さて8/30が面白くなってきた

 このタイミングで辞めるとは思わなかった。まぁ予想通り「途中で投げ出した」批判が多いけども、この360万都市を7年間良く治めたと思うし、特に次の2点において評価に値すると考えてる。
1.景気対策を始め、必要と思われる経費を確保しながら同時に莫大な市の有利子負債残高を減少させる流れを作った事
2.ゴミ排出量30%減を掲げ、実際にそれを達成した事


 どちらも国を始め日本中のあらゆる自治体がその重要性を口にしながら殆ど解決出来ていない問題だが、例えば夕張の様に財政再建団体に転落したとか、ナポリの様に処理能力が限界を超えて街中がゴミで溢れるといったような“分かり易い”状況を目の当たりにしていない以上 その成果が見えにくく、それ故に功績の割にあまり評価されていないように感じる。まぁこれは伝える側の問題かもしれない。普段“国の借金が〜”とか“第三セクターの赤字が〜”と騒ぐ割には、実際に健全化した事例に対しては随分とあっさりした態度を取ったりする。『批評』とは『批』、『評』2つ併せて成り立つものにもかかわらず。それは余談だが、どこかこの状況は(帝国の再編成という大事業を成し遂げながらその重要性が理解されず、それどころか元老院から弾劾されかけた)ハドリアヌス帝を思い起こさせる、とは言い過ぎだろうか。ここ最近は女絡みで週刊誌に書かれる事もあったが、そのマイナスも上記のプラスを越える程ではなく、こういう立場の人間に真に必要な能力は必ずしも倫理観だけではない、というのは今読んでる本から強く感じる事だが、まぁそれはまた後日に。いずれにせよ、この7年間は歴史によって判断が下されるだろう。



 さて今後だが、負債は減り始めたとは言え、まだ莫大な残高が残っている以上、今後もその流れを守らなければまたあっと言う間に減った分が元に戻る事になる。従って次の市長は上記1,2の流れを守る必要があるが、同時に次の事業を進める絶妙なバランス感覚をも継承する事も求められる。
・中心部に比べて整備の遅れている郊外の幹線道路整備
・みなとみらい事業の完遂


 道路整備はより長いスパンで考えなければならない以上、次の市長も粛々と整備する他無いが、みなとみらいに関しては、鉄道も開通し、高層マンション、ビルも続々と竣工される中で、そろそろ完成形を見据えなければならないと思う。いつだったか現市長が「この事業は歴代市長がそれぞれの役割を果たしながら進めてきたもの。完成は次の市長の代になるだろう。」といった趣旨の発言をしていて、その最近の政治家には無い真の意味での長期的視野にはっとさせられた事がある。正直このレベルの市長が2代続くとは思えず、少々不安なんだけども、まぁ何にせよ8/30が面白くなってきた。
 思えばこの人が市長になったのは02年W杯の直前で、みなとみらいでW杯関連イベントボランティアをしている傍でトラメガ片手に支持を訴えながら歩道を練り歩いていたのは選挙活動中のこの人だった。まぁその時は現職の再選は固いと見られていたのだが、まさかの当選、そしてそれが今日まで来た、と。正直Y150は微妙だと思ってるんだが、この7年間の餞別代わりに行ってみるのもいいかもしれない。