出場・招集記録から当時を回顧する(西野時代)

 前回で最後と書いたが、よく考えたら前任は西野氏であってここまで書くべきだった。Aマッチ7試合で招集も27名のみなので、今回は切り口を変えて非公表となった予備登録35人の内、未招集8名は誰だったのか推測してみたい。

・期間:2018年4月~2018年6月
・勝敗:7試合2勝1分4敗(Aマッチ)
・招集:27名

まずロシアW杯本大会メンバー23名は下記の通り。

GK川島、東口、中村
DF吉田、昌子、槙野、植田、長友、酒井宏、酒井高、
MF柴崎、長谷部、山口、遠藤航、大島、香川、原口、乾、本田、宇佐美
FW大迫、岡崎、武藤

そして西野氏の緒戦にして本大会メンバー発表前最後の5/30ガーナ戦に招集されたのはこの23名に加えて以下の4名。この試合の後で本大会メンバーが発表されるが、井手口、浅野はそのまま欧州まで帯同した。背番号からも分かるように、リオ世代の3人はガーナ戦の時点で24番目以降という位置付けで本大会メンバー入りは厳しかったのではないかと思う。因みに24番は植田で本大会では2(ガーナ戦では遠藤が2でその後本大会では6を付けた。ガーナ戦の6番は恐らく負傷離脱した青山か)を付けたが、守備陣で唯一本大会での出場機会が無かったことからも恐らく23番目のメンバー入りだったんだろうなと。

MF6?青山、26三竿、27井手口
FW25浅野
※青山は負傷離脱

 そして非公表の8名だが、まず手掛かりとして5/16付の日刊スポーツ記事で、予備登録35名中海外組が19名という報道があった。*1
これによると上記以外では他に久保裕也中島翔哉がいて、実際久保はガーナ戦ではクラブとの日程調整が付かず招集が見送られたとの報道もあったし、予選での活躍を考えれば35人枠には入っていただろう。
 残り6名は国内組ということになるが、まずは監督コメントという明確なエビデンスのあるものから見ていくと、ガーナ戦発表会見にて負傷により外さざるを得なかったメンバーが明かされている。今野泰幸小林悠の2名*2。特に小林は発表当日の朝に負傷の連絡が来たとのことで、ガーナ戦は28名招集になっていた可能性もあった。
またナンバーの記事によると森重真人も入っていたらしい*3。直近では代表を外れることが多かったが、ブラジル大会メンバーで、長く代表でもレギュラーCBだっただけにその経験が買われたのだろう。これで32名は一応エビデンス付で判明したが、ここから先は招集状況等から推測していくしかない。
 監督が代わってしまったので選考の連続性があるのか不透明な部分もあるが、予選終了後からハリル最後の試合となったウクライナ戦まで、国内組で臨んだEAFF選手権を除いて6試合戦った訳だが、上記32名以外で招集されていたのは下記10名。

GK西川周作
DF車屋紳太郎三浦弦太宇賀神友弥
MF森岡亮太倉田秋小林祐希、長澤和輝
FW杉本健勇興梠慎三

 この内、小林、森岡は海外組なので先の日刊スポーツ記事から判断すれば登録外。残る8名から3名となるが、まず考えられるのはGK西川かな。恐らく35名枠ではGKは4名と思うので、ハリル時代の2015~16年頃は正GKも務めたこの選手が入っていただろうなと。
 次に考えられるのはSB車屋。全6試合に招集されており、通常各ポジション2名選ぶことを考えれば長友、W酒井に続く4人目のSB候補となっていたと考える。結局本大会はSB3人体制となったが、3人とも両サイド対応可能で槙野、植田をサイドに回すことも出来るので、その分中盤など他のポジションを厚くしたいという意向があったかもしれない。
 残り1名は攻撃陣からということで倉田か杉本のどちらかだったと思う。倉田は18年3月は未招集ながら17年10月のNZ、ハイチ戦で連続ゴール、杉本は全6試合に招集され5試合で1ゴール。倉田に関してはハリル時代の中盤3枚で活きるタイプなのでWボランチに2列目3人の西野氏が選んでいたかどうかは微妙なところで、当時は大迫に続くCFとして期待されていた杉本だったかなと。

 以上まとめるとロシア大会の予備登録の内、本大会に選ばれなかった12名(青字は私の推測)はこのようになる。

GK西川
DF今野、森重、車屋
MF三竿、井手口、青山、中島
FW浅野、小林、久保、杉本

改めて顔触れ見ても経験重視の選考だった。23名中8名が30代なのは過去の日本のW杯で最多。前回も書いたが本大会にエントリーされたリオ世代は出場機会が無かったし、活躍したメンバーを思い返すと酒井宏樹、柴崎、原口、大迫らロンドン世代、それも本大会メンバーから落選した選手が多かった。こういう「五輪の2年後のW杯では不完全燃焼、6年後のW杯で花開く」というパターンはアテネ世代(ドイツW杯では選考2名のみ→南アW杯で闘莉王、駒野、今野、阿部、松井、大久保らが活躍)に似ているし、リオ世代も今(2021年時点)遠藤航、南野、鎌田、伊東らが代表常連になっているのを見ると、カタールで活躍する予感もある。まぁ30代が8人いて、しかも明確に代表引退したのは長谷部1人という中で引き継いだことを考えれば、森保氏は吉田、長友、川島ら大ベテランの経験を活かしつつ、中堅のリオ世代を中核に据え、東京世代も積極的にA代表で試すという難しいミッションによく対応していると思う。ロシア大会のメンバーを振り返ってそんな感想を持った。

出場・招集記録から当時を回顧する(ハリルホジッチ時代)

 このblogは観戦記を書いておけば少なくとも月に一度は更新するだろうという目論見で15年以上続いてきた訳だが、気が付けば前回の更新(観戦)から約1ヶ月が過ぎてしまった。今月は今週、来週だけでも8/21マリノス×仙台@三ツ沢、8/28マリノス×鹿島@日産と試合は結構あるのだが、例によってチケ取りに出遅れて完売。同じ理由で今年の2月はblog開設以来始めて更新の無い月になってしまったので、今回は観戦記以外で更新を繋ぐ(笑)
 去年のJの中断期の更新ネタとしてオフト以降の代表監督を招集メンバーを中心に振り返っていたのだが、その最後(最新)としてハリルホジッチを振り返る。思えば解任されてから早3年か。

・期間:2015年3月~2018年4月
・勝敗:38試合21勝9分8敗(Aマッチ)
・招集:76名(試合出場69名、ベンチ入りのみ6名、その他招集されるも負傷辞退した西大伍も含む)
 ※他に予備登録やバックアップメンバー登録のいずれか、あるいは両方というメンバーが36名)

・ハリルの緒戦は15年3月のチュニジア戦だが、アギーレ時代のメンバーを中心に、それ以外だと槙野智章永井謙佑山口螢川又堅碁藤春廣輝青山敏弘宇佐美貴史興梠慎三の8名(興梠は代表辞退、赤字は代表デビュー)。10代半ばから注目されていた宇佐美は22歳にしてついに代表デビューとなった訳だが、2試合目のウズベキスタン戦(3/31)で初ゴールも決めた。当時は14年にガンバの3冠に貢献して点取り屋として覚醒しつつあった頃だし、本田、香川に続く攻撃の核がようやく現れたかという期待はあったな。その後も途中出場が多いながらも定期的に出場機会は与えられており、ハリルの期待も高かったんだろうと思う。ただ16年夏にブンデスに移籍し出場機会が減ると共に代表でも出番を失ってしまった。

・ハリル時代はトルシエオシム時代のように候補合宿が増え、試合によっては招集メンバー以外のバックアップメンバーも公表されていたのがそれまでに無いスタイルだった。アギーレの項で書いたように当時は世代交代に本格的に取り組まねばならなくなった時期で、本田、長友らの世代が30代を迎えつつもリオ世代の突き上げは弱く、中堅世代含め少しでも気になるタレントがいれば逃さずチェックしたかったのだろうなと。ブルガリアでプレーしていた加藤恒平の招集には驚いたが、これもそれだけタレントを探していた証ではないかと思う。

・サッカースタイルとしては縦への速さが重視され、メンバーも原口浅野らスピードのあるドリブラータイプが重用された。一方で柏木大島といった司令塔タイプも試してもいたが、これはポゼッションの中心というより、前線を走る味方にパス1本でチャンスメイク出来る存在を探していたのかなと。大島などは代表デビューが最終予選緒戦のUAE戦(16年9月)という大抜擢だったが、この試合での敗戦以降起用されなくなり、次に出場するのは翌年末のEAFF選手権。

・ハリル時代のベストゲームと言えばW杯出場を決めた17年8月の豪州戦@埼スタ。この試合では原口がサブで乾をスタメン起用というのが意外だったが、これが絶妙に機能して豪州に完勝。過去W杯出場を決めた試合では最も安心して観ていられた。これは持論なのだが、サッカーでは監督の志向に沿った選手を11人出すより、異なるタイプを1~2人入れた方が機能することがある。ポゼッション志向なら運動量やフィジカルに強みのある選手、また縦に速いサッカーならキープ力があり間合いを作れるタイプ。この試合はまさにそんな試合だった。ポステコグルー率いる豪州がポゼッション志向でそれまでの恐さが消えていたのも大きかったとは思うが。

・予選突破後はホームでNZに○2-1、ハイチに△3-3、欧州遠征でブラジル、ベルギーに連敗、17年末のEAFF選手権でホームで韓国に完敗と低調な試合が続き、年が明けてもそれは変わらず、18年3月の欧州遠征でマリに△1-1、ウクライナに●1-2という結果が最後となってしまった。因みにウクライナ戦は相手のサッカーが素晴らしく、その後EURO2020予選を突破したのも納得。この遠征では中島翔哉宇賀神友弥が代表デビューしたのだが、左SBの宇賀神は右で出場。当時のSBは長友、酒井宏樹酒井高徳が確定で出来ればあと1人欲しいという状況で、車屋紳太郎もテストされていたが、SB探しの一環であると同時に、人材不足という状況も表していたと思う。

・最後の解任だが、真相は関係者しか分からないのを前提として、W杯後というタイミングでは無く、前任者の予想外の退任で急遽探さざるを得なかった部分は影響したのかなとは思う。しかも日本に来たのは前協会会長時代、更に言えば当時の責任者原さん、霜田さんは協会を去って、コミュニケーションで間を繋ぐ人がいなくなってしまった。T嶋会長は「(解任は)最後は自分で決めた」とは言っていたが、それは協会トップとして最終承認したという意味であって、主導したのは別にいる(1人とは限らない)と今でも思っている。ロシアの初戦で勝った後涙ぐんでいたという記事があったが(同席したスポーツ庁鈴木長官の発言)、自分で解任を主導してW杯初戦で勝ったらむしろ満面の笑みでガッツポーズの1つくらい見せそうなもの。会長自身も誰かに最後押し切られての決断だったのかなと。まぁ後20年位したら真相が分かるかもしれないが。

・ただあの解任は日本にいる、ある種の人々を炙り出した面はあったな。直前に解任することの(チーム作りなど)スポーツ面での影響を懸念しての批判なら分かるが(自分としては“今解任して大丈夫なのかよ”とは思いつつ、どう突貫工事でチームを作るのかちょっと楽しみな思いがやや勝る、という感じ)、日本サッカーそのものを否定するような論説には正直閉口した。言うなれば歳と経験を重ねたトルシエのような、喜怒哀楽の激しい、面倒くさいが憎めないというとても人間臭いキャラだったハリルが、いつの間にか「正しい教えを布教する気高い心を持って異国に来たものの現地の(未開な)異教の民に討たれ列聖された宣教師」の様に祭り上げられ、それと反比例して協会や日本サッカーそのものが悪しき風習に囚われた未開の蛮族として扱われる、そんな風潮。そんな人々にとってハリルの解任はまさしく殉教に等しかったのだろう。欧州のトレンド(と彼らが考えるサッカー)と少しでも異なる振る舞いをすることが本当に我慢ならないんだなと呆れたのはよく覚えている。結局日本と欧州(世界)という単純な世界観でしか捉えられないことが問題であって、世界には様々な国があり、それぞれに独自の気候、風習、そしてそれに基づいたサッカーがあるという事実に少しでも気が付けば、あんな自意識過剰な反応はしないはずなのだが。

・ハリルがそのまま指揮を執っていたらというifだが、何とも言えない。予選後の試合が低調だったのは事実だが、本大会に向けて敢えてコンディションを落としていた、対戦国の目を欺くためのカモフラージュだったのかもしれない。南アW杯の前も低調振りはそう変わらなかった。また予選突破を決めた豪州戦然り、本大会では相手を徹底分析して弱みを突く戦いが功を奏したかもしれない。メンバー選考に関しては井手口陽介久保裕也浅野中島といったリオ組にとってはこの監督交代が逆風になってしまった。まぁ井手口は欧州で出場機会が減り厳しい状況ではあったが、ハリルの志向する強度と縦へのスピードを体現するメンバーにとっては厳しかった。まぁロシアに行ったリオ世代(遠藤航、大島、植田、中村航輔)も出場時間0だったけど。

 3年前とは言え前任であり、ある意味今にも影響を与えているとも言える。いつまでも引き摺るのもどうかと思っているのだが、恐らく一部の人にとっては今の協会の体制が刷新されない限り変わることはないんだろうな。それが良いかはともかくとして。

東京五輪女子サッカーGL オランダ×ブラジル(宮城スタジアム)


宮城スタジアム
 今回はチケ1枚で2試合観戦出来るのだが、第2試合まで1時間空くので買い物がてらスタジアム内を歩いてみた。今回はメインスタンド上層席なのだが、ピッチ全体を俯瞰する点では悪くない。まぁこれは日産スタジアムも同じ。一方で上層階へは短い階段を螺旋状に3回転くらいしないといけないので長く感じた。
 またメインスタンドのコンコースは他のスタジアム同様に平面なのだが、バクスタではスタンド上部に沿うようにコンコースも坂道になっており、しかも屋根が一部無いので雨の日は難儀しそうな作りだった。このスタジアムで雨というとあのトルコ戦を思い出してしまうが・・。

バクスタ側コンコース

その他意外だったのは座席にカップホルダーが無かったこと。日産然り、日韓W杯開催地は球技としての見やすさはともかく、少なくとも座席に関してはカップホルダーは標準装備と思っていた。
 売店に関してはこういう国際大会なので普段のJのスタグルレベルは期待してはいけないのは理解しつつ、内容的にはかつての国立を思い起こさせるラインナップ。

フードメニュー

 牛タン弁当と唐揚げを買ったのだが、席に戻る途中唐揚げを手に持つ自分を見た人に「それどこで買えますか?」と食い気味に質問されるなど、売店によって扱う品が異なるので多くの人がコンコース内を巡っていた印象。因みに売店スタッフのIDカードを見たら「所属:ベガルタ仙台」という人が何人かいたので、地元開催の五輪で派遣されたという人も多いのだろう。その他スタンドには代表ユニだけでなくベガルタモンテディオのユニを着た人がいて、これも宮城開催ならでは。そうそう席に座って試合を待っている時に、すぐ近くで爺さんがボランティアの若い兄ちゃんに「サッカーで一番良い席てどこ?」というような質問をしていたのだが、そのボランティア君は「自分は普段こういう場所(メイン2階)では見ないんですけど・・選手に近い場所が良いという人もいればピッチ全体観れるのが良いという人もいて一概に言えないです」と答え、その見事な回答に拍手したくなったと共に、彼は普段どこかのチーム(ベガルタ?)のゴール裏民なのかなと思ったりもした笑。彼に限らずスタジアム内外にボランティアスタッフは数多く、皆笑顔で親切な対応だった。

■試合
こうして第2試合が始まったのだが、最初の数分で第1試合とのレベルの違いが分かる展開。世界ランクとしてはオランダが4位、ブラジルが7位だが内容はほぼ互角。どちらも一定以上の技術、フィジカル、戦術を備え、ゴールは相手の技術的な稚拙さではなく意図通りに崩して奪った形が多かった。なでしこがW杯で優勝して早10年が経ったが、この10年で女子サッカーは男子のそれと益々近付いている印象がある。オランダはウイングの7番と11番が仕掛けることで攻撃が始まり、中央で9番がフィニッシュに絡むという絵に描いたようなオランダサッカー。このオランダもそうだが欧州勢の台頭もまた感じる。10年前、なでしこにとって同格以上と呼べる欧州勢はドイツやスウェーデンノルウェーなど北欧勢くらいだったが、このオランダやイングランドなど男子の強豪が女子でも台頭している。オランダは2011年W杯は欧州予選敗退、15年は日本に決勝T1回戦で敗れたが、17年に欧州選手権優勝、19年W杯では決勝T1回戦で日本にリベンジしての準優勝と確実に力を付けている。
 その原因としてはやはり欧州で女子サッカーへの投資が格段に増えたというのはあるだろうな。クラブサッカーもリヨンやドイツ勢がタイトルを独占してきた中で、プレミアやリーガで女子リーグが整備、改革され、今年の女子CL決勝カードはバルサチェルシーだった(バルサが優勝)。特に資金力のあるプレミアのクラブが女子サッカーにも投資するようになったのは大きい。
 試合は点の取り合いでブラジルが一度は3-2と逆転するも、オランダも終盤に直接FKを決めて追い付くなど面白い展開だった。試合後はシャトルバスで仙台駅に戻り、ホテルへ。

■翌日
 次の日はベタに松島に行くことにした。仙台駅から電車に乗ると最寄の松島海岸駅の手前までしか行かない列車だったので本塩釜駅で下車し、塩釜から船で松島に行くルートに変更。約40分の船旅。

 松島に着いた後は瑞巌寺、五大堂など巡って御朱印も拝領し、

瑞巌寺

 12時過ぎには仙台駅に戻って最後は寿司を食って新幹線に乗車。良き旅だった。

東京五輪女子サッカーGL 中国×ザンビア(宮城スタジアム)


■東北行
 思えばチケが当選したのは19年6月だった。とにかく日韓W杯会場で唯一未踏であるこのスタジアムに行くべく申し込んだら1つ当選した訳だが、2020年はまさかの1年延期、今年も首都圏の他北海道、福島で無観客が決まる中で気が気では無かったが、宮城ではどうにか有観客が維持されて観戦出来る運びとなった。
 JALのセールで羽田-青森便が格安だったので、7/23に青森に飛んで三内丸山遺跡青森駅周辺を散策してその日の夜に仙台に入り、今日はまず女川に向かった。ここはコバルトーレ女川のスタジアムが建設中とのことで、どういうものか見ておきたいなと。まぁ仙台市内、松島など主な観光地は既に何度も行ってるのでどこか未踏の地へという思いもあった。仙台からJRで約2時間で女川駅着。スタジアムは駅から早歩きで10分ほどの場所にある。

女川スタジアム(遠景)
女川スタジアム(入口)

まだ完成では無いようで、建屋には近付けなかったが、外観を見る限りピッチを含めほぼ完成しているようだった。調べると9月に柿落としらしい。GWに行った宮崎もそうだったが、近年こうしたJ3クラスの5000人規模のスタジアムが各地で建設されている。出来れば各都道府県に2ないし3つ、特に23区内にこうしたスタジアムがあれば良いのだが。
 その後は駅前(海が近い)に出て早いランチをば。

女川丼

 その後は途中下車して鹽竈神社に参拝しつつ仙台に戻り、宿にチェックインした後休む間もなく仙台駅からスタジアムまで行くシャトルバス乗り場へ。

表参道の階段 夏場に上るのはキツい

■試合
 と言う訳でついに宮城スタジアムに到達。いつからか“少なくとも日韓W杯の日本会場は制覇しよう”と思いつつもこのスタジアムはベガルタすら近年は使わず、代表戦も数年に一度、それも平日という中で五輪は千載一遇だった訳だが紆余曲折の末、やっと辿り着けた。
 今回はチケ1枚で2試合観戦出来るのだが、17時からは緒戦敗れたチーム同士の対戦。全体的にサッカーをしているのは中国ではあったが、ザンビアの前線の破壊力はかなりのものだった。特に左サイド起点に仕掛ける11番のバンダという選手はオーバメヤンあるいはアンリかっていう位の無双振りでハットトリック。逆に言えば前線に破壊力がある分、後ろのお留守ぶりが際立つ形になったのだが・・。中国が前半で3-1でリードしつつも後半にザンビアが巻き返して4-3と逆転、しかし終盤に中国がPKを得て4-4と最後まで分からない展開だった。
 スタンドはどちらかと言えばザンビア寄りだったかな。正直このスタジアムに行くのが目的で試合そのものはあまり考慮してなかったのだが、第1試合から良い試合を見せて貰った。ただ中国と言えばかつてはアジアの女子サッカーを牽引する存在だっただけに、今のチームは特に特長の無い中途半端さを感じたのも事実だった。一応アジアでトップ3に入るであろう女子の代表チームがこれなのはちょっとマズいんじゃね、という。中国女子はかつては世界トップレベルでもあった訳で。
 結果は4-4で終了。この時は分からなかったが、なでしこのGL突破に向けては最良の結果になった。

久里浜~鎌倉

 観戦記が続いているのでたまには違うネタを(笑)最近は凡そ2週置きの観戦ペースになっており、今週末も行けそうな試合をチェックはしたが、三ツ沢の横浜FC×FC東京は雨予報の為断念。マリノス戦も日曜開催だったりチケが取れなかったりで最後に行ったのは1ヶ月前のアウェイ鹿島戦、ホームになると4/24横浜FCまで遡ってしまう。とは言え家に籠ってばかりもいられないのでどこか近隣を散歩でもしようかと考えていた時に、ふと久里浜の新練習場のことを思い出した。発表されて3年が経過したが、22年オープンという話だったのでそろそろ形が見えてくる時期かなと。

 久里浜へは横浜から京急に乗り換えたが、快特で34分と思ったより時間は掛からなかった。ただ場所は駅近くの線路沿いなのだが、京急久里浜やJR久里浜の出口からは線路を挟んで反対側にあり、↓の様に少し歩く。JRからだと1.2kmとあるが、京急からだと1kmほどか。

JR久里浜~新練習場アクセス

 着くとまだ地盤整備中?の様でそれらしき形は見えなかった。竣工は来年9月と1年以上先で、建てるのはクラブハウスぐらいで後はグランド整備だろうから、今形が見えないのも当然か。

 見終わった後、帰りはJRを選択。最後に駅から新練習場を望む。丁度青い屋根の工場の前から線路に沿うように練習場が作られる。

 久里浜に行ったのは10年以上前に飲んだ後横須賀線で寝過ごして運ばれて以来(確か駅からタクシーで帰った記憶)なのだが、路線図を見ると途中鎌倉を通ることに気付き、折角なので途中下車することにした。
 鎌倉に行くなら北鎌倉で降りて円覚寺建長寺、今なら明月院などを巡りつつ鎌倉から江ノ電で江の島方面へというのが個人的な定番コースだが、既に16時過ぎだったので八幡宮を参拝するに留めた。雨の八幡宮もなかなかいとをかし。

鶴岡八幡宮

 土産に鎌倉ビールを買って帰宅。来週の鳥栖戦も行けないし、密かに狙ってた6/27アウェイ徳島戦も行けなくなったので次のマリノス戦は早くて来月、それを逃したら五輪後の8月か。秋以降はまたアウェイに行けると良いのだが。

ルヴァン杯PO第1戦 FC東京×湘南(駒沢)


 駒沢でサッカーを観るのは実に2009年の大晦日以来。毎年冬の選手権を観に行く時に候補にしつつも結局三ツ沢や等々力中心になってしまう中で、いつの間にか10年以上経ってしまっていた。そしてここでプロの試合を観るのは初めて。それがこの試合に行った最大の理由だったのだが、コロナ禍とは言え休日を思い思いに過ごす人々が行き交う広い公園内のスタジアムというのはやはり良いな。10年前と目に見えて違うのは映像装置のカラー化(静止画のみで動画は流れず)とトラックが青になったことか。

 A代表、U24で東京は小川、田川、湘南は谷が不在だったが、前半は東京がやや押し気味も、良い形でボールを奪ってもラストパスが通らずシュートに至らないシーンが目立った。今日はバクスタにいたのだが、前半は目の前で東京の左SBバングーナガンデと湘南の右SH畑の同世代マッチアップが面白かった。前半は畑のアグレッシブさが少し勝っていたかな。湘南の試合を観る度に書いているが、このチーム、特にサイドのポジションは運動量、攻守の切り替えなど、どのチームでも必要とされ、プロで食ってく為に必要な要素を学ぶことが出来る。畑は2年前のU17W杯メンバーだが、1列後ろの田中も同様。上背は無い中で3バックの左として粘り強い守備と、何より落ち着いた正確なフィードが印象的。
 後半、湘南は左SHの毛利が岡本に替わり、畑とポジションを入れ替えたのだが、後半半ば頃にその右サイドの岡本のクロスから同じく途中出場のウェリントンが中央で合わせて先制。この選手もかつてのマルキーニョスみたいに複数のJクラブを渡り歩いているストライカーだけど改めて経歴を見たら20歳ぐらいの頃にホッフェンハイムやトゥエンテにいたことを知った。
 東京としては三田、東、レアンドロといった攻撃陣を投入した後の失点だったが、その後は湘南を押し込む展開が続いた。エリア外中央からのミドルもあったが(GK富居がセーブ)、エリア内にいいパスが入ってシュートという場面(2~3回)はいずれもDFがよく対応してブロック。こういう場面でしっかり相手に付いて身体を投げ出せるのはさすがという他無い。終盤は引いて守る湘南に東京はパスの出し所が無くなり後ろに下げる場面もあるなど、決め手を欠き、1-0で湘南の勝利。アウェイで無失点勝利というのは大きいが、最少得点だけにまだ分からない。
 ただ、観ていて1つのサイクルの終焉のようなものは感じた試合でもあった。東京のサッカーは(特に前は)個の力に依存する部分が大きいが、ディエゴ、アダイウトンレアンドロ、永井といったタレントを揃えてもそれが結果に比例しないもどかしさ。どうも長谷川監督のガンバ時代と重なる部分も多い(就任2年目をピークに徐々に成績を落とす)ように感じるが・・。そんな中で右SBでスタメンだった岡庭(アカデミー出身で明大在学中の特別指定選手、来季加入内定)はオーバーラップやサイドチェンジなどダイナミックなプレーでチームを活性化していたかな。しかし長友以来、明大→FC東京のSBは他に室屋、中村帆高などブランド化している感もある笑。

 試合後は桜新町で神社巡りをしつつ二子玉川まで出て帰宅。

J2第16節 大宮×千葉(NACK5)


 最近の首都圏開催の試合は5000人限定でJ1だとチケは即完売してしまう。マリノス戦なら先行で買えるのだが、どうも長年の年チケ生活に慣れたせいか、気付いたら先行発売日を過ぎて完売になっている事が多い。味スタ、等々力の一般発売時も然り。また年チケならともかく出来れば今は日曜より土曜に観戦したいなと思っているところに今週土曜に大宮×千葉というカード。発売日には買えなかったが、その後リセールでゲット出来て久々のナクスタへ。
 ここに来るのは2年前の選手権以来だが、大宮戦だと4年振り。また千葉の試合を観るのも久々だなと思ったら実に2013年以来8年振りだった。そんなに経っていたとは・・。J2というのもあるが、フクアリはたまにフラッと観に行こうというには距離があるんだよな。物理的には大宮も大して変わらないが、東京駅での京葉線の乗換などを含めた心理的な遠さ。

 試合前に北浦和で途中下車してローストチキンコオロギで今夜のつまみ用の手羽先を買い、大宮駅から歩いてスタジアムへ。大宮は降格圏に低迷して岩瀬監督を解任して元なでしこの佐々木氏が暫定監督となり、千葉も中位と波に乗り切れない。マリノス戦以外の試合に行くと元マリノスの選手が目に付いてしまうのだが、大宮は三門雄大がスタメン(試合前にはJ通算350試合出場で表彰されていた)、千葉は新井一耀、鈴木椋大がサブ。しかし彼らがマリノスに在籍していたのは2015~17年頃なのだが、監督はともかくその時からあまりに選手やサッカーが変わって遠い昔の様に感じる。

 試合は序盤からお互い球際が激しい展開だったが、監督就任緒戦の大宮よりは千葉の方が相手ゴールに近付くシーンは多かったかな。大宮は1トップのハスキッチが前線でボールを収めるのだが、それがなかなか良い形に繋がらず。このハスキッチという選手はボスニア人なのだが、遠目には一昨年まで在籍したファンマそっくり。後釜として獲ったにしても容姿まで似てるとは笑。
 前半終了間際に見木が右サイドのグラウンダーのクロスをファーサイドで合わせて先制し、後半も早々にサウダーニャが決めて千葉が2-0。このサウダーニャという選手は少し前からtwitterのTLに名前が出ていてかなり個性の強い選手という情報はあったが、個で打開できるスキルやゴール後にピッチ脇の控え選手達と喜んだ時の笑顔、後は痛がるシーンの多さ(笑)も含め、サポに愛される要素を備えた選手という印象を受けた。敢えて言うならより若く遊び心と愛嬌のあるマルティノスという感じ。
 2-0とリードした千葉はあまりリスクを冒さなかったのもあって試合は落ち着いたが、大宮が押していたと言えるのはラスト10分くらいか。試合を通して大宮の決定機は2回くらいで、新監督の初戦とは言えなかなか厳しい内容だった。ただ両チームのスタメンを見比べると千葉には鈴木大輔安田理大田口泰士といったJ1で主力を張り、タイトル獲得経験もあるようなベテラン(鈴木、安田は海外経験もある)が多いのに対して大宮は三門、馬渡和彰、翁長聖、河本裕之などのJ1経験者はいるものの、その点で差はあったようにも思う。
 千葉も↑写真のようにサポも結構来ていたが、昇格圏まで勝点10差(消化試合数は千葉が1試合多い)とは言え、42試合中15~6試合消化したに過ぎず、まだチャンスはある。ただ全てはサウダーニャが良い方に爆発するかどうか、という気もした。この選手が上手くハマったら見木、船山、櫻川といった他のアタッカーにも相乗効果を及ぼすようにも。

 このスタジアムはさすが専スタだけあって席(メインアウェイ寄り)から選手の声がよく聞こえてその点でも面白かった。丁度千葉ベンチの斜め後ろ辺りで、監督の尹晶煥よりもむしろコーチ(調べたところ川原GKコーチ)や通訳が積極的に声を出していてヘッドコーチの小林慶行もあまり前に出てなかったりと、ベンチワークを間近で観ることが出来たのも良かった。帰りも大宮駅まで歩き帰宅。