この閉塞感

 ホーム、アウェー1試合づつやって勝点4は数値の上では全く問題無いんだが、チームから漂ってくるこの暗く霧がかったイメージは一体何なのか。何をしても裏目に出てしまう負のスパイラルに陥ったような感覚。ロスタイム、パワープレーで楢崎が前に蹴り出そうとしてショボイキックであっさり敵にボールを渡してしまったシーンがどこか象徴的だった。

 この2試合だけを見れば、松井の不在は結構デカいのに気付かされる。昨日香川がスタメンだったのは現有戦力で一番タイプが近かったからだと思うが、雰囲気に飲まれたのか地に足が付いておらず、前半で代えても良い位だった。
 同点ゴールの玉田も後半にGKにセーブされたシュートがあったけど、あれもシュートのタイミングを読まれててコースもそこまで厳しくなかったから、見た目程惜しくも無かった。あんなバレバレのシュートタイミングでは、もっと厳しいコースを付くとか、GKの手前でバウンドするようなシュートでないと入らんわ。

 だが問題はこういう個人に帰せられる類ではなく、もっと根本的な所にあるように思えてしまう所がこの不完全燃焼感の源なのだろう。先月のバーレーン戦とか、6月のオマーン戦(ホーム)は内容も良かったから、ここ2試合の姿が全てではないのは分かってる。分かってるんだが、非常にストライクゾーンの狭いサッカーだとも思う。レギュラーが揃って、コンディションも良好なら内容、結果が出せるけど、レギュラーが1〜2人欠けたらそれなり、どころか全く見るに耐えなくなるのは極端過ぎる。 
 岡田サッカーって札幌時代のエメルソンとか横浜M時代の奥、久保みたいに、攻撃は特にハイレベルな個人に負う所が大なのに、いつも汗の量とかチームとしての一体感ばかり強調される。それは確かに重要なんだが、マリノス時代の最後の1年半位の
→攻撃陣のレギュラー離脱
→得点力が低下し、内容もロングボールばかりで乏しくなる
→“運動量や勤勉さは変わらないのに何故結果が付いて来ない?”と迷走。
を見ると、本人は個に依存している現実に気が付いてないか目を逸らしてるんじゃないかとさえ思われてくる。

 11月も親善試合+予選の流れだけど、今月と同じような展開なら、今年限りで切られる予感がする。会長は続投宣言を出したらしいが、この世界では常に“立場上言うべき事”と本音が一致しないのを考慮に入れる必要がある。というのは余りにも穿ち過ぎだろうか(苦笑)ただ監督に指名したのは前協会会長で、現会長には何のしがらみも無いのも事実ではある。それに予選中の解任と言っても、次の予選まで3ヶ月あって、12〜1月中に国内組だけでミニ合宿やったり、親善試合を組んだりは出来る。この閉塞感を打破するにはそこまでしないといけないかもしれない。