J1第6節 横浜M×FC東京(日産)


 新年度最初の試合。今年は3/31が木曜、4/1が金曜で目まぐるしかった。今日は19時開始だったので試合前にIKEAに寄りつつその近くにある桜の名所へ。

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桜・小川・チューリップ

あまりメディアで取り上げられることの無い穴場で、地元民中心に賑わう場所。ここともう1箇所、実家近くの桜並木は毎年外せない。

 2箇所の桜を愛で、実家に寄ってスタジアムに向かったが、今日は30周年記念試合ということでこんな展示も。
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スタグルに並んだので着席したのは開始直前だったが、前半早々に西村のヘッドでマリノスが先制。これはジャンプの高さ、滞空時間の長さが素晴らしかった。色々なことが出来る選手だなとは思っていたが、こんなプレーも出来るとは知らなかった。マリノスの前線は基本ターンオーバーで欠場する試合もあるが、このままいけばリーグで二桁取れるはず。
 ただその後は東京が前線のプレスを強め、アダイウトン、紺野の両サイド起点にチャンスメイクするシーンが多かった。特にマリノスから見て左SB永戸とCB角田の間を狙われてパスを通され、裏に抜け出されるシーンが2度ほど。ここは高丘の好セーブやシュートが枠外になったりで救われた形。そんな中でマリノスは自陣深くでボールを奪われ、それを繋がれて最後は安部に決められ同点。東京としては対マリノスとしてこの戦法だったのかもしれないが、選手の顔触れを見ても、このサッカーと親和性の高いメンバーが多いようにも思う。そのまま1-1で前半終了。
 後半は頭から水沼が右サイドに入り、開始早々にその水沼のクロスをA・ロペスが合わせてマリノスが勝ち越し。今日の水沼はクロスが常にゴールの匂いがした。というかクロスを上げるときは常にフリーで抜け出している状態だったので、そういうチーム戦術込みで素晴らしかったと言えるけど。東京は後半からアダイウトン→永井という交代で左サイドの迫力が弱まり、前半飛ばしすぎて息切れしている感もあった。そんな中で半ば過ぎに松木が2枚目のイエローで退場。これでほぼ勝負あり。
 退場した松木はやはり見れば見るほど本田に似ている。左利き、接触を厭わない負けん気や、小技よりも視野の広い展開力に強みがある点など。今日はそれが裏目に出たが、徐々にチーム内で立場を築きつつある印象。
 試合はこのまま2-1でマリノスの勝利。ベンチに水沼、レオ・セアラ、藤田、仲川を置いて途中から出せる選手層の強みは確実にあると思う。今後リーグ戦は2試合ともアウェイ、その後はACLで海外に飛んでしまうので、次のホームは5/7と1ヶ月後。4/10アウェイ鹿島戦は日曜だがシーズンを占う重要な試合という予感もあるので現在検討中。
 

カタールW杯最終予選 日本×ベトナム(埼スタ)


 今回も友人の誘いがあり、去年の豪州戦以来の予選へ。都内の事務所からでも1時間以上掛かるため、前回の様に赤羽の3rdオフィスを使うか、と思って調べると何と浦和美園の隣駅、東川口駅前に3rdオフィスが1つあったので予約。ただし仕事が詰まって昼に移動する暇が無いため朝向かうことになった。仕事で7時前に家を出たのはかなり久々。埼京線武蔵野線と乗り継いだが、乗換の武蔵浦和駅に着く頃は丁度通勤ラッシュ帯で、これもまた久しぶりだった。
 隣駅なのでこれまでの平日埼スタ行とは違う余裕をかましていたのだが、夕飯用に駅前のモスバーガーに行ったら思ったより並んでいてここで20分程掛かり、この東川口駅武蔵野線からの乗換で埼スタに向かう客が多い上に、やってくる電車は既に超満員状態でなんとか体を押し込んで乗車という有様。駅で友人と落ち合ってバスでスタジアムに向かったのだが、現地周辺は大渋滞でここでも想定以上の時間が掛かってしまった。丁度バスを降りた時にスタメン発表で、開始10分程前に着席。

 スタメンは事前に監督が公言していた通り大幅な入れ替え(9枚)だったが、GKが川島だったのは意外だった。てっきりシュミットか谷(出場なら代表デビュー)かなと。GKとCB1枚に代表歴豊富な選手を置くという監督なりのリスク管理だったか。試合後、谷は(出場可能な選手を全員ベンチ入りさせるため)FP登録だったと知ったが、同時に現時点のGKの序列は権田→川島→シュミット→谷なのも分かった。川島はW杯メンバーなら39歳と日本のW杯メンバー史上最高齢で、これはベテラン枠として第3GKで入った南アの川口(当時34歳)よりも年上になるが、ベテランとしてチームを盛り上げるだけでなく、権田のサブを務める存在ということか。
 試合は前半からあまり噛み合ってない感じで、単発で三笘や久保がサイドを突破するシーンが目立った程度。中盤3枚は総入れ替えだったが、ここだよなぁ。今日の3人は、特に旗手、原口は運動量豊富だが攻撃に特長のある選手で、レギュラーの遠藤、守田、田中碧の様な連携やプレースタイルとは別のサッカーになってしまう。柴崎もアンカーだったが本来は少し前よりの選手だし。序盤は一緒に観た友人の言を借りれば「ベトナムは活躍すればJへの移籍の可能性が生まれるので必死、日本は怪我しない様にプレー」という内容。
 そんな中でCKから普通に合わされてベトナムに先制を許す。場内のリプレイで見ると、競り負けたのは中山だったのは残念だった。最近のこの選手への期待は長友への評価が下がっている裏返しの面もあるが、そもそも全く違うタイプなのでスタメンとして出た時に自分の特長をもっと出さないといけない。守備の強さ、高さは武器だが、あくまでCBが左SBをこなしているという感じで、これで右が酒井なら相当堅いのでW杯本戦では効きそうだが、もう少し縦突破の数を増やして欲しいところ。先制された後からやっと日本も動ける様になって、こぼれを確実に拾って押し込む様になるが0-1で終了。

 後半は頭から旗手→伊東となってよりサイドを使うようになり、サイド→中央とボールを運んで、原口のシュートのこぼれを吉田麻也が押し込んで同点。あの場面でそこにいるのもそうだが、反応の速さに、ビビってプレーしてんじゃねぇぞ、という主将としてチームメイトへのメッセージを感じた。
 その後もほぼ一方的に押し込んで、VARで取り消しゴール含むチャンスが幾つもあったが、最後までゴールならず。見ていて、中央に楔を入れ、落としを後ろから走り込んでシュートというパターンが多かったがこれはチームとして狙っている形の1つなんだろうな。1-1で試合終了。

 全体的には今のチームは川崎のメンバー、プレーリズムが基本だよなと。特に後半15分頃に守田、田中碧を入れた後はピッチ上の新旧所属が谷口、山根、三笘を加えた5名となり、ボール回しのリズムがフロンターレ勢とそれ以外で微妙に異なって見えたほど。それだけに上で述べた、中盤の替えの効かなさにも繋がってくるのだと思うが。三笘は今日はフル出場した点に於いて、かなり期待されているのを感じた。サイドの本大会エントリー枠をレギュラー+サブで4とすると、伊東、南野に続く残り2枠を久保、堂安と3人で争うことになるはず。今回は堂安が招集外だったが、久保の落選も決して無くはないと思う。U24ではともかくA代表では過去の出場で惜しいシーン、瞬間的に魅せるシーンはあったが、未だノーゴールで、試合を通してチームに貢献した、というのはそれ程無い。特に今W杯は欧州のシーズンが始まった後に開催される異例の大会で、新シーズンに、例えばレアルに復帰して出番が限られたりすれば、と。まぁこれは他の欧州組全員に言えることだが。

 とあくまで試合に焦点を当てて書いたが、やはりベトナムサポについて触れない訳にはいかない。今日はアウェイエリア以外にもバクスタやホームゴール裏にまで数人1組のベトナムサポが点在していて、ゴール時は皆大きな国旗を掲げるのでよく目立っていたが、殆どは留学生もしくは移民2世、3世と思われる若い人達が多かった。男女ともに服装はパッと見だと日本人と変わらず、言葉で分かるというレベル(ユニや国旗身に付けたり、赤鉢巻きしているのは目立ったが)。試合を観ながら、ふとドイツがホームでトルコと対戦した時に、現地のトルコ移民がスタジアムジャックしたシーンを思い出した。今日は人数自体はジャックされた訳では無いが、身近にいる異文化との真の「交流」、もっと言えば衝突を体感したのも事実だった。「多様性を尊重しましょう」という美しい言葉のリアルとでも言うか。スタジアムを出れば並んで駅まで歩き、同じ電車に乗って帰る訳だが、要は我々のホームをルール無視の傍若無人で荒らすなよ、と。声出し(の解禁)に賛成/反対って次元の話ではなく。ただこうした綺麗事では無い交流が逆に相互理解を生むきっかけにもなると思うし、それこそがサッカーの持つ面白さ、ダイナミズムの1つであると思う。綺麗な世界だけ観たい人には耐え難いものかもしれないが。そんな事を考えながら日付が変わる少し前に帰宅。

J1第5節 横浜M×鳥栖(三ツ沢)


 数日前から雨予報だったんで迷ったがチケを買った以上(年チケでも三ツ沢開催時は別途購入)結局は行ってしまうものだ。たださすがにここまで寒い&風雨が強いと思わなかった。仕事の為横浜駅に着いたのは19時丁度でタクシー乗り場に行ってみると既に長い列。

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横浜駅西口タクシー乗り場の列

旧駅ビル時代はタクシーだけで車線が4レーンあり、並んでも次々に客は捌かれていったのだが、今は歩道を拡張した分車道が狭くなり、タクシーレーンも↓の様に1本のみ。西口に出た客は右手のモアーズ、左手の高島屋方面に流れるか、地下のジョイナスかという導線なので拡張した中央部の歩道は広く取り過ぎたんじゃ無いかと。
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 20分後にようやく乗れてかなり不機嫌だったが、運転手のオヤジさんがなかなかいい人でそのキャラに癒やされた。今日は三ツ沢を3~4往復しているらしい。11年前の3/11当時の話(道はどこも大渋滞、途中ガソリンが切れた仲間の代走もしたらしい)などしながら前半30分に差し掛かる頃にようやく着いてポンチョを装備して着席。
 前半は15分程度しか観ていないのだが、雨が思いの外強く、↑の写真の様に既にピッチ中央には水溜まりが出来てボールが止まる状態。お互いサイドに蹴り出して打開しようという狙いだった。
 後半もそれは変わらず、もう殆どサッカーになってなかった。ただ、相手ゴールに近付く場面は鳥栖の方が多く、特に中盤はこのピッチでも球際の強さとキック精度もあって中央から左の岩崎に展開というシーンが何度かあった。昨季の主力が殆ど移籍した中で引分けも多いが今日も入れて未だ無敗。若い選手と若い監督が上手く噛み合っている印象。去年17歳でU24にも選ばれていた中野も(恐らく)初めて観たが、守備時は体の入れ方が上手く、アジリティもあるので上手くターンして相手ゴール方向に向きを変えてプレー出来る選手で、指導如何では幅広く何でもこなせる万能SBになる予感。
 マリノスは後半は殆どチャンスらしいチャンスが無く、終盤にようやく幾つかシュートやゴール前でのFKがあった程度。途中からはンダウ ターラも登場。↓

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ンダウ ターラ(写真中央)

 去年オフに獲得して即町田にレンタルされるも出場僅か2試合でどんなプレースタイルかよく分からなかったが、今日観た限りでは更に粗削りな神戸のリンコンという印象。ファーストタッチではスルッとドルブルで抜けて相手ゴールに近付いたが、その後は重馬場ピッチでボールタッチに苦戦してボールを奪われるシーンが多かった。このピッチだからゴリゴリ前に突き進むプレーを期待されたのかもしれないが、控え目に言ってもあまりに原石過ぎるというか・・・。まぁ前田みたく中央でワンタッチゴーラーに変化する可能性も無くは無いが。

 三ツ沢、大雨、0-0というとその昔学生時代にナビスコ杯の名古屋戦
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を友人達と観に行ったのを思い出した。終了の瞬間に席を立って病院前のバス乗り場に行ったのだが、今日は臨時バスは出ておらず、三ツ沢上町、下町を経由する大回りの路線バス横浜駅行きのみ。早く出たお陰で無事乗れたが、あのまま待っていたら寒い中かなり消耗していただろうし、歩道橋を越えて浅間下経由の路線バス乗り場まで歩く力も無かったので助かった。いつもなら横浜駅でラーメンか汁物を入れるところだが、まん防終了前で店は閉まっているので、仕方なく地元のスーパーで総菜を調達。

J1第4節 FC東京×広島(味スタ)


 マリノスは今節アウェイ札幌なので今日は味スタに行くことにした。別件で開始に間に合わなかったのだが、いつも通り渋谷から井の頭線経由で行くと、特急が途中の千歳烏山で停車、そして試合開始に間に合わない時間帯だった為か飛田給に臨時停車せず調布で乗り換えが発生。これまでは明大前から特急なら調布停車を挟んでそのまま飛田給に行けたので、実際以上に時間が掛かった様な感覚を覚えた。結局席に座れたのは前半15分頃。

 前半はお互い新監督故に攻撃時にはボールを持った後で味方を見るシーンも多々あってどこかぎこちなく、一方で守備時はしっかり寄せるので、チャンスは意図した崩しよりも高い位置で相手のミスからボールを奪ってショートカウンターというパターンが多く、少し膠着気味だった。広島新監督のスキッベは前節からベンチ入りだが、就任が発表された時は驚いた。日韓W杯時のドイツ代表アシスタントコーチだったが、監督は指導歴の無いフェラーだったので実質的な戦術指導はこの人。元々その前から若くしてドルトムントの監督を経験し、代表コーチ時代は今に至る育成システムの改善に取り組んだりもしていた。ドイツはクロップ、トゥヘルなど今“旬”の監督と、マンマーク主体のリベロシステムに慣れ親しんだ90年代の代表選手など「旧世代」指導者との分断が大きいイメージなのだが、この人はその間を繋ぐ存在というか、ドイツが2006年自国開催W杯でクリンスマン&レーヴの下でそれまでと全く違うサッカーを見せた、その種を撒いた人という印象。広島は昔からヤンセン(オランダ)、トムソン(豪州)、ヴァレリー(ロシア)、ミシャ(オーストリア)など色々な国から監督呼んでくるよなぁ。全体的に育成に長けたタイプが多いし、その辺はさすが。

 前半0-0の後、後半15分にFKから森重が頭で合わせて東京が先制。この試合展開からして動きがあるとすればセットプレーが鍵になるということか。そして直後に広島陣内でパスカットした東京がショートカウンターで最後はアダイウトンが流し込んで2-0。いきなり試合が動いた。ただその後は広島が徐々に押し込む様になり、後半30分頃には縦パスを受けた鮎川がGKとの1対1から冷静に決めて1点差。広島のサッカーはそれこそ東京やマリノスの様な「流行り」のスタイルとはまた違っていて、CFに縦に入れてリターンを受け、そこからサイドに展開だとか、サイドでのトライアングルの関係での突破とかシンプルなのだが、スムーズに次の動作に移行できるような個々のボールの受け方や、縦に急がずテンポや緩急の付いたプレーは去年までの広島とは明らかに違った。最後まで攻めるも追加点は無く。2-1で東京が勝利。

 東京は勝ったものの、開幕戦で書いた様にしばらくは個々の能力で点を取る我慢の時期が続きそう。三田、アダイウトン、紺野などこのサッカー向きな選手もいるが、全体的にカウンターや走力勝負に向いている選手が多いようにも思う。松木は今日もスタメンだったが、閃きや超絶技巧でスタンドを湧かせるというよりは、当たり負けしない強さやメンタリティ、広い視野からの展開力、ゴールに直結するプレーなどは本田圭佑を思わせる。今日は一度カウンターから良いパスを通したくらいだったが、バルサシティグループで育成に関わったアルベルに指導されることといい代表(全世代基本的に433で戦う方針に変更)といい、取り巻く状況はかなり追い風、というか恵まれているし、いずれブレイクするタレントだと思う。

 帰りは前節に続き?ウォーキングということで調布まで歩いた。前述の通り今日は開始に間に合わなかったので、京王線内で近くにいたガスサポの会話から、試合前のユルネバが途中で切られた(その前のアマラオの挨拶が押した為らしい)のを知った。そのサポはかなり憤慨していたが、そんなことがあったとは。

J1第3節 横浜M×清水(日産)


 前回から4日後に再び試合だが、ここ最近日産での観戦が多く、毎回新横浜から歩くのもワンパターンなんで今日は小机から行ってみた。行く途中の道路壁にはずっと地元小学校の子達が書いたマリノス応援の画が掲示されていたが(15年以上前からあったと記憶してるので、これを描いた子達ももう成人しているだろう)、各シーズン別の集合写真に更新されていた。

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小机駅日産スタジアム間の道路壁面装飾

 小机駅でもマリノス関連の展示や装飾が施されているし、他チームだと浦和も浦和美園から埼スタまで歩く途中に歴代コレオ写真が壁面に掲示されていたりする。駅を出た後からこうして徐々に非日常の空間へ誘う工夫は面白いし、その街全体を巻き込むという点でも大事なことだと思う。

 で、試合だが、今日は前半でほぼ勝負は決した感はあったな。正確には2-0にした前半43分で。その時点で清水は枠内シュートはおろかシュートそのものが殆ど無い状態だったし、そこから2点取られることはまず無いだろうし、むしろマリノスが後半に追加点奪う可能性がより大きいだろうなと。
 先制点を決めたのは小池龍太だったが、今日はいつものSBではなく中盤で、そこでもしっかりゴールを決めたのは素晴らしかった。マリノスはゴールが前の3人に偏り、中盤のゴール数が少ないのだが、このサッカーで中盤に求められるプレーは守備や展開力だけでなくゴールに直接絡む事も重要。SBでもしっかり前に上がって点を決めていたが、やはり「点を取る」というのは一種の才能とも言えるし、上手かったら自然にゴールが生まれるものでもなく、意識して取りに行くものなんだろうな。今のマリノスで不可欠な選手の1人。JFL時代の山口からJ3→J2→J1とステップアップしてきたキャリアや、中盤とSBを器用にこなすプレースタイルは、ドイツのキミッヒを思わせる(この選手もRBライプツィヒで3部→2部とプレーしバイエルンに引き抜かれた。奇しくも同じ95年生まれ)。

 後半のマリノスはやや抑え目で、特に半ば以降は失点を避けつつセーフティにプレーしていた。交代でも仲川は温存して若い樺山や山根が出場。その分清水が攻めるシーンも増えて何度かシュートチャンスは生まれたが、結局枠内シュートは無かったのではないかと思う。清水はクラモフスキ→ロティーナ→平岡という近年の監督遍歴もそうだが、平岡監督の様なアカデミー指導者を緊急事態での代行はまだしも、そこで一定の結果が出たからと正式就任させるのは大概あまり良い結果を生まないようにも思うが・・・。前半はボールを持っても出しどころが無く潰されるシーンが目立ち、あまり意図が見えなかったが、後半途中から大きなサイドチェンジが増えてマリノスゴール前に近付くシーンが増えていった。マリノス視点だと、これを最初から狙って来るチームは手強い。狭い局面は相手の出し所を抑えてボールを奪う形が出来ているが、そこを外されて大外のフリーの選手にパスを通されるとピンチに繋がる可能性が高まる。開幕のセレッソ戦、次の川崎戦は清武、脇坂など相手に意図して正確なロングパスを出せるタレントがいた。

 という試合でそのまま2-0で完勝。まだ16時で明るかったので帰りは大倉山駅まで徒歩。約30分のいい散歩だった。

J1第10節 横浜M×神戸(日産)


 先週に続いて水曜にリーグ戦。ACL組同士の試合は先に消化ということだが、こうしたイレギュラーな要素もあって今季は序盤にホームが多い。2/19セレッソ戦、2/23川崎戦に続いて早くもホーム3試合目だが、今週日曜には再びホームで清水戦、翌週の3/12アウェイ札幌を挟んで3/18金曜には三ツ沢で鳥栖戦。去年はホーム開幕も上限5000人で行けなかったし、2~3月で計2試合しかホームで観てなかったが、観客数上限が緩和されたので行きやすくはなった。

 という中で現地に着いたのは前半10分過ぎ。19時まで仕事が確定していたから午後は新横浜のサテライトオフィスを取ってはいたのだが、何だかんだで結局間に合わず。さすがに何か腹に入れないと、と思ったが東ゲート広場のスタグルも既に半数以上が店終いしており、どうにかケバブをゲット。
 着くとまだ0-0だったが、今日のスタメンを見てまず宮市の名前に驚いた。多分生で観るのは始めてだと思う。代表に入るクラスの選手はJで一度は観ているはずだが、この選手はそのキャリア故に機会が無かった。この選手を始めプラチナ世代も今年で30歳か。この世代は協会が79世代の再来を夢見ていた節があって、とにかくボール扱いの上手いタイプ、トップ下、セカンドトップ、中盤司令塔タイプが多かったが、時代が求めるのは3トップのサイドから仕掛けてゴールもアシストも決めるタイプだった。同世代のネイマール、サラー、ソン・フンミン然り。その中で元々ウイングタイプだった宮市はそうした資質を備えていたと思うのだが怪我がなぁ。あのまま怪我無くアーセナルベンゲルの指導を受けていれば、ウイングだったアンリやV・ペルシがストライカーに化けた様に、点取り屋の才能が開花していたかもしれない。
 と夢想するのはこの位にするが、今日のプレーは可も無く不可も無くといった感じで、縦突破の鋭さはあまり無かったかな。前半に一度左サイドからクロスを上げようとして空振った?シーンもあった。今日は中盤にユースから昇格した山根や今季加入の小池裕太、西村もスタメンだったが、前節の退場、負傷者や連戦も考慮しつつ今は戦力を見極めている時期かもしれない。神戸もターンオーバーのようだったが、前半はほぼマリノスが押し込んで、前半の終わり頃にCKから西村が決めて先制。
 後半もその流れだったが、10分も経たない内に神戸はイニエスタ、サンペールを投入。すると一気に空気が変わり、神戸が押し始めた。中盤のこの2人がパス交換するだけでマリノスの選手が3~4人かわされたり、前半には無かった縦のパスが入る様になったりと。ボールを落ち着かせられる選手がいるだけでこんなにも違うものなのか、という変わり様。この後半10~30分頃に追い付かれていたらどうなっていたか分からなかったが、高丘の好セーブもあり、その後マリノスは選手交代で流れをまた引き戻して、カウンターでチャンスを作るシーンが見られる様になった。そして終了間際のカウンターから再び西村が決めてそのまま試合終了。

 西村は結構期待していて、リーグで二桁取るんじゃないかと。
・海外経験
・国内他クラブ(マリノスとは異なるサッカー)での実績
上記2つを備える選手はマリノスでしっかり結果を出せると思っていて、西村もその1人。まぁでもその海外経験はCSKAモスクワだった訳で、昨今の情勢を鑑みれば早めに国内復帰したのは本人にとっても良かった。さすがに前田大然ほどのスピードは無いが十分速いし、前田より器用というか出来ることが多い選手という印象。

 天気予報を見ずに家を出たので、スタジアムを出ると雨がパラつき始め、最寄駅に着いたらそこそこ降っていたのは誤算だった。

J1第9節 横浜M×川崎(日産)


 先週末の開幕から2試合目だがACL組は本日第9節。思えば丁度2年前の今日は19年シーズンの開幕戦だったが、あの試合はコロナ禍前最後の試合でもあった。当時既に新型コロナウイルスなる言葉や感染拡大の懸念は報道されていて、自分を含めスタンドのマスク着用率も高かったが(それでも今ほどでは無かった記憶)、試合自体はそれまで通り開催され、チャントもスタジアムに響いていた。
barcaw.hatenablog.com
 この試合の後で長い中断期間が始まり、以降声出し禁止が続いている訳だが、いつまでこれが続くのか、結局最後は決断1つでは無いのかという思いもある。恐らく今後も春になるに連れて感染者数は収束し、GWやお盆期間後はまた増加、秋には減るも正月明けに増加、というサイクルだと思うが、ワクチンで抑えても一定期間後に変異株でまた増加みたいないたちごっこが延々と続くのでは無いかと。それに対していつまでもこの状態を続けるべきなのか。勿論ワクチン含め個人として出来る限りの感染対策を心掛けるが、普通に声が響き渡る海外のサッカー始めスポーツイベントを見てるとやるせない。

 そんなことも思いつつ新横浜に向かった訳だが、開幕節に両チーム観た中ではこの試合はマリノスが勝つ可能性結構あるんじゃないかと。川崎は中盤のバランス悪かったし、東京に支配される時間も長かったので。だが前半のマリノスセレッソ戦に似た、ボールは保持するが相手ゴールエリア外までしか達しない展開で、決定機は川崎の方が多かった。2階席から観るとよく分かるが、川崎はマリノスの選手が持ち場にいて構えている状況でも、中にいる味方に縦のパスを通せてしまうんだな。普通は人数が揃ってるので横パス、バックパスとなってマリノスは相手を押し込んで行くのだが、普通にパスを通され展開されてシュートチャンスを作り出されてしまう。そんな展開で左サイド抜け出した橘田のクロスをファーサイドの家長が合わせて川崎が先制し、前半は0-1。

 後半もセレッソ戦に似ていて少し相手陣内に近付くプレーが増え、また途中でA・ロペス入れて活性化かなと思った頃にクロスをエウベルが合わせ同点、しかもその直後エウベルのクロスを仲川が合わせて一気に逆転。1点目は登里に競り勝ったもので、2点目も登里の出足が一歩遅れてクロスを上げる間が空いたものだったので、エウベルが局面で優位に進められたのが大きかったな。その数分後にはエウベルのゴール前中央からのシュートが味方や相手の僅かな隙間を通る形になり、鄭成勇からすればノーチャンスの3点目。その後川崎は3枚替えで攻めに来て、クロスを知念が合わせて1点差にされるも、今度は仲川がゴールエリア付近左45度から巻くミドルを決めて4-2。まだ開幕早々だが、この仲川のゴールは観戦ベストゴール候補。3年前MVP獲ってからパッとしなかったけど今季はここまで復活の兆し。その後終了間際にCKから失点、と思いきやファールで取り消しとなり、このまま4-2で勝利。

 川崎に勝つのは19年11月のアウェイ等々力以来になるが、ここ数年の対川崎戦の分の悪さを差し引いても今日はそろそろ、というのもあった笑。攻撃陣がしっかり点を取るのは3年前を思わせるが、チアゴがいなくなった守備はクロスやCKからの失点が目立つ。後は中盤で攻守に機能してゴールにも絡める存在が1人いれば。やはりマルコスはどうも3年前から徐々に存在感が薄れているように思えるし、渡辺はもっと点にも絡めるはずなのだが。
 川崎は前節でも書いた様に、少しずつピークアウトしつつある時期というのを感じている。橘田が入ってバランスは改善されたが、前節然りで相手に決定機を作られる場面も増えている。ジェジエウ、車屋など負傷者の存在も大きいが、鬼木監督は3年前に等々力でマリノスに完敗した後で433に切り替えて、そこからの連覇ということで、成功体験に必要以上に拘らず変化が出来る監督と思っているので、また新しい選手や組み合わせで違うチームを作るかもしれない。