AY vol.2

 同点にされた時は、U−16と同じくPKまで縺れ込むのを覚悟していただけに、青木のゴールがきまった瞬間、もう無意識に立ち上がって拳を突き上げたね。

 もう後は優勝を目指すだけだ。何故か日本のこの世代は優勝とは縁が無い。記録を見る限り、8大会連続ベスト4以上という安定感なのに、頂点に辿り着けないのが不思議でならない。U−16が同期間にGL敗退も何度か経験しながら優勝も2度経験するという波の激しい成績なのと対照的に。ここで勝てば、下の世代が初優勝という重圧から解放されるだけに、突き抜けて欲しい。次の韓国戦に勝てば行けると思うのだが、それが簡単でないのもまた然り。
 韓国がこの世代での優勝回数が多いのは、つまりはエースがいるからだろう。崔龍洙李東国崔成国朴主永・・・毎回その時点では化物級のFWがいるんだよなぁ。大概年を重ねるとU−19時点ほどのインパクトが失われるのも共通してるんだが。(それでも代表である程度の実績を残しているのは大したものだと思う。)で、今回は辛泳録と李相湖が凄いんだっけ?まぁ韓国戦が1点を争う痺れる展開になるのはいつもの事だ。ワールドユースでの話だが、03年のサンキュー坂田のゴールデン・ゴールは夜勤中だったが、携帯で速報を見て思わずバックルームで叫んでた(苦笑)次戦もLiveで観るのは無理っぽいので、また携帯画面の前で(周りを気にしつつ)歓喜に浸りたいものだ。

■以下余談
 かの国ではハングル化の進展で漢字が失われつつあるとの事だが、俺は今でも敢えて漢字表記にしてる。カタカナだと何かしまりが悪い。“パク・チソン”より、“朴智星”の方が余程しっくりくる。例えば日韓両国の選手名を並べて見ると、同じ漢字文化圏(だった)という共通点と共に、同じ名は殆ど存在しないという断絶感を感じるという俺の些細なこだわり。人は似たものに対する敵対心(時として憎悪)があるという。歴史認識云々以前に、かの国と日本とは、隣国であり、外見も似ているが、その内実は全く違う、という時点でこうなる運命だったのだろうと時々思う。俺は“一般的な”日韓友好論者では無いが、本気で友好を築きたいなら本気で議論を戦わせればよいのに、といつも思う。過去何度も日韓戦で戦ってきた選手達の間で今ではこちらが驚くほど友情(?)が芽生えているように。井原と洪明甫がお互いの引退試合に参加したのを見ていると、同世代同士、敵味方に分かれていたとはいえ、戦友みたいな感覚があるのかもしれない。余談なのに長くなり過ぎた。


 試合後、軽く外に散歩に行った。11月の夜だというのに風は生温かったが、昼間まで悩まされ続けた後遺症は随分抜けた気がする。禊も済んだし(苦笑)、また明日だ。