まぁ凄い試合だった。河合の一生に一度あるかどうかのスーパーゴール、小宮山のデル・ピエロさながらの左45度コントロールシュート等等で6−1。浦和が自滅し、空回りしていく中で、力まずに自然体でサッカーしていたマリノスの勝利。
浦和にとっては4失点食らった辺りからは(後半途中出場の)岡野サヨナラ試合となり、最後の方はゴール裏からも岡野コールばかりという(笑)そんな試合だったのだが、今日は残留争いが劇的過ぎて(優勝争いはどうでも良かった)眼前の試合の印象がスコアほど実は強くない。
目の前の試合と携帯の速報をチェックしながら、FC東京が先制したのを知った時は、『やはりマリノス戦の惨敗が後を引いたのだろうしあれで終わったのだろう。』としたり顔なblog原稿が脳内に出来つつあったし、さらに瓦斯が追加点入れた時は、(ミラー招聘で盛り返しても結局最後は降格なのかと)諸行無常という追記までしていたのだが(苦笑)後半、おそらくアクセス過多で繋がりにくかった速報ページがようやく更新できた時に飛び込んで来たのは2−2の数字。これで勝ち越したら・・・と勝点計算しながらも、そう上手くいく訳がないよなと思った数分後に3−2になった事を知った驚きと言ったら無かった。それでもまた今野がKYな同点ゴールをロスタイムに決めるんじゃないかとも思ったが、千葉が4点目を取って試合を決め、残留も決めた。後で知ったが、3点目のPKを与えたのはその今野だった。これも運命の悪戯か。
そんな90分を終えた後はホーム側のシーズン終了セレモニーだったが、最初に社長が出てきた時のブーイングの音量は間違いなくこの試合を通して最大だったと思う。そんな殺伐とした雰囲気を変えたのが、今季で契約を満了した岡野と内館のスピーチだった。(次の所属先が決まらなかったら)力(浦和の有名な居酒屋)でアルバイトさせてくれと笑いを取る岡野、(今後の身の振り方について)今夜岡野と飲んでまた考えると言った内館、どちらも共通してクラブへの愛着をストレートに表していたし、それがスタンド全体の万雷の拍手を呼び込んだと思う。そしてセレモニーが終わり、選手が場内を回り始めた時にゴール裏に現れたコレオグラフィー。
岡野の30、内館の19。上手く言い表すことは出来ないが、血の通った暖かさ、そしてピッチ上の勝敗以前のクラブとしての基盤を感じた一時だった。あの社長は強化面では強烈な非難を浴びているが、この点はさすがだ。おそらくこういう所が今日大勝した相手より最終的には下の順位で、これでかれこれ4年間も中位を彷徨ってるクラブとの差、なのだろうか。
何にせよあまりに目まぐるしく濃密な約2時間だったが、スタジアムを出ると強烈な寒さで現実に引き戻された。そんなこんなで2008Jも終わり。