岩手行(初日)

 いつもの様に長期休暇中の旅は未踏スタジアム制覇を優先して行き先を決めるのだが、今年のGW期間中の試合開催地で行ったことが無いのは金沢、鹿児島などここ1~2年で観光したことのある都市ばかりでまた行くのもなぁと思っていると、J3グルージャ盛岡の試合が目に止った。岩手自体は2013年夏以来だが、当時は夕方に盛岡に着いて翌朝に出発するだけの短期の滞在だったので観光したことは無く、今回はここに決定。
 
 初日はまず三陸方面に向かった。新幹線で二戸駅、そこからバスで海沿いの久慈に向かう。東京を出たのは例によって朝6時半と早く、久慈に着いたのは10時半頃。着いて知ったのだが久慈は某朝ドラの舞台の街だった(このドラマの主役はこの後岩手県内各地で目にすることになる)。ここから先日全線開通した三陸鉄道リアス線に乗るという選択肢もあったが、各拠点間の移動時間が読めないので自分の旅では珍しくレンタカーを利用することにした。久慈から海沿いに南下して翌日に宮古で返却する、という行程。ただこの日の三陸地方は天気こそ良かったもののとにかく風が強く、運転には気を付けた。東京でも突風が吹く日はあるが、悪天候でも無いのに常に強風が吹き荒れるのはあまり経験が無い。
 まずは40kmほど南にある北山崎を目指した。ここは数年前にJR東の観光キャンペーンにも使われて、駅でポスターを見て一度行ってみたいと思っていた場所。久慈からは海沿いの道を走るシンプルなルートだったが、途中何度も津波浸水地点を示す標識や巨大な堤防の建設現場を目にした。リアス式海岸だけにこのような入り江は無数にあるのだが、その数だけこうして新たな堤防が築かれている。震災から8年が過ぎたが、その痕跡はまだ生々しく、復興は未だ途上にあることを実感させられた。

 北山崎に着くと何軒か定食屋もあったのでそこで海鮮丼を食べて展望台へ。↓の様な断崖絶壁が連なる見事な景色を楽しむことが出来る。

 この景色も見事だったが、大海原の青さもまた印象深い。吸い込まれそうな一面の青。

 北山崎には幾つか展望台があって、2つ目の展望台を目指したら起伏のある階段が300段以上続いて結構消耗したので駐車場に戻った後少し休憩し、龍泉洞に向かった。

 龍泉洞は少し内陸に入った所にあるが、北山崎からは山を越えて30kmほど。さすが有名観光地だけあって団体客始め人が多く、入場券売り場でも結構並んだ。

 長い年月をかけて作り出された奇岩も勿論あったが、洞窟そのものよりもライトアップされた美しさが目を引く場所ではあったな。洞内でも途中で行列が出来るほどだったが、気温が低く暑さと強風で消耗した中でいい休息になった。

 ここからは今日の宿泊地である宮古を目指す。途中龍泉洞を出て5~6kmほどの場所にある道の駅で土産を買い、沿岸部に戻ってひたすら南下する。途中三陸北縦貫道路という専用道が部分開通しており、殆ど信号に捕まらず宮古に着いた。最初は宿に直接行こうかと思ったが、宮古市街から少し離れているので途中で翌日行くつもりだった浄土ヶ浜に寄った。

 丁度夕暮れ時で一日の終わりを感じさせる良い雰囲気。ただ駐車場は山の上にあり、ここでも浜まで階段を上り下りする羽目になったが。その後宿にチェックインし、夕食も食べて初日が過ぎ・・・たのではなく、22時過ぎに車で再び浄土ヶ浜に向かった。丁度今は新月の時期で雲も無かったので綺麗な星空が見えるのを期待して。夜明けの時間とどちらにするか迷ったが、疲れで寝たら4時前には起きられないだろうなと思ってこの時間に。実際生まれて初めて満天の星空というものを目にすることが出来たのだが、昼からの風は止むこと無く吹き続いており、あまり長居せずホテルに戻った。またスマホでも設定によってそれなりな星空は撮れるのだが、自分のスマホカメラが少し前にアップデートした影響からかシャッタースピードの上限が短くなっており、大した写真は撮れず。こうして初日が終了。