴが決めたものの味方がエリア内に入っていたのでやり直し、2度目はカミンスキーがセーブしたものの詰めた仲川が決めて1点返した。そして後半35分にギレルメが2枚目のイエローで退場。しかもその後感情をコントロール出来ずマリノスの選手に蹴りを入れて、退場する際もマリノスベンチ前でスタッフに掴みかかるという暴れ振りだった。おそらく最悪の場合このまま契約解除、少なくとも10試合、数ヶ月レベルの出場停止は確実。近年はすぐ動画が拡散してしまうから、こういうあからさまな暴力行為はクラブやリーグ全体のイメージダウンに繋がるので一定の商業的ステータスのあるリーグでは減っている印象で、そうした選手の居場所も無くなりつつあるとは思うが(イングランドジョーイ・バートンとか)、Jでこうしたシーンは珍しい。
 その後マリノスはボールを支配するが決定機までには至らず試合終了。やはり目指すサッカーに選手の質が追い付いてないように思う。確かにグァルディオラのチームはバイエルンもマン・Cもレベルの高いプレーを見せるが、もしブンデスやプレミアのセカンドクラスのチームを指揮したら同じサッカーを目指すだろうか。まぁ次の名古屋戦が終わればリーグの連戦は終わるので、W杯の中断までの3試合で勝点4以上は取っておきたいところ。
 
 帰りは溝の口行きのバスに上手く乗れて王将で軽く飲んでから帰宅。ここはいつも混んでいるのだが、早く帰れたお陰で並ばず行けた。