世界史視点の国際情勢

その1:イラン情勢
 今回は選挙結果そのものは重要では無く、イスラム政権を打倒して“民主的な”政権を樹立したい人々による活動に上手く利用された印象。あの惨敗した改革派候補だって、3ヶ月前に立候補を正式表明したというし、多少の不正があった所で大勢には影響無かったのではないかね。NHKで在米イラン人の反政権活動が紹介されていたが、あれを視てもこれまで細々と続けてきた運動を燃え上がらせる『燃料』に使われた感が強まるだけだし、その後ろで糸を引いてるのは一体誰だろう?という興味も同時に湧いてくるが・・・。
 最後このblogらしい事を一つ付け加えれば、W杯予選でプレーオフにも回れず敗退が決まったのも政権には打撃だったかもしれない。これで予選突破でもしていれば、国民の眼を多少は逸らす事が出来たかも、と考えるのはあまりにイランの人々に失礼だろうか。


その2:モザンビーク沖海賊
 食うのに困った沿岸部住民が海賊稼業に乗り出すというのは、人類のある種の法則かもしれない。古代ローマでもアドリア海を挟んで対岸の地域(現クロアチア等)は入り組んだ海岸を利用した海賊の根城で何度も征伐が行われてきた。古代なら海賊を根城ごと徹底的に叩いて沿岸部住民を内陸部に強制移住させる位の事は平気で行ったのだが、人権華やかなりし21世紀に同じ手は使えない。そして結局の所あの地域の人々の生活を如何に向上させるか、という単純だが困難な課題に突き当たってしまう。


その3:アフガン情勢
 10年位前だったか、未だタリバンが政権を握っていた頃、新聞にアフガン国内の勢力図と共に
『春の雪解けを待って○○渓谷を越えて進軍予定』
だの
『反タリバンの△△将軍は一度囚われながら脱出して反旗を翻し〜』
だのと、まるで歴史書を読んでいるかのような表現が出てきて驚愕した記憶がある。
 高校時代、同級生が要約すれば『イスラム歴なら今は未だ1400年代。つまり彼らは西暦で言う1400年代にキリスト教徒が十字軍を起こしていたのと同じ事。』というような事を言ってたのが今更ながら思い出される。そうだとすれば、彼らがルネサンスを経て宗教(的な力)を相克するまであと数百年必要という事になるが・・・。その同級生とは就活中に偶然会ったけど今何してるんだろ。


 こんな事を書いていたら『文明の衝突』が読みたくなってきた。98年刊行というから、あの彼ももしかしたらこれに影響されたかもしれない。