J2第27節 岩手×仙台(いわぎん)

  • 岩手行

 盛岡出身の友人に誘われ、7/16の岩手vs仙台に行くことになったのだが(チケは発売開始でほぼ瞬殺だったが友人がゲットしてくれた)、折角遠地に行くので盛岡だけでなく他も周りたいなと思いつつ、岩手はこれまで三陸や平泉など色々行っている中で例によって地図を見ながら考えてた所、陸前高田が目に止まった。ただ陸前高田~盛岡間の交通は宮城の気仙沼と一ノ関を経由した電車移動か大船渡経由のバス移動だが、16日当日出発だと始発でもかなりスケジュールはキツく(盛岡到着後ホテルに荷物を置く間もなくそのままスタジアム直行になってしまう)、翌日でも朝早く盛岡を出ないといけないという状況。
 ということで金曜の仕事終わりにそのまま一関まで移動して前泊することにした。これなら一関を翌日7時過ぎに出ればかなり余裕を持って移動できる。基本旅行は早朝出発なので自分にとってはイレギュラーなパターンだが、ふと高校時代、教師が「日本人は旅行ではいつも朝早く出発するがあまりにせわしない。旅はもっと心に余裕を持っていくべきで、昼に出発したっていい。」てなことを言ってたのを思い出した。まぁ今回も十分慌ただしい移動ではあったのだが。

 そして翌朝は6時に大雨の緊急速報メールで起こされ、一関はまだそれほど降っていなかった中で7時頃に駅に向かうとご覧の状況

元々一ノ関~気仙沼大船渡線、そこから先はBRTでの移動を予定していたが代行バスも無く、また東北本線も運休で新幹線しか動いていないという状況。このまま盛岡に行っても特にすることも無く、かといって仙台、秋田等別の場所に行くのもな・・と思いつつ駅周辺のレンタカーを調べたら空きがあったので予約し、駅の立ち食い蕎麦屋で朝御飯を食べつつ時間を潰して9時前に出発。陸前高田までは片道約1時間半だったが、途中からかなり雨脚が激しくなったものの道路自体はよく整備されていて無事到着。
 向かったのは東日本大震災津波伝承館という施設だが、地震の規模や被害の大きさだけでなく、その名の通り避難や救助活動における教訓も様々な事例や関係者の証言と共に語り継ごうという意思を感じる場所だった。過去だけで無く未来にも目を向けているというか。施設は海に面している。

陸前高田の海
奇跡の一本松

 道の駅も併設されているので、ここで昼食と土産を買って一関に戻り(この頃にようやく雨は収まった)、新幹線で盛岡へ。到着直前には車内から今日の目的地が。

新幹線から望むいわぎんスタジアム
  • 観戦記

 ホテルにチェックイン後は友人父に車で送って貰い、3年振りにいわぎんスタジアム到着。思えば3年前はJ3でどこか長閑な雰囲気だったが、今日はベガルタサポが多数来ており、試合の緊張感、空気感は全く違っていた。
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 席はバクスタの芝生席だったが、芝生席でJを観るのは初めてかもしれない。他にもこうした席のあるスタジアムは幾つかあるが、座席のあるメインスタンドで観ることが多いので。予報ではこの1週間雨が多かったが、無事雨は上がり、試合開始頃には日も射してきた。

 さすが隣県だけあってベガルタサポは全体の半数近くを占めるほど来ており、自分の席からは遠目にしか確認出来なかったがバクスタ民もほぼスタンディング。遠征あるあるだが、こうしたアウェイに行くサポは一定以上の観戦歴があるので(コロナ禍以前から)メイン、バクスタ民でもチャントでの手拍子などのリアクションが良く、時にホームチームを凌駕することもある。
 試合は序盤は一進一退という感じで、仙台が個々の力では上回り、前半に先制はしたものの、岩手もサイドへのロングボールからの展開でチャンスをうかがう。相手との実力差を踏まえて下手に繋ごうとせず割り切って得意なプレーを前面に押し出す岩手の姿勢には好感が持てた。

後半開始直前の空

 そして後半は序盤に仙台のパスミスから最後はモレラトがミドルを決めて同点。この時点では岩手の勝点1あるいは3の可能性あるかなと。だがその約10分後に右サイドを駆け上がった名倉が放ったミドルが決まって仙台が勝ち越し、その後も左サイドからの展開で右から走り込んだ真瀬がエリア外からミドルを決めて3-1。岩手も途中出場のビスマルクが右サイドを深く突破するも最後のパスが味方と合わない、という勿体無いシーンが2~3度あった。ここで1点返していれば分からなかったかな。その後は岩手も運動量が落ちて仙台に攻め込まれるシーンが多くなり、終盤には富樫敬真がPK含む2点決めて5-1で仙台の勝利。

 こういった試合だとメンバーに元マリノス勢がいると目に付いてしまうのだが、今日の試合では上記の富樫の他、仙台のGK杉本と岩手の和田がいた。特に和田はユース時代に見ているだけに色々と思う所はあったな。
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ユース時代はトップチームのプレシーズンマッチにスタメン起用され、当時は遠藤渓太より評価が高かったのだが昇格後はなかなか自分のプレーを出せなかった。先日32歳にして初めて代表に選ばれた水沼然りで、マリノスユース出身者は成熟するのが遅いというか、遅咲きの選手が多い。和田も今年25歳と年齢的にはまだまだこれからなので、いつかJ1でマリノスと対戦する日が来ることを願っている。

 試合後はまた車で盛岡市内に移動し、夕飯をご馳走になりつつ2日目が終了。翌日は午前中盛岡城跡付近を巡りつつじゃじゃ麵を食し、昼の新幹線で帰宅。珍しく雨に降られた旅だったが、最後盛岡駅は晴れ間が覗いた。

J1第21節 川崎×G大阪(等々力)

  • 試合前

 前日の事件についてここで何か書くことは無いが、今日は例によって東急沿線を巡っていて、丁度青葉台近辺の寺を参拝していた時に、やたら上空にヘリの音が聞こえると思って調べると、奈良からの車列を取材するヘリのようだった。音はすぐに東京方面に遠ざかったが、これも何かの縁と思い、同寺で故人の冥福を祈り、次の目的地に向かった。
 その後も田奈、長津田辺りを巡っていたのだが、田奈駅から歩いて10分ほどの所にある神社に向かう途中の風景がいかにも「横浜」という感じで思わず撮影

これぞ横浜

丘陵、開発の進む住宅地、河川沿いに広がる田畑、そして(写真には写っていないが)いつ終わるか分からない拡張工事中の幹線道路。自分が育った横浜の風景そのものであった。また歩き倒したので少し休憩し、夕方にスタジアムへ。

  • 試合

 今節マリノスはアウェイのセレッソ戦で、是非ヨドコウの新スタンドに行きたかったのだが日曜19時ではさすがに厳しい。ということで開幕戦以来の等々力へ。いつもの様に新丸子駅から歩いて18時半頃にスタジアム着。川崎はここ数試合勝点を伸ばせず、ガンバも降格圏に近付くという状況下での試合だったが、開始早々左サイドを抜け出したマルシーニョの右アウトのクロスをL・ダミアンが中央で合わせて川崎が先制、そしてその数分後にはガンバの奥野のタックルが当初黄紙だったがVARでレッドと判定されるという、いきなり試合が動く展開になった。
 その後は川崎がゴールを重ねて前半だけで4-0となり、この時点で(更に言えば脇坂の3点目が決まった時点で)勝敗は決した感はあった。1人少ないとは言え、ガンバはピッチ上に東口、昌子、三浦、藤春、倉田と代表経験者も多く、1点差で凌いで後半へ、という戦いも出来たはずなのだが。見たところ退場後は4-3-2の配置で、マルシーニョを掴まえ切れず右サイド(川崎の左サイド)を突破され続けて0-3とされた後、前半30分過ぎにパトリックを入れて4-4-1とした後にようやく応急措置が出来たという感じ。この辺り片野坂監督のサッカーがまだ浸透仕切れてないのかなと。そういう中でスタメンに抜擢されたFW南野(現高3/ユース所属)には厳しい展開だった。後半10分で交代となり、ボールに触れる機会も少なかったが、ファーストタッチは相手に上手く体を入れられるも、2度目は当たり負けせずキープしていた。ガンバユースのこの世代は大黒がストライカーコーチとして動きの質を教えているということで、どんなアタッカーになるか興味を持って見ている。
 後半もほぼ川崎がボールを支配するも、東口の好セーブや、選手交代によって川崎もあまりチャンスを作れなくなったのもあってスコアは変わらず。特に川崎の選手交代後の動きを見ていたのだが、志向するサッカーと選手のタイプが異なる故のズレを感じた。20年以降川崎はウイングを置いた3トップとなってリーグを連覇しているが、今のチームでチャンスメイク&ゴールという仕事が出来るサイドアタッカーはマルシーニョくらい。家長は通常のウイングとはまた違うプレースタイルで今日も右に張ったり中盤に下がったり変幻自在なポジションだったし、遠野や知念もサイドで持ち味を発揮するタイプでは無い。今日の終盤はこの2人に加えて小林悠も入ったが(マルシーニョ、ダミアンはout)一体誰がどういう役割でどのように点を取ろうとしているのか曖昧に感じた。その辺りが今日は別として最近は去年ほど点が取れていない原因なのかなと。ゴールと言えばチャナティップもリーグ戦では未だノーゴール。上記の、チームとしての点の取り方にも通ずるが、この選手はどんな役割でゴールや勝利に貢献するのかというのがあまり見えないんだよな。ゴール&アシストの数なのか、チームのプレーテンポを操る司令塔なのか、あるいはより守備面での貢献なのかーーーMF、FWには様々な役割があるが、プレーを見ていてもボール扱いが上手いなと思う以上のものは無いというか。そんな感じで川崎は(今日の結果とは裏腹に)今後もゴールや勝点3を得るのに苦労しそうな印象を受けた。その意味でも19年シーズンに似た印象があり、マリノスにとっては追い風と言えるかもしれない。
 試合後は再び新丸子駅まで歩いて帰宅。

J1第20節 横浜M×広島(日産)

 今日は先週末時点では台風接近という予報で行くか迷っていたが、台風も消え、それどころか雨も降らなさそうだったので決断。午後から新横浜の3rdオフィスに移動したのだが、13時頃の新横浜は既にユニを着てスタジアム方面に歩いてる人がいて驚いた。コロナ禍前の自由席の並びならまぁ有り得たと思うがこのご時世、しかも平日でとは。運営や飲食関連のスタッフだったのかな。ちなみに新横浜の街中の飲食店では店員がユニ着用している所が何軒かあった。そんなこんなで18時半に仕事を終えてスタジアムに向かい、東ゲートのスタグルで夕飯を調達して着席した時は開始直後。

 広島は今季味スタで1度観ているが、
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その時はシンプルながらボール回しのテンポが良いサッカーだなと。マリノスも前半戦ではアウェイで完敗した。そんな中での試合だったが序盤の15分はマリノスが押し込み、その後は徐々に広島がマリノス陣内でプレーする時間が増え始めるという展開。自分はどうしてもマリノス基準で相手チームを見てしまうが、中盤の狭いエリアで複数で囲んでも慌てずボールを回せるチーム、逆サイドに大きく展開するプレーが戦術に組み込まれているチームは恐さがある。大概のチームにはここでボールを奪えて(というか奪うことが前提で)、素早く前に展開→チャンスとなるのだが、広島は囲まれてもサポートする味方も近くにいるのでそこでキープされることが多かったし、選手を特定エリアに集めている分、大きく逆サイドに振られると一気にフリーで自陣を突破されることになってしまう。
 選手では中盤の底でゲームメイクしていた野津田が印象に残っている。ボールに絡む回数が多く、チームの中心というプレー。こういう元々は2列目でそこそこ試合に出つつも今ひとつ殻を突き破れなかった選手が、ポジションを下げゲームメイカーとしてブレイクするのを勝手に上野良治パターンと呼んでいる笑。
 と言う展開だったが、前半30分を過ぎた頃に右クロスを逆サイドから走り込んだ左SB小池裕太が頭で合わせて先制。マリノスのチームとしての動きが呼んだゴールだったが、(代表視点で見てしまうと)大迫はあれを弾けなかったかと思ってしまう。逆を取られて難しいシュートだったとは思うが、コース自体は十分守備範囲だったので、手に当ててCKにするぐらいでないと代表で試合に出るのは難しいのかなと。この選手はフィード面は現代的なプレーだと思うが、“シュートを止める”GKという印象は無いんだよな。これは決まったと思うようなシュートに手や足が伸びてセーブするレベルにはまだないというか。

 前半は1-0で折り返し、後半は10分過ぎにマリノスが追加点。これはまず左サイドでボールを受けた宮市から逆サイドの水沼?に通したパスが素晴らしかった。水沼はフリーで落ち着いて後ろから走り込んだ小池龍太に落とし、その速く低いクロスをゴール前の西村が押し込んだ形。宮市はどんどんチームにフィットしているな。今季序盤は縦に仕掛けて止められる事が多かったが、今は無理に仕掛けず周囲との連携で前に進んだり、エリアすぐ外からのシュートやクロスに走り込んで合わせるパターンなどプレーが幅広くなった。ATにはダメ押しの3点目も決めて、これでリーグ3点目。これまでの成績を見ると、18-19シーズンのブンデス2部ザンクト・パウリ時代の5ゴールがリーグ戦でのシーズンキャリアハイなので、これを更新する可能性は十分。
 広島は後半半ばに野津田が負傷で?下がったのは大きかったか。時間が経つにつれて特に右サイドの連携で攻めるシーンが多かったが、上手く崩してフリーでクロスを上げても中はマリノスがしっかり固めているので厳しかった。チームとしてサイドの崩しはかなり共有されているのだと思うが、それに続く二の矢が無いと、後半戦、あるいは来年以降相手の対策も進んで難しくなるかもしれない。

 ということでマリノスはリーグ戦6連勝で2位に勝点5差。鹿島も今節劇的な試合だったが、それでもホームで勝点1だったのを考えると思いの外首位を独走する可能性もある。まぁこれから8月にかけてE1選手権の中断(高丘、畠中、西村辺り3~4人は入るかもしれない)やルヴァンのトーナメント、ACLと試合が続くのでそこをどう乗り切るかが大事だと思うが。
 そしてこの試合で忘れてはならないのがチャントの解禁。2020年2月23日の2020シーズン開幕戦以来、実に2年5ヶ月ぶりにここで声を聴いた。
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 この当時既に中国から新型コロナウイルスと呼ばれる感染症が日本に入り込み始めて、スタンドも8割方マスク姿だったと記憶している。この節自体はいつも通り開催されたが、その直後にリーグは中断。約2年半前だが、4~5年前のような感覚すら覚える。全てが未知で手探りだった当時と違って、今は明らかになったことも多く、このまま「実証実験」の付かない通常の運用に戻ることを強く願う。

J1第19節 清水×横浜M(国立)

  • 国立に向かう前、渋谷にて

 今日はアウェイ清水戦だが、同クラブの30周年記念試合と言うことで国立開催。新国立になってから天皇杯、高校選手権、代表戦で何度か行ってるが、休日のナイターは初めて。昼間は先週同様東急の御朱印巡りをしていたのだが、渋谷にも対象寺社があり、国立に向かう直前に途中下車した。

宮益御嶽神社

ここは宮益坂の途中にあるが、↑写真の道の奥にかつてカンピオーネというサッカーショップがあった。主に海外サッカーのユニやグッズ、雑誌、ビデオを扱っていて、自分の中学・高校時代はまだネットも普及しておらず(インターネットという言葉が世に広まり始めた頃)、海外サッカーの試合を観る機会もW杯を除けばNHK-BSのディレイ放送を視る程度だったので、ここでユニやグッズは勿論、“Kicker”、“World Soccer”、“France Football”といったその名だけは知っている海外サッカー誌の実物に触れるのも楽しかった。日韓W杯の頃は同じ渋谷で他にも店舗があった記憶があるが、大会後は行く機会も減り、気付いた時には既に無くなっていた。いつ閉店したのかも分からないが、あのW杯を期に1つの使命を終えたのかなという気もする。そんなことを思い出したが、まさかそれから20年以上経って↑写真の階段を初めて上ることになろうとは。
 

  • 観戦記

 この試合の席はバクスタアウェイ寄りだったので、千駄ヶ谷よりは外苑前が近いだろうということでそのまま渋谷から銀座線で国立に向かった。外苑前駅に着いて、今日は神宮でベイスターズが試合なのを知る。サッカー、野球の試合前ということでかなり混雑していたが、エスカレーター付の広い出口が新しく出来ていてスムーズに地上に出る事が出来た。事前にかなりの入場者数が予想されていたため、開始2時間前の17時過ぎに到着。コロナ禍以降指定席が定着し、スタジアムに着くのは30分前が当たり前になっていた中でこれほど早く行くのは久々だな。
 試合前にはビジョンで30周年に対する各界からのメッセージが流れ、国立上空からヘリでボールを落とす企画などもあった。入場直前には清水側でコレオと

清水コレオ&花火

マリノス側はペンライトでトリコロール

ペンライトトリコロール

 清水は前回対戦時には危なげなく勝っており、今日もマリノスがボール支配してゴールを伺う展開だったが、チアゴサンタナ中心に時折見せるカウンターがこれまでと違ってマリノスゴールに近付くシーンが多かった。とにかくサンタナはボールが収まるのでそこから清水の攻撃が始まるという感じ。西村の先制ゴール後にカウンターから最後は神谷が決めて同点に追い付いたが、アシストは中央をドリブルしたサンタナだった。その後も清水はカウンター時は特にサイドの連携からシュート、チャンスまで至る場面が多く、明らかにここ数年のサッカーと違うなと。
 前半終了間際にマリノスが勝ち越すも、後半開始早々にサンタナが同点。ただここからマリノスの攻撃が爆発し、同点の数分後にレオセアラが勝ち越し(遠目のシュートでニアを抜かれた権田はどうなのかという感もあったが)、更にその数分後にもレオがハットトリックとなる4点目を挙げて試合をほぼ決めた。その後もマリノスは何度か決定機を迎えるも決めきれず(抜け出してGKとの1対1を外した西村、あれは決めて欲しかった)、清水も選手交代で修正しつつ単発でチャンスを作り始め、1点返されたらちょっと分からんな、という後半40分過ぎに宮市が5点を決めた。終了間際に清水が1点返したが直後に試合終了。

 5-3というスコアはポステコグルー初年度を思わせる内容だった。久々にサイドを深くエグってクロス→中央で押し込むというパターンを数多く作れたように思う。スタメンはエウベル、水沼、レオ・セアラで後半に仲川、宮市、マルコスを出せる層の厚さで押し切った感もある。これでA・ロペスが戻ってきたら首位独走も有り得るかもしれない。懸念材料としてはCBは角田、畠中コンビの代わりがいないということかな。後半角田が痛んでエドゥアルドが入ったが、正直何故最近出場機会が減っているのかよく分かるプレーぶりだった。CBとしてあまりにプレーがリスキーなんだな。フィード力など攻撃面での貢献はあれど、ボールを奪いに前に出てかわされてピンチを招く、マークが甘くゴール前でフリーで動かれる等、何失点か覚悟しないといけないCBはレギュラー起用するにはやはり厳しい。角田も1失点目の対応はコースの切り方や体勢が甘かったが、守備の安定度や今後の伸び代も込みで起用されているのだろう。

 清水は先ほども書いたように、新監督になってまだ数試合というのが信じられないほどサッカーが変わっていたのが印象的だった。真っ向勝負して撃沈した展開だったが、前述したサイドで2~3人が連携した崩しや、逆サイドのフリーの味方に大きくサイドチェンジしてのチャンスメイクなど、組織としてマリノスが崩されたシーンが何度もあった。またこうしたサッカーをデザインするだけでなく、後半開始早々失点が続いた後は交代で試合を落ち着かせたり、目の前の事象を踏まえた対応力もあるように見受けられた。サンタナ次第なところもあるが、このまま行けば後半戦は勝点を積んで降格圏も抜け出すのではないかと思う。今日は鈴木唯人が負傷という訳でも無いのに欠場したが、既に海外クラブと話が進んでいるのかな。同様にマリノスの藤田もその匂いが。

 試合後は地下鉄で帰ったが、途中駅から味スタ帰りの東京サポも乗ってきて、最寄でも東京ユニ、清水ユニを着た人を何人か見掛けた。友人達と集まって観たのも去年の最終節以来で、暑かったが良き土曜日。

神奈川県1部第6節 品川CC横浜×海自厚木マーカス(谷本公園)

 今日は10時から友人チームの試合観戦。コロナ禍で無観客が続いたのもあるが観に行くのは3年半ぶりか。
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 この試合では試合会場を満席にするプロジェクトがあり、それで誘いを受けたのだが、開始直後くらいに現地に着くと公園のスタンドはほぼ埋まり、周囲のベンチや柵にも観戦客が。空いていたゴール裏ベンチで観ていると別の友人も来て一緒に観ることになった。ただ今日は昨日に続いて9時前に既に30℃を越える暑さだったので、日射しが直撃するベンチから近くの木陰に避難して立ち見。この友人とは先日のブラジル戦も一緒に観たのだが、このチームの選手、スタッフ歴もあり各選手の経歴や対戦相手の情報など色々教えてくれて助かった。

谷本公園メインスタンド

 友人曰くこのコンディションなら相手有利とのことだったが、実際さすが自衛隊だけあってこの暑さでも走れて、球際も強いので何度か決定機を作られた。印象に残ってるのは長身で足下も柔らかい9番のCF。品川は右サイドからビルドアップしようという意図は覗えたがなかなかボールを前に運べず、逆にその右サイドを破られフリーでクロスを打たれるシーンが多かった。そんな中でも単発で何度かチャンスはあったのだが前半は0-0。
 後半は序盤から相手が更に圧を強めてゴールに迫るシーンが増えたが、15分過ぎくらいから徐々に押し戻す展開。選手は皆強豪高やユースの出身で、中にはU18年代での全国優勝経験や、J3、海外でのプレー歴もある選手もいてやはり皆上手い。後半半ば以降は少しオープンな展開になって、相手はクロスのファーサイドでフリーで詰めるも枠外というシーンが何度かあり、品川も特にラスト10分辺りは相手に寄せられながらシュートに持ち込んだりとゴールに迫るシーンが何度もあったが決めきれず、0-0で試合終了。
 神奈川1部は12チームの1回戦総当たりで今日が丁度中間地点なのだが、友人チームは勝点13で3位。上2チームは勝点16、かつ昇格トーナメントは2位以内なのでとにかく勝点3を積みつつ首位チームとの直接対決に勝たねば(2位チームには直接対決で●2-4)。リーグ戦を観るのは18年10月以来だったが、
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その時に比べても友人チーム、対戦相手共にレベルが上がっている印象があり、簡単なリーグではないなと実感した。身近なチームだからこそなのはあったと思うが、正直先週のJFLの試合より内容的にも面白かったし。

 試合後は友人に挨拶しつつ、午後には同じく1部所属のセカンドチームの試合もあったがここで会場を出てバスで港北ニュータウンへ。現在こういうイベントが開催中なのだが
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対象寺社の1つが(東急沿線対象なのに)地下鉄グリーンライン沿線にあるのだった。高田駅から歩いて10分弱で到着。

高田天満宮

この急な階段を上る途中からはみなとみらいや新横浜、日産スタジアムが望めるなかなかの景色。

階段途中からの眺望

ここで御朱印を拝受しバスで綱島に行って帰宅。

J1第18節 横浜M×柏(日産)

  • ページレイアウト変更

 今回から観戦記のページレイアウトを少し変えてみる。元々はてなダイアリー時代の記事右上に写真が載るテンプレートを個人的に気に入っていて、はてなブログに移行後もそれを踏襲し、タグを調整して再現していた。ただスマホで見ると画像と文章のバランスが悪く、見た目もあまりよろしく無いので今回からシンプルな形に。

  • 観戦記

 実はGWの5/7以来の日産スタジアム。今日は30℃越えのとにかく暑い日で、スタジアムに向かうスロープを上ると、スタジアムや自分自身の他、眼に映る物全てが強い日射しに照り付けられていた。ただ風が強かったのは救いだった。これで無風だったら・・。

照り付けられるスタジアム

 今日はチケを取るのが遅くなっていつもの場所が取れなかったのもあり、珍しくメインスタンド寄り。

 さすが太陽をその名に持つだけはあるというか柏の黄色がよく映えていた。

 リーグは折り返しを過ぎ今節から2巡目の対戦となるが、柏にはアウェイで完敗。という中で今日はどうかと思って観ていたが、序盤こそ柏のロングボール主体の攻撃にゴール近くまで侵入されるシーンが何度かあったものの、前半半ばの約10分間で3点取って事実上試合を決めた。今節からU23アジアカップを戦ったU21組も復帰してマリノスは藤田、柏も佐々木、細谷がスタメンだったが、GKの佐々木にとっては1点目はシュートがDFに当たり、2点目はCBのミスによる1対2の状況、3点目は正面上という反応しにくいコースという点で不運な形が多かった。だが個人的に東日本随一と思っている柏のアカデミーの中でも、特にGKは他の追随を許さないなと。ポルトガルにいる中村航輔、小久保、そして前節の神戸戦で活躍した松本、今節ベンチ入りの猿田もアカデミー出身。一方でFW細谷は今日はそもそもボールに触れる回数も少なく、厳しい出来だった。この選手を見ると、がっしりした体格やスピードを活かしたプレースタイルから「Jユースで育った浅野拓磨」という印象をずっと持っている。前半戦でリーグ6点ということで二桁も現実的な目標と思う。
 マリノスのU21組藤田だが、もはや中盤で不可欠な存在になっている。攻守に機能してボール扱いも上手く判断も早いMFてリーグ見渡してもなかなかいないのではないかと。先日のW杯メンバー予想でもサプライズ候補として名を挙げたが、7月のE1選手権での代表入りはかなり現実的だと思う。森保さんも国内組でも代表常連やW杯に出た選手は選ばないと言っている以上、自ずとリーグで活躍する若手、中堅から選ばれる訳で。マリノスからは他にGK高丘、DF畠中、FW西村辺りは選ばれてもおかしくない。負傷さえなければ小池龍太も有力候補だったと思う。

 後半開始早々にもセットプレーからレオセアラが押し込んで4-0。残りの時間はマリノスがボール支配して何度かシュートチャンス、また柏も時折攻め込むことはあったが、基本は淡々と過ぎていった。ATは3分あったがそれも不要だったな。柏はショートカウンターやロングボール主体の攻撃が機能しないと最終ラインからのビルドアップは個々の技術的に難しく、打つ手はマテウス・サヴィオの個人技くらいという点で厳しい内容だった。マリノスとしては上位を争う相手に完勝し、得失差も稼げたのは大きい。川崎もなかなか苦労している様だし、ここまでホーム無敗、前半戦敗れた広島、福岡にも次はホーム戦ということで少しタイトルへの道が拓けた状況ではと思う。まぁ3日前には天皇杯で栃木に0-2敗退しているのだが、こうしたカップ戦の早期敗退も19年と付合したり。ただ勝ち続けるチームは例えリーグが獲れなくてもカップ戦など毎年何かしらタイトルを獲るものだし、ルヴァンやACLも現実目標として狙って欲しいところ。

JFL第12節 FC大阪×鈴鹿(花園)

 この日はそもそも今回の旅を決めた理由の1つである花園へ。これまでアウェイのガンバ戦、セレッソ戦は基本日帰りで、今年は19時開始で泊まり必須だしどうしたものかと考えていると、ガンバ戦の翌日にこの試合が組まれるのを知り、この機会を逃す手は無いと。思えば唯一の秩父宮観戦はサッカーで
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今回もまたサッカーで花園に行くという。花園でのサッカーは以前も行われていたようだが、この両スタジアムにサッカーでしか行ったことが無い人間は他にいるのだろうか笑
 午前中神戸方面に寄った後で現地に向かうつもりで、ルートを検索したら阪神近鉄が直通運転するまさにこの日の為にあるような路線が有り、三宮から乗ったのだが、実は快速急行という鶴橋から生駒までノンストップ、つまりスタジアム最寄の東花園駅を通過するのに気付いたのは鶴橋を出た後だった。少し時間をロスしてしまったが、折角なので生駒で降りて駅前を少し眺めつつ各停で花園まで戻った。途中生駒山地の中腹を走るのでこのような見事な眺望も楽しめる。

近鉄車内から望む大阪の街並み

 現地でどれだけフード店舗があるか分からなかったので駅前のコンビニとたこ焼き屋で飲食物を調達し、スタジアムへ。歩いて10分も掛からず到着した。

スタジアム外広場①
スタジアム外広場②

 スタジアム外の広場ではキッチンカーやトークショー東大阪を拠点とする他のスポーツチームのブース、ダンスイベントなどで多くの人で賑わっていた。駅前やスタジアム迄の道でも観戦客と思しき人が多くて、もしかして結構人が来るのかと思っていたが、これほどとは思わなかった。こういった大箱で開催する以上、主催者も普通に開催するだけでは無く色々考えたんだろうな。ゲストも多く、サッカー北澤氏、ラグビー大畑氏といった元アスリートから東大阪市長、大阪府知事吉本新喜劇女優の未知やすえ(東大阪出身らしい)まで来ていた。

 入場後、メインスタンドアウェイ寄りに席を取り、場内を見渡してみる。メインからだとバクスタ越しに生駒山地がそびえ立つのが印象的。

バックスタンドと生駒山地

サッカー観点だと↑画像にもあるようなホームゴール裏の一層スタンドが目を引く。日本でこれだけの規模の一層ゴール裏スタンドはあまりない。強いて言えば埼スタぐらいか。NACK5日立台も遠目には一層に見えるが途中階段などで上層と下層が仕切られているし。この花園のスタンドが埋まって声出しも出来ればかなりの迫力だろうなと。
 一方で以前からスタジアム写真を見て気になっていたメインスタンドの柱は思ったより太かった。

メインスタンドの柱

 調べたら19年W杯での改修前からこの位置に柱があったようだが、改修時に何で外せなかったのかと思ってしまう。昔はスタンドに柱を建てないと屋根を支えられなかったと思うが、今は国内外の新スタジアム然り、屋根を後ろから支え、かつ出来るだけ前方の観客席までカバーする技術はある。推測だが改修にあたってW杯仕様(恐らくはカップホルダー付座席、放送・通信設備、VIPルームなど)を満たすことに囚われ過ぎて、観戦するに何がベストかという観点が抜け落ちた為ではないかと。また国内外の球技場を参考にすればデザイン面でのイメージも湧くと思うが、それもあまり無かったんだろうな。パナスタやサンガスタジアムの様に、こういう時にここを本拠とするチームがあればデザインや座席の色など影響を与えられると思うが、ラグビー近鉄(元の所有者でもある)にそれを求めるのは厳しかったか。

  • 試合

 荷物を置いた後は再びスタジアム外広場を回って再入場し、13時から試合開始。試合前は今日はベンチ外のカズが関係者席から顔を出してメインスタンドからの声援に応えていた。こういう所はさすがだよなぁ。自分に何が求められているか分かっているし、出場しないならしないで出来ることをする姿勢は素晴らしいと思う。実際、自分の周りにいた観客も老若男女どよめいていたし。
 試合について。実はJFL自体見るのは初めてだった。両チーム共に名前を聞いたことある選手が何人かという程度だったが、大阪は右サイドの久保は昨日の試合でのガンバの山見の様にドリブルでチャンスメイクする役割で面白い選手だなと。ただ全体的には暑さもあったと思うが、膠着した展開だった。お互い相手の攻撃に対してしっかり体を入れたり守備はそれなりに出来る一方で攻撃にはあまり連携は無く違いを作れる選手もあまりいないので、ただ相手の攻撃を潰し合うだけになってしまっていた。たまに高い位置でボールを奪って3対3、あるいは3対2みたいな状況もあったが判断が遅れてパスの呼吸が合わなかったり、相手に寄せられたりで勿体無かった。
 そんな展開が後半半ば過ぎまで続いて正直、この日の天候(日射しも強く暑かった)や昨日歩き倒した疲れもあり、後半30分過ぎは意識が飛んでいた。終盤になってようやく動きが見られるようになったもののこのままスコアレスかと思った後半44分に大阪の坂本がエリア外左45度からミドルを決めて先制した。これは見事なゴラッソだった。経歴を見るとJ3沼津所属歴があり、奈良クラブ時代にはFWにコンバートしてJFL得点王まで獲ったとのことだが、今は再びCBでプレーしている。このままAT5分が過ぎてFC大阪の勝利。

 この試合の観衆は12152人もいたらしい。招待客やカズがいるチームというのも大きかったと思うし、また自分のTL上でもこの試合に行った人が何人かいて、花園でサッカーという要素に食い付いたサッカーファンも自分を含め少なからずいたはず。それでも1万人もの人を集めるのは大変なことだし、実現したのはJクラブでは無い4部(厳密には違うが便宜上そう定義する)のチーム。上で述べたようにこの試合の為に様々なイベントを企画し、ゲストを呼んだ経験はJリーグ入りに向けて大きな財産になったのではと思う。

 試合が終わってもまだ15時で大阪市内を観光する時間はあったが、この日も結構歩いて疲れてたのもあり帰る事にした。東花園駅ではなく、反対方向にある同じ近鉄の吉田駅まで歩き、途中JRに乗り換えて新大阪へ。予約した新幹線は新大阪始発だったので5分ほど前にホームに上ると既に停車しており、すぐに乗ることが出来た。とにかく今回は1週間前の予報では傘マークが付いていて梅雨時だし雨を覚悟していたが、幸い全く降られずに済んだ。次の大阪はセレッソ戦、と言いたいところだが7/10日の19時なんでまた来年か。