コスタリカ戦

・スタメンを見た時、当たり前だがチーム構成には監督の性格が出るものだと実感してしまった。W杯からメンバーが大きく変わるのは2006年以来で、あの時のオシムは最初に13人だけ発表して、後日追加で6名発表という前代未聞の発表方法を取ったが、それを考えてもやはり発表方法やスタメン選びにはそれぞれの色が出るものだなと。
 スタメンにGK、DF、MF、FWそれぞれ30代のベテランを置く一方で初代表を2人入れて、その堂安や南野、中島という若い選手で2列目を構成するというバランス感覚。また会場が吹田だったからか東口、三浦、堂安の新旧ガンバ勢も揃ってスタメンだった。結果も出す、新しい選手も試す、同時に親善試合らしい興行的要素(メディア受け)も忘れない、そのギリギリの折衷点を追求したメンバーとでも言うか。
 そしてこのバランス感覚によって(+若い選手が活躍した事によって)、代表は“4年後に向けて期待を抱かせる新しく、若いチーム”というイメージを得る事が出来た。スタメンに30代が4人というのはベルギー戦(川島、長友、長谷部、乾)と同じ。20歳の選手もいたとは言えイメージほど若いチームでは無かったのだが、試合後に印象に残っているのは中島、南野、堂安ら24歳以下の選手達のプレー。緒戦からこういう深謀遠慮を見せられて脱帽する他ないが、どうか無理せずお身体を大事にと言いたくなる。

・12年前も初代表の選手が何人も出たが、当時と違うのは若い選手、初代表の選手ですら既に海外でプレーしているという事だな。スタメンだけで堂安、南野、中島、遠藤の4名いて、サブの浅野、伊藤、冨安と合わせれば7名も。堂安はJ1でレギュラーとしてプレーしたのは実質半シーズンだし、伊藤はJ1どころかトップ昇格前のユース所属の時点でドイツに渡った。もう本当の逸材はJ1で長くても1年半くらいプレーすれば欧州からオファーが来て移籍してしまう時代なのを痛感する。そして同時に伸びる選手は一気に台頭するものだとも。堂安のJ1最後のゴールを観たのは去年の4月だったが、当時はまだ将来有望な若い選手の一人だったのに、今日は代表デビュー戦とは思えない堂々としたプレーだった。

・今後は新しい選手を試しつつ、W杯組の中堅、ベテランも少しづつ呼び戻してチームに融合させていくのだろう。酒井宏樹、大迫、吉田、久保辺り。もしかしたらアジアカップは長友も呼ぶかもしれない。オシムの時も最初はジェフ組を中心に呼んで戦術を浸透させ、翌年夏のアジアカップ前に満を持して中村俊、高原を呼び戻した。ただ今回は年明けすぐにアジアカップなので呼び戻すにしても11月の試合には呼んでおかないといけないが。

・青山は年齢的には勿論、プレーもベテランらしい落ち着きがあったが、代表戦は今日でまだ9試合目。ただ代表に呼ばれるのはブラジルW杯、ハリルの緒戦、そして今回と節目のタイミングであることが多い。ロシアW杯も直前合宿に呼ばれていたので怪我が無ければ大島か遠藤に代わってエントリーされてたかもしれない。新監督が広島で指導を受けた森保氏であるからこその招集でありキャプテン就任だとは思うが、それを含めて不思議な巡り合わせの良さがある選手。

 10/16のウルグアイ戦に行きたくなるような試合だった。来月は今回呼べなかった選手、呼んでも試合に出せなかった選手を起用するのだと思うが、HSVの伊藤はどんなプレーヤーなのかこの目で見てみたい。