終電逃した道すがら

 終電を読み誤って町田から歩く羽目になってしまった。


 ふと空を仰ぐと、いつか習った冬の星々が。どれがシリウスで、どれがベテルギウスだったか。夜空にくっきり浮かぶオリオン座や北斗七星を見ると、長い行程も心なしか気楽に感じられた。


 しばらく歩くと元バイト先が見えたので思い切って入ってみたら、今夜のシフトはKさんとO君の知ってる2人だったので助かった。Kさんに車で送って貰った時には既に5時に指しかかろうとしていたが、店に入ってからその時まではまるであの時に還ったかのよう。辞めてからもう3年も経つのに全く変わらない店やKさんの姿が嬉しくもあり、そしてどこか切なくも。