ナビスコ杯準々決勝第2戦 川崎×鹿島(等々力)


 今日の試合中ふと思ったんだが、この2チームの対戦は、熱い展開と高いレベルが両立する日本屈指の好カードではないかと思う。下手なダービーよりも余程“ダービー”らしいと言うか。この眼で観た記憶を辿っても、川崎が数分で2点取って逆転した試合とか、鹿島がアウェーで高度な組織力を見せ付けた試合とか過去ログを辿っただけで当時の印象が蘇って来る様な―――そんな試合ばかりだし、それ以外でも去年の豪雨中断⇒再開試合とか、激しい試合が多い。


 今日もスタメンを見る限り鹿島が手堅く引分けに持ち込んだりして勝ち抜けかと思いきや川崎が先制し、丁度エンドが風上だったからフロンタがこのまま押せ押せになるかと思ったその直後に小笠原が同点ボレー。で、今度は後半風上の鹿島が興梠か野沢辺りが追加点を奪って試合を終わらすかと思っていたら、小笠原が黄紙2枚で退場⇒川崎は中村ケンゴを投入して勝負を掛け、その中村が同点ミドルを決めて2試合トータルでイーブン。ここまでも十分過ぎる位面白かったんだけど、終了5分前に川崎が3点目を奪って2試合トータルでついに逆転し、最後は終了の笛が鳴るまで1点さえ取れれば勝ち抜ける鹿島の攻勢が続き、全く間延びせず飽きさせない90分だった。ついでに言えば試合中霧雨混じりの強風に曝され続けた観客の空気も読んだこれ以上無い幕切れでもあった。


 確かに鹿島は最近勝てて無いけど、それでもあの手堅いチーム相手に攻撃し続けて最後陥落させるのはさすがだわ。川島と鄭大世がいなくなっても14番と10番が健在ならあのレベルを維持出来るという事か。今日も中村が入った瞬間にボールがワイドに展開されるようになり、その存在感は、まるでW杯のGL最終戦で途中投入された途端に(それまで悲惨な内容だった)イタリアのサッカーを変えたピルロの様。


 準決勝は川崎×磐田、清水×広島と。これならどこが勝ち上がっても面白い試合が見れそう。いつも重要な所で星を回しあう静岡互助会がガチな決勝でどうなるのかとか、川崎×清水のシルバーコレクター対決とか。チケも去年ほど争奪戦には成らないだろうし。